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人の道

 『愛って醜いと思わないかい?』


 ぼんやりと。

 ぼんやりと。

 夢はその情景を浮かべる。


 『思い人に多くを求める。多くを共有しようとする。家族という枠に納めて一緒になろうとする』


 目の前に立っているのは誰だったかしら。

 ぼんやりとしていて思いだせない。


 『そして、願いが叶わないと知ったと瞬間に……愛というエネルギーは殺意に変わる。こんなに恐ろしいものはない』


 これはアニメの話だったかしら?

 昔読んだ小説の話だったかしら?

 それとも、何かの動画で見た話かしら?


 『それが、貴方が洗脳に手を出した理由?』

 『あぁそうだよ。僕と※※※※は、この気持ち悪い感情からみんなを助けたかったんだ』

 

 目の前の誰か……話の流れ的には犯人かしら?

 悲しい顔をしていた。

 背後には見た事もない虫の様な化け物が犯人を庇っている。


 『そうね。私は、貴方の気持ちを分かってあげられる最後の人間かもしれないわ』

 『でも、賛同はしないだろう?繧上◆縺上@縺ッ蛻?°縺」縺ヲ縺?∪縺吶b縺ョ、淡野モモという人間を。だから僕と※※※※は、君を、縺ゅ↑縺溘rを呼び出した』


 なんで、私の名前が呼ばれているのかしら?

 これは、私の記憶?

 

 でも、こんな記憶知らないわ。


 『ねぇ。今ならまだ間に合うわ……私とあなたは人の道を歩めるの』

 『人の道じゃ僕と※※※※は救われないよ。だから、化け物の道で良い』


 きっとこれは夢。

 色んな記憶がごっちゃに混ざって出来た、きっと存在しない記憶なのよ。



 「今日の掃除当番めんどくさ~い」

 「まったくあなたという人は。もう少し、真面目に働くべきだと思いますわよ、ゆるり」

 「えぇ……とうかっち厳しい」


 朝、教室に入るとそんな一幕が目に映る。

 意外な事に、ゆるりちゃんは早起きだった。


 「あ、モモち」

 「あらごきげんようモモ」

 「二人ともおはよう。朝からなかよしねぇ」


 ふっと統香ちゃんの髪を触る。

 だって仕方ないわよねぇ。

 綺麗な髪を見た瞬間、触りたくなるんだもの。


 「ちょ、モモ」

 「良いじゃない少しくらい。こんなに綺麗な髪なんだもの」

 「モモちは相変わらずだねぇ」


 そんな会話をしていると、ドタドタと皆が集まってくる。


 「あわわわわ。また淡野さんがエッチな事してるぅぅぅ」

 「(みのり)さん。教室であまりそのような事を大声で言うのはやめてください」

 「あ、ごめんね比奈野さん」


 烈火ちゃんと(みのり)ちゃんが合流する。

 でも、やっぱりー


 「財人君は今日もお休みみたいです。風邪、大丈夫でしょうか。烈火は心配です」

 「財人、最近忙しそうにしていましたものね。きっと疲れが溜まっていたんですわ」


 財人君が休みなのは分かるわ。

 ちょっと前に学校にも連絡があったし、病気でお休みしているのは仕方ないもの。


 でも……もう一人いない。

  

 『モモぉ……このエロ女ぁ』

 

 朱里ちゃんがずっと学校に来ていない。 

 体調不良の財人君と違って、休みの理由も分かってない。


 正直、私としては朱里ちゃんの事の方がすっと心配なのに。

 皆はいつか帰ってくるだろうと思っているみたい。


 「モモち。モモち」

 「あらぁ?どうしたのかしらぁ」


 ゆるりちゃんがちょいちょいと肩を叩く。


 「しゅりちの事、きっと大丈夫だと思うよ」

 「あら?私そんなに顔にでてたかしらぁ」

 「書いてあったねぇ。ゆるりが分かるぐらいだよぉ」


 最近のゆるりちゃんはいつのこんな感じねぇ。

 しゅりちは大丈夫。

 すぐに学園に来るようになる。


 確信を持っているみたいにそう言うもの。

 なんなら、私より朱里ちゃんに興味津々みたい。


 何か、あったのかしら。


 「ま、気にしすぎるのも良くないとおもいからさぁ。ゆるりゆるりと生きていこうよ」

 「ゆるりちゃんはちょっと力抜き過ぎだけどねぇ」

 「えぇ、モモちまでそれ言うの」


 そんな話をしながら、私はトイレの為に席を立つ。

 皆から離れた廊下についた、その瞬間の事だった。


 【朱里の事を思うなら、この事を誰にも言わずにー】


 そんな通知が、スマホに流れきた。

 差出人は、財人君だ。


 何かしら。

 嫌な予感がする。


 ぱっと誰にも見えない所に身を隠し、私はメッセージアプリを開く。


 『朱里の事を思うなら、この事を誰にも言わずに行動してくれ。今日の放課後、夕方の6時に隣町の公園に来てくれ』


 「これは」


 メッセージと一緒にあったのは写真。

  

 椅子に縛られている朱里ちゃんと、凶器を持たされた財人。

 その後ろには仮面をかぶった大人が立っていた。

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