目次 次へ 1/51 プロローグ 「ネル、待った?」 待ち合わせ場所の広場へと、ブールポワソを着たティムが人懐っこい笑みを浮かべて現れた。 「いいえ。大好きな王子殿下の近衛隊になれたと喜んで報告しに来た以来ね、ティム」 一週間前に手紙を寄越してきた顔馴染みに目を向ける。 柔らかそうなライトブラウンの髪にコバルトブルーの瞳を持つティムが困ったように眉を下げた。 「急に呼び出してごめんな。実はネルにしか頼めない事があって……」 「あら、何かしら?」 「俺と、契約結婚して欲しいんだ!」 ……は?