カダ16歳ー出会いー⑦
家族をすべて失ったカダは16歳で未成年だった。そのため、新たにカムイクジナのミコト・バクタがカダの養父となってくれた。そしてそのまま、カダはバクタの弟子になった。
ガルシャも自分の養子にとバクタは申し出たが、ガルシャはタルマの養子になることを希望し、タルマもそれを受け入れた。そのため、ガルシャは神呼見習いとしてカムイクジナに籍を置きながら、情報技術の部署であるカザヒコジムナにも所属しているといった、変則的な立場となった。
カダには同い年の兄弟弟子が一人いたものの、ほとんど口を利くことはなかった。兄弟弟子は名を「オウガ」といい、カダがバクタに弟子入りする数か月前に、同じくバクタの弟子となっていた男子だった。しかし、どういうわけか、初めて顔を合わせた日から、オウガはカダをひどく嫌っているようであった。
カダが、カムイクジナに審神者見習いとして、正式に所属したばかりのころの話だ。
あまりに美しい審神者見習いがいるとのことで、塔内が一時ざわついた。一目見たいという者が男女問わず多数現れ、カダの所属するカムイクジナがある18階に、用もないのにやって来る別部署の人間が散見された。政府のような役割を担うスベラギとしては、他部署同士の垣根が曖昧になることをよしとしていない。そのため、事態を重く見た監督部署によって、しばらくの間「自身に関係する部署がある階以外は、むやみに立ち入ってはならない」という決まりができたほどだ。
また、当時の神呼頭からは、以下のような笑い話も聞かれた。
なんでもカダに熱烈に思いを寄せるあまり、いわゆる恋煩いのような状態となって職務に集中できない者が、多数現れてしまい、頭を悩ませた神呼頭は「カダと目を合わせるな! 3回以上目を合わせれば、カダに妖術で魂を抜き取られる」といった逸話を作り、特に若い女性の神呼・審神者見習いたちに触れ回ったというものだ。




