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1章 ー02
爵位のあるライガー家の長男であるティムが一生独身だと外聞が悪い。
その未婚の理由が殿下にくっついているせいだと、殿下はティムのお父様に思われたくないでしょうしね。
ティムのお父様は国王の近衛兵なので、殿下とは昔からの顔馴染みなのよ。
「つまり……殿下は嫁が決まるまで戻ってくるなって言うんだ!」
ちょっと!
わーんと、ティムが腕で顔を隠して泣くものだから、行き交う人が私達に視線を送ってくる。
「ティム、落ち着いて下さる?さ、少し歩きましょ」
「うん……」
悲しむティムは私の後ろをとぼとぼと着いてくる。
「ティムの事情は分かりましたわ。でもそれがどう私との……」
振り向くと、ティムはポツンとこう言った。
「……俺は女にモテないんだ」
でしょうね。
「それで父上が何人か女性を見繕ってくれたんだが……」




