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最強の眷属たちに囲まれて、まったりダンジョン運営してます~裏山ダンジョン、ときどき攻略者~  作者: Jasmin


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第76話 鍛冶師

バベルの塔のオープン日だ。

リンドヴルムは既にリビングの椅子に座っていて、両肘をついた姿勢で目を閉じている。額に手のひらを押し当てて、辛うじて姿勢を保っているように見えた。昨夜の自業自得である。


「あ、ご主人、おはようっす~。」


「おはよう。」


「リンドヴルムさん、二日酔いっすか?」


「……うむ。」


「水置いとくっすね~。」


リンドヴルムはのろのろと顔を上げて、ハヤテが差し出した水のグラスを両手で受け取る。


シノもリビングにやって来た。


「今日の段取り、再確認していい?」


「頼む。」


「共鳴石は1人1個配布、クリア階層を記録するから、無くさないように案内する。共鳴施設の案内は、コンシェルさんにお任せだね。」


「そうだな。あとは、まぁ、絶対混むよな~。」


「施設の方はかなり大きくしたから、足りそうだよ?」


「バベルの方も最初はみんな1層からだろ?そっちが心配でさ。」


「こればっかりは、しばらくはしょうがないかもね。各階層はかなり広いし、実力者が上へ進むまで時間の問題だと思う。」


「そうか、まぁ、様子を見よう。」



朝の支度が一通り片付いた頃、シノが机のノートPCを少しだけ自分の方に引き寄せた。

ダンジョンボードの公式アカウントから、短い告知が流れる。


『バベルの塔を本日より一般開放します。攻略者の皆様、お気をつけて。』


反応が一気に流れ込んでくる。


『行くぞ!』

『先頭組、健闘を祈る』

『ついにキター!』

『俺は怖いから様子見』

『ライブ実況やる人いる?』


「動き始めたね。」


「ああ。」


俺は立ち上がって、窓辺に近づいた。

ここからは人影まで捉えるのは難しいが、蓄積魔力の感覚が、足元からじわっと押し上げられる気配があった。

ダンジョンへ入り込んだ人数が明らかに増加した気配。



そして今日、もう一つ動く予定があった。


「面接、午後からだったな。」


「そう。書類で残った人たち、順番に呼んでるよ~。」


「分かった。メフィス、契約準備もOKだよな?」


「えぇ、そ、そちらは大丈夫です。あぁ、新しい方に会うのは嫌ですね……。」


こいつ、こんなんで大丈夫なのか。まぁ、いざという時はきっちりやってくれると信じよう。



午後。宿泊エリアの空き部屋の一つを、面接用に開けてもらっていた。


それなりに見栄えのするデスクと椅子、書類束を一式並べている。

俺はデスクの中央側に座って、その隣にメフィス。向かいに2席、応募者用の椅子。

シノは少し下がって、壁際の椅子にノートPCを乗せて待機している。


「基本的にわたくしに一任いただける、ということでしたよね……?」


「あぁ、最初と、何かあれば口を出すが、基本は任せる。」


「あぁ、胃が……。」


「おいおい、頼むぞ。」


「それじゃ、最初の人、通しちゃうよ~。」


シノがコンシェルさんに合図を出した。小さく頷いて、ぱたぱたと部屋を出ていく。



入ってきたのは、首元に古い傷跡のある、30代前半の男性。短く刈った髪、節くれだった指。


「失礼します。応募の書類で通していただいた、鏑木だ……です。」


「裏山ダンジョン、ダンジョンマスターの鷹峰です。あ、いいですよ、話しやすいようにしてもらっても。」


「助かる。あまり堅苦しいのは得意じゃなくてな。にしても驚いた、ダンジョンのボスがこんな若い兄ちゃんとはな。」


「ええ、ちょっと偶然で。単刀直入に聞きますが、アームズ・ベースであなたから買い物したことあるんですよ。覚えてます?」


「あー、っと、悪い、毎日色んな奴に会うもんでな。」


「いえ、無理もないですよ。知ってる人だったのでちょっと聞いてみました。」


「……待った、数か月前、新人丸出しのやつに死ぬなよって言った記憶がある。それか……?」


「あ、そうですそうです。おかげさまでこの通り生きてますよ。さて、それでは、仕事の話に進ませてください。と言っても、うちとしては契約内容を飲んでいただけるか、ということが気がかりなんですけどね。」


メフィスが、紙を1枚、すっと相手の前に滑らせる。


「では、まずは契約に目を通していただきたく。何といっても特殊な環境ですからね。敵対の禁止と、得た情報の守秘が中心です。違反した場合の措置も、こちらに明記しております。」


鏑木さんが、書面を上から下まで丁寧に読んだ。


「なるほど。当然の内容だな。……まて、こんなに貰ってもいいのか。鍛冶の方は修行中の身だぞ。」


「信頼できる人柄より、優先すべき買い物はありませんよ。」


メフィスは見違えるほど堂々とした態度である。普段からこうしていれば良いのに。


「そうか。応募動機は、すでに送った通り自分の工房を持つことが夢だったからだ。ダンジョンの中で働くことになるとは思わなかったが、これほどいい条件なら断る理由はないな。」


「では、細かい業務の内容を詰めさせてください。お互い飲める内容であれば、最後に契約書にサインしていただきます。まずは基本の業務内容から――」


――――

貯金残高:7,525,000円 / ダンジョン蓄積魔力:1,142

スキル:【剣術】Lv.5 / 【身体強化】Lv.5 / 【戦闘機動】Lv.3 / 【危機感知】Lv.3 / 【状態異常耐性】Lv.2 / 【魔力操作】Lv.2 / 【マナバースト】Lv.3

眷属:ユキ(エルダーエルフ)/ ハヤテ(鷹獣人)/ リンドヴルム(祖竜)/ シノ(九尾)/ 猫又(下位妖獣)/ コムギ(土精)/ メフィス(契約の悪魔)/ リヴァイアサン


【ダンジョン構成】

入口 → 温泉街エリア(補給/工房/宿泊/食堂/湯治)→ 森エリア / 火山・大空洞エリア / 海洋エリア&バベルの塔 → 居住エリア(塔最上階)→ コアの小部屋

――――


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