18/53
2章 ー05
◇
コンコン
誰かしら?
昼食後、ソファ側の壁にアラン様の絵を飾ろうとしていた手を止め返事をすると、ライガー家の執事・セバスが顔を出し、一礼する。
彼の後ろには侍女長のトリスが控えている。
「若奥様、ティム様が用意するように言われていましたソファの件で宜しいでしょうか?」
「えぇ」
ティムったらいつも間に……。
思い返しても、ティムが彼らに頼んでいるのを見ていない。
こっそりと、だけど迅速に手配してくれたのね。
彼の心遣いか嬉しいわ。
「失礼します」
そう言うとトリスが一歩、前に出た。
「二つ候補がありますので、若奥様に選んで頂きたく参りました」
私に選ぶ権利をくれるなんて……。
ライガー家の使用人は良くできた人達なのね。
「分かりましたわ。今から参りましょう」
アラン様の絵は戻ってきてから飾ることにしましょう。
視線を感じるわ。
視線の先にはトリスが。
アラン様の絵を見つめているって事はファンなのね?!
「そちらの絵は希少な作品なのですか?見た事のない画風ですが」
……見た事のない画風。
「そんな感じかしら」
褒めているのか不明ですし、私が描いたとは言わない方が無難ね。




