1章 ー01
私達の住むセゴ王国は東側に隣国があり、その他は海に囲まれている。緑も豊かでオリーブや海産物が手に入りやすく、とても豊かな国だと私は思っている。
それは一つに、殿下が指揮を執る騎士団の強さも関係しているのだとお父様は言っていた。
その騎士団の中でも強さや身分、内面の優れた物が殿下の近衛隊に選ばれているのだとか。
その一人が目の前にいるティムなのだけれども……。
「それは、いったいどういう事ですの?」
大きな声で話すのも躊躇われ、声を潜めた。
ティムの生家であるライガー家は代々腕の良い騎士を輩出しており、爵位を賜っている。
私の生家、ランスローは男爵の爵位を持っており、子供の歳が近いという理由でライガー家とは仲が良い。
そうは言っても年頃になると自然と顔を合わせなくなり、ティムと会うのは二年ぶり。
それなのに結婚……。
それに"契約"が付いていたわ。
まぁ、お互い利益のある条件付き結婚みたいなものでしょうね。
「いやそれがさ、殿下に『俺の側ばかりいるからかティムには浮いた話が一つもない。少し心苦しく思っている。暫く休暇を与えるから羽を伸ばしてこい』って……」
ティムは困ったよねと眉を下げて頭を掻いている。
困ったとかそんなレベル問題ではないと思うのだけど。




