3章 ー11
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「はぁ、美味しかった」
ベッドに転がる。
目の前の天蓋は見た事もない綺麗な物で、男の俺には無縁だった代物だ。
夕食に出たネルの好物だと言う、いんげん豆の煮物も旨かった。
しかも久しぶりにお酒まで飲めて最高!
「~♪」
靴を脱いで、三人くらい寝れそうな広いベッドを寝転がる。
「それにしても……」
急に午後からネルと馬を走らせた時の事が思い出された。
「あれはダメだよ……反則」
普段ドレスを着ているから気がつかなかったけど、ネルは美脚だった。
ピッタリとした乗馬用のズボンが、その美脚具合を強調していて……いや、シャツも駄目だったな。
胸のボタン、いつか飛ぶんじゃないの?
髪の毛なんかもさ、高いところで一つにまとめたりして……どこを見たら良いのか分かんなかった。
ただただ、ネルは綺麗で格好良く、おまけにスタイルまで良いのだと再認識させられる事になってしまった。
「はぁ……」
初めて会ったのは七歳の時で、スタイルの良さなんてなかったのになぁ。
男爵家として歴史の浅いライガーは、父の性格もあってか社交界に友人が少ない。
そんなうちに対して、歴史のあるランスロー男爵は気さくに接してくれたようだった。
両家とも長子が男でしかも同い年と言うこともあって、家族ぐるみの交流が始まった。
ネルは彼女の父親にそっくりで、黙っていると少し怖そうに見えた。
でもいたずらっ子で彼女の兄のファンとよく笑いながら走り回っていた。




