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3章 ー02
「馬は走られそう?ネルが良いなら一緒に乗馬したいなぁと思って」
普通、男爵令嬢だった娘にそんな事を言うかしら?
でも私も乗馬は好きよ。
「別荘の目の前が開けているから大丈夫だと思うわ。一応、お父様の手紙にその旨も書きますわね」
メリッサが持って来た紙に、手紙をしたためる。
「サラサラとネルは綺麗な字を書くね」
ティムが手元を覗いて目を細めた。
子供ぽいけど、こんな素直なところは可愛いとさえ思える。
下手に知らない誰かと結婚するよりティムと結婚して良かったわ。
この人となら、穏やかに暮らしていけそうね。
「お褒め頂き、光栄ですわ」
ティムは少し驚いてから、少し照れて、いつもの笑顔を私に向けた。




