イベント発生!!財人の失恋発覚!!
「振られた?一体誰に」
「近所の大学生だって」
どういう事??
財人の洗脳が解けた??
「ちょっとモモ……流石にこれは恥ずかしいだろ?」
「そう言ってぇ財人君も満更じゃなさそうよぉ」
「ちょ、モモ?!それはちょっと大胆に手を出し過ぎですわ!!」
いや、違う。
正気の財人があんなにニヤけた顔をするはずがない。
もしかして……黒幕は利用したって言うの?
財人の失恋を。
「あ、でも二人なら見たことあるんじゃない?」
「見た事あるって、何を?」
「ざいとっちを振った相手だよ」
「はぁ?!なんでウチ達が」
「だって昨日二人で映画観に行ってたんでしょ?」
「は?」
なんで、ゆるりがその事を。
「その映画館にざいとっちも行ってたんだってさぁ。だから、二人なら見てるかもって」
ウチと委員長が映画館に行った事がバレてる。
まずい。
どこまで黒幕にバレてるの?
たまたま映画館に居たと思われてる?
それとも、財人をストーキングしてた事までばれてる??
えっと、こういう時は。
「確かに、私達は昨日映画を見ていました」
「あ、やっぱそうなんだぁ」
「でも……財人君の事は見てません」
ナイス委員長。
ウチが焦ってる間に良い感じの回答を。
「そもそも……財人君が、振られてるなんて……知りもしませんでした」
「委員長?」
余りにも迫真の演技過ぎない?
そこまでしなくても、ゆるりぐらいは騙せると思うけど。
「烈火が……烈火が映画館に居た時に財人君の存在に良いづいていれば!!」
「いやいや、どう考えても無理だったでー」
「財人君……大丈夫ですか?なにか、酷い事とか言われて振られていませんか?」
「え、ちょ、委員長??」
なんで、財人の方に走っていくの??
別にそこまでしなくてもー
「まさか」
ウチはもう一度、委員長の顔を観察した。
「大丈夫だよ烈火。相手はそんな悪い人じゃないんだ」
「そうなんですか?まぁ、財人君が言うならきっといい人なんでしょうけど」
あれは……演技じゃない。
洗脳されてる。
「ッ」
「へぇ、意外だねぇ」
「な、なにが意外なのよ。ゆるり」
「いやぁ、しゅりちの方だったんだねぇ……洗脳耐性を持ってるのは」
は?
ゆるり……今、何言って。
「ゆるりが見た中だと、しゅりちの洗脳がうっかり解けたのが16か17ぐらい……れっかちの洗脳がうっかりとけたのが30回ぐらいだったかなぁ」
「それ……どういう事よ」
「分かってる癖に。あ、でも洗脳ループで記憶は消されるから実感はないかぁ。ま、ゆるりも最初はそうだったしね」
ゆるりの奴……今、洗脳ループって。
「ねぇしゅりち知ってる?れっかちって結構やばい子なんだよ。洗脳が解けるたび、スタンガン光らせてたからねぇ」
じゃぁ、まさか。
「アンタなの。このふざけたハーレムを作ったのは」
「さぁ……どうだろうねぇ」
生徒たちの喧噪は鳴りやまない。
ウチとゆるりを無視して、みんな財人に夢中だ。
「ま、ここじゃ話しにくいでしょ?お互い積もる話もあるだろうけどさ」
「ちょっと待ちなさいよ」
「放課後……視聴覚室で話そうよ。ゆるりもしゅりちに教えてあげたい事いっぱいあるからさぁ」
財人のうわさを聞いた他のクラスの奴らが殺到する。
ちょ、人混みが邪魔で……ゆるりとの距離を離される。
「待ちなさいよ!!ゆるり!!」
ウチの声は届かない。
結局、財人の失恋を慰めるクラスメイトの渦に飲まれて、ウチは何も出来なかった。




