秘密の日記
「誰も居ない。ヨシ」
家ヘは無事にたどり着けた。
特に学校の外で監視が居るって事は無さそう。
「ただいま」
心臓がうるさい。
とにかく早く、あの日記を見ないと。
怖い。
さっきまでは気を張ってたから何とも思わなかった。
洗脳されているかもしれないけど、モモだっていたし。
でも、家の中は孤独だ。
もし、パパやママまで洗脳されている事があれば詰み。
「お願い……家の中は無事でいて」
部屋のドアを開ける。
誰もない。
今朝机の上に置きっぱなしにしていた【秘密の日記】はー
「良かった……無事」
なら、まずは部屋の扉を閉めて……窓も閉める。
スマホ……一応電源切っておこう。
洗脳なんて非現実的な事が起こってる以上、電波から情報盗まれてもおかしくない。
「よし……後は日記を見るだけ」
どれだけの情報が入ってるか分からない。
でも……これを見ないと、私は前に進めない。
「よし」
大きく息を吸う。
私は意を決して、日記を開いた。
◇
『ウチは洗脳されていた。ウチだけじゃない。学校の皆も』
『皆が財人を好きになってる。ウチも、どうして??』
◇
「駄目だ……どのページも同じような事しか書かれてない」
日記には、膨大な量のメモが残っていた。
でも、全部同じような内容ばかり。
ここから考えるに。
ウチは何かしらのきっかけで洗脳から覚める。
その情報を日記に書くが、突如眠気に襲われる。
次の日にはまた洗脳されていて、日記帳を自分が書いたポエムノートと認識して見なくなる。
この流れを繰り返してる事になる。
まるで洗脳ループ。
「逆に言うと、一日中正気を保てたのは今日だけ」
何が原因なんだろう。
日記の中には、今日と同じように洗脳されているふりをして帰ったって書いてるページがある。
洗脳ループは、ウチが正気であることが黒幕側にばれようがバレまいが発生するっぽい。
今はこれ以上に分かる方法が無い。
「んじゃぁ、ウチがやるべきは……家に帰った時に正気に戻る方法」
どれだけ気を強く持っても、学校に行けば洗脳ループの餌食になる可能性がある。
だったら、いつでも正気に戻れる安全地帯を作ればいい。
「ウチは洗脳されてた時、この日記帳を開きもしなかった……ってことは」
部屋中に『ウチは洗脳されてる』とかかれた張り紙を張り付ければ正気に戻れる可能性が高くなる。
ばかばかしい作戦だけど、今はこれしかない。
でも、そんな張り紙見られたらパパとママに正気を疑われるか。
さて、どうしよ。
「あ、そうだ」
AIで架空のアイドルポスター作ろう。
んで、そのアルバム名が『洗脳するほど恋してる』とかにして。
そうすれば、パパとママに突っ込まれても最低限言い訳が立つ。
今日は妙な眠気も来ない。
「待ってな、ウチを洗脳したクソ外道」
多分、黒幕は財人だ。
だって、財人以外がこんなバカげた洗脳をする必要が無い。
でも、どうやって洗脳しているのか?
仲間は居るのか?
情報が何も分からない。
だからこそ、ここから。
「お前が作ったこのハーレム……ウチがぶっ壊してやる」
ここからがウチの反撃だ。




