表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/24

縁欲財人の独白

 「すっかり、遅くなっちまったな」


 (れい)と別れてから、2時間がたった。

 結構へこんでるよなぁ。

 優から連絡来なかったら、ずっと公園に居たよ


 『おにぃ。お母さんがご飯温めてるから、早く帰ってきなよ』


 我ながら、優しい妹だと思う。 

 でもなぁ、振られて泣いて帰ったなんて……恥ずかしい。


 せめて、涙の跡だけでも綺麗に拭いて。


 「あれ?ざいとっちじゃん」

 「え?」

 「奇遇じゃん。み~んな大好き。ゆるりだよん」


 黒川?!

 よりにもよってクラスメイトに泣いてる所を?!


 まずい。

 何かごまかさないと。


 「どしたん?こんな時間に」

 「いや……ちょっと用事があってな。黒川は」

 「う~ん。ゆるりはね、夜のおさんぽ」


 相変わらずマイペースな。 

 何を考えてるのか分からん奴だな。


 「それにしても大丈夫?」

 「大丈夫って、何が?」

 「泣いてたんでしょ?跡残ってるし」


 あはは。

 バレてら。


 でもなぁ。

 振られて泣いてましたなんて、クラスメイトにこそバレたくない。


 「それに変だよ?」

 「変?」

 「ざいとっちはさぁ、いつも学園だとゆるりの事ゆるりって呼ぶでしょ?」


 あれ? 

 そうだったか?


 「しゅりちや、れっかちや、みのりっちにとうかっちにももち……皆の事、名前で呼んで仲良くしてたじゃん」


 「そうだっけか?」


 あれ?

 俺達って、そんなに距離近かったっけ??


 なんか、そうだったような?

 そうじゃなかったような??


 「そうだよ!!ざいとっちはゆるり達六華を統べる男なんだから」

 「そ、そんな大げさな」

 

 なんか、黒川のテンションおかしくない??

 変なものでも食ったのか??

 

 「ふ~ん。相当ショックな事があったんだねぇ」

 「え、いやいやいや」

 「隠さなくてもいいよぉ……まぁ、すぐに何があったか聞かせてもらうけどね」


 本当に、どうしたんだ今日の黒川は?

 なんか、いつもと雰囲気が。


 「イヤ、イヤ、カストルム、フタグン」

 「は?」


 なんだ?

 呪文……か?

 黒川……も……中二病って奴なのか?


 「イヤ、イヤ、カストルム、フタグン」

 「あ、なんの、呪文……もしかして、ゆるり達の中で流行ってるとか?」


 そう言えば……俺が何で泣いてるんだっけ?

 分からない、記憶がぼんやりとしてる?


 「イヤ、イヤ、ミ=ゴ。ミ=ゴ・カストルム、フタグン」


 えぇっと……振られたんだっけか?

 誰に?

 頭が痛い?

 思い出せない?

 

 思い出せないなら……重要な記憶じゃないのか?


 まぁ明日学園に居ればみんなが居る?

 みんなって誰だ?


 決まってる。


 朱里が。

 烈火が。

 ゆるりが。

 統香が。

 実が。

 モモが。

 六華の皆が居る。

 

 「もしも~し。ざいとっち、聞こえる?」


 朱里が。

 烈火が。

 ゆるりが。

 統香が。

 実が。

 モモが。

 六華の皆が居る。


 「あれ?やりすぎたかなぁ。ぶっちゃけ加減が分からないんだよねぇ」


 朱里が。

 烈火が。

 ゆるりが。

 統香が。

 実が。

 モモが。

 六華の皆が居る。


 「まぁいっか。明日になれば、洗脳ループでいつも通りになるだろうし」


 朱里が。

 烈火が。

 ゆるりが。

 統香が。

 実が。

 モモが。

 六華の皆が居る。


 「ねぇざいとっち。今日何があったか、ゆるりに教えて?」

 「ふら……れた……好きだった……人に」

 「なるほどねぇ。他に変わったことは?」


 そう言えば……今日。

 映画館に行ったとき。


 「朱里と烈火を……見たような、気がする」

 「へぇ……しゅりちとれっかちが、二人で映画ねぇ」

 「暗躍は結構だが。その男に負担をかけるのは頂けないな」

 「ん?ミーゴっちじゃん」


 なんか、虫みたいなのが居る。

 あれはなんだ?


 まぁ、どうでも良いか。


 「この男の性格まで捻じ曲げる訳にはいかんのでな」

 「ハイハイ。以後きおつけるから、許してよ」


 なんで、ゆるりと虫が話してるのか、分からない。

 でも、良いや。


 気にする事じゃ、多分ないから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ