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3章 ー12
『メリッサ、本当ですの?』
「なんだろ?」
戸の前が騒がしい。
『いつも用意周到なメリッサが忘れ物をするだなんて信じられませんわ』
『無い物はないので、今回は諦めお部屋でそのままお休み下さい』
「だから無理だと……ティム、急にドアを開けないで下さいませ」
「え?ごめんね。もうドア開けたよ」
「……貴方、酔ってるでしょ?」
「酔ってなんかないよ~」
「お嬢様、お休みなさいませ」
「ちょっとメリッサ、押さないで頂戴」
「メリッサさん、お休み~」
「ティム、勝手に話を進めないで下さいませ!」
パタン
「もう夜だけど、お休み以外に言うことあった?」
「いいえ、もういいですわ。さ、早く寝ましょう。明日は市場に行くのでしょ?」
ネルは背を向けてベッドに向かう。
メリッサさんがしたのか、長い髪が編まれている。
「……ネル、今気づいたんだけど、凄い格好してるね」
背中が半分くらい見えてる。
「だから早く、布団に入りたいのです!」
ネルは胸元を手で押さえてキッと睨む。
……つまり、胸元も見えると……?
ツカツカと近づくと、ネルも早足でベッドに向かう。




