2章 ー08
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ライガー邸に戻るとティムが馬の手入れをしていた。
「お早いお戻りでしたのね」
そう声を掛けるとティムは「聞いてよ、ネル~」と、情けない声を出した。
「あのさ、殿下が登城しても良いって言ったくせに、俺の顔を見たら『本当に来たのか。馬鹿だと新妻から見捨てられないと良いな』って笑うんだ」
変だと思いましたわ。
式の翌日に仕事に行くだなんて。
「それなのに、来たついでにって、書庫の整頓に付き合わされて、帰るのが今になったんだ」
しょんぼりしてますが、殿下もティムの事を気に入っているのでは?
だから少しでも一緒に居られるよう手伝いを?!
まさか……両思いなの?!
でもティムはそれに気づいていないように感じますわね。
「……殿下はティムを特別気に入っていますのね」
「そうかなぁ?まぁ玩具として気に入っているのかもね」
オモチャ!?
清い間柄だと思っていましたのに、ティムは殿下のオモチャなんですの?!
ぐ、具体的にどんな事をしているのかしら?
「で、殿下とはどのような事を……いえ、なんでもありませんわ!」
私は何を言っているの!
「どんなって普通に側に立っていたり……あー……たまに湯浴みの手伝いさせられるんだけど」
湯浴みの手伝い?!
二人きりなの?!
いったいティムはどこを洗っていますの?!




