3章 ー14
「分かりましたわ」
ネルは一番上に掛けてある絹を手にすると、それで敷き布団を仕切った。
「私は右側で寝ます。この仕切りを超えないお願い致しますわ」
「超えたらどうなるの?」
「アントニオに人間の体の一部分を切り除くにはどうしたら良いのか聞きますわ」
怖っ。
因みにどこの部分?いや、どこの部分でも嫌だけど!
「大丈夫。超えません」
「えぇ、その方が賢明ですわね」
そう言うと素早くネルは布団にその身を隠した。
俺が何かすると思っているのか、ネルは顔をこちらに向けている。
「何もしないよ」
「分かっていますが、一応、念のために」
あちゃ~、さっき手をどかして胸元見ちゃったからかな?
物凄く見られてる。
まぁ、見た俺が悪いのだけど……。でも、気になるじゃん?!
前にチラッと見えたけど、ほら、正面きってネルが胸元出してることないから……つい……。
やっぱりどう考えても俺が悪いね。もう観念して寝ます。
「俺も布団に入るね。ランプ消す?」
「お願いするわ」
部屋を照らしている幾つかあるランプを吹き消す。
最後にベッド横の燭台の明かりを消して、台をベッドから遠ざける。
布団に入ろうとするとネルがベッドで寝転んで、窓の外を眺めていた。
窓に近づくと、丸い月が空に輝いている。
「綺麗だね」
「えぇ、綺麗だわ」
ネルが機嫌良い間に布団に入ってしまおう!




