全員集合!!
「ちょ、イタイイタイ。とうかっち、離して」
「駄目ですわよ。また悪い事考えていたんでしょう?」
さ、流石は統香ね。
あのゆるりを一瞬で拘束してる。
「それで赤山さん……なんか、洗脳?とか聞こえたんだけど、何の話をしていたの?」
「それ、わたしも気になっていた所よぉ」
ほっとするウチと委員長の元にモモと実が駆け寄る。
「朱里ちゃんやゆるりちゃんだけならともかく、あの真面目な烈火ちゃんも一緒なのがねぇ」
「萌えアニメだと思ったら鬱アニメでした、みたいな展開がありえるかもしれないと言う事ですね」
「実……余りにも唐突なたとえ過ぎてちょっと理解に追い付けませんわ」
「痛い痛い!!とうかっち痛いよ!!」
そうよね。
ちょっと前からウチと委員長をつけてんだから洗脳の話も聞こえるわよね。
モモも実も統香も、全部を聞いたって感じじゃない。
「朱里さん。ここは話すべきですよ」
「委員長もそう思う?」
「えぇ……ここでごまかす必要もないと思いますし」
まぁ、それもそうね。
現状、黒幕側のゆるりは抑えてる。
他に黒幕側の存在が居たとしてもー
「風紀の乱れなんてほっておけないですもの!!わたくしも力になりますわ」
「えぇ。朱里ちゃんも烈火ちゃんも抱えちゃう子だもの。私がやさしく手助けしてあげないとよねぇ」
「こういうシチュエーションはアニメで見た事ありますし。多分、おそらく、メイビー、私にも出来ることがありますよ」
六華の皆がこう言ってくれてる。
うん。
そうよ。
恐れる事なんてない。
こっからみんなでこのハーレムをぶっ壊す展開が来たのよ!!
まず、皆に洗脳の事を話して……対策を立てて。
こっから黒幕をあぶりだしてやる。
「ねぇ朱里ち……諦めたら?」
「何よゆるり。アンタまだそんな事」
「六華のみんなはさ、ゆるりやしゅりちとは違うよ。何を頑張ったって、きっとしゅりちの思うような仲間には……イダダダダ。とうかっち、ちょ、手加減して!!」
何よ。
ゆるりの態度。
「黒川さん、そんな言い方無いですよ。た、確かに私はおっちょこちょいだし、頭も良くないけど」
「あ~ごめんねみのりっち。そんなつもりで言ったわけじゃないんだ。ただー」
「ただ?」
「本当の意味で違うんだよ。しゅりちと君達はさ」
詰みなのはゆるりの方なのに。
なんでこんなにも余裕そうなの?
「イヤ、イヤ、カストルム、フタグン。イヤ、イヤ、ミ=ゴ。ミ=ゴ・カストルム、フタグン」
何?
呪文?
いやいや。
ウチはずっと洗脳と学園を観察してた。
洗脳ループは呪文なんかのあからさまな洗脳行為は無かったはずで。
「あ……頭が」
「委員長?!ちょ、大丈夫なの?」
委員長が、頭を抱えてうずくまった?
これってもしかして、洗脳??
トリガーはさっきのゆるりの言葉しか考えられない。
まさか、洗脳ループとは別に他人を洗脳する方法があるの?
『洗脳……財人 、アンタ一体何を』
『大丈夫だよ、朱里さん。君もすぐ、元に戻れる』
そうだ。
あんときの……皆がうつろな目になった時の光景。
あれが洗脳ループとは別の仕掛けで作られたものだとしたら。
「朱里さん……早く……烈火から離れてください」
「え?」
「烈火が……正気を保っていられるうちに」
そもそも、ゆるりはウチより早く洗脳に気づいてた。
そのうえで、洗脳を上手く使って生活してた。
だったら、裏技の一つや二つ持っててもおかしくない。
ウチは馬鹿だ!!
なんでそんな事に気が付けなかったの。
「朱里ちゃん駄目よ。私達六華はこのハーレムを維持しないとダメなのよぉ」
「そうですよ赤山さん。洗脳に身を任せないとダメじゃないですか」
はっとして、声がした方を見る。
「モモ、実」
もう、遅かった。
うつろな目をした二人がウチの体を拘束する。
「だから言ったじゃん。ゆるり達と皆は違うんだよ」
ゆるりは「痛かった~」とぐちりながら立ち上がる。
その隣には、うつろな目をした統香がぼーっと立っていた。




