2章 ー07
ティム坊と言っていたから、昔からの知り合いよね?つまり、この人がティムのそういう面の師匠?!
「で、どっちにする?」
よく言えば渋くてダンディな彼は顎で右側をさす。
右側の壁には肘置きにも布がかかったソファと、肘置きの部分は木だけれども奥行きのあるソファが並んでいた。
「朝早くから叩き起こされて、そこのセバスがことどっちかを買うから取り置きしてけって言うからふぁあ」
語尾は欠伸にかき消されてますわね。
あの彼と比較にならない程、どちらも素敵ね。
「触っても良いぜ」
振り向くと「俺の事じゃねぇよ」と彼はニヤニヤしている。
やっぱり不躾野郎だわ。
無視してソファを触る。
……良い!
麻の爽やかな触り心地に、中は羊毛なのかしら?
ふわふわだわ。
肘置きに布がある方は、肘置きも柔らかい。こちらにしましょう。
肘置きとソファの間に隙間がないから、頭が落ちる心配もなさそうだわ。
「彼はミゲルと言う名前で、あんな男ですが、良い物を作るのですよ」
そっとセバスが耳打ちする。
「おーい、じいさん。聞こえてるぞー」
ミゲルがわざとらしく大きな声で言う。
「決まったか?」
「えぇ、こちらをお願いしますわ」
「お目が高いね。高い方を選びやがる」
くくっと低く笑うと、セバスとカウンターへ。
……高い方を選んで良かったのかしら……?
不安になり、静かに側にいるトリスに目を向けた。
トリスはただニッコリと笑うだけだった。




