シャーロットの紹介
みんなぁ~!!
今日も来てくれたありがとうぉ~♪
楽しんでってねぇ~!
執務室では家族とジェイが笑顔で迎えてくれた。
それから家族が直ぐに着飾ったシャーロットに興味が移り、オリビアは完全に無視されてしまった。
今日来た目的ですが、ベッサム領で領主の交代が起きました。
普通の交代と違い、呆れる理由で起きた今回の交代で新たに領主に納まったのは次男のガルです。
長男は軍に興味があった様で、軍を取りまとめる長に着きました。
驚くのは良く分りますが、まだ続きがありますからと、言うルイネにアリアが「今は落ち着いて」と、ルチェを諫めた。
長女のステイシーはジュエルが持つ諜報組織を引き継ぎました。
それで、エランとジュエルは旧ダストロイ廃鉱山に幽閉されています。
その他の家族は舘の別棟に執事のギルと一緒に軟禁されています。
ルチェとアリアの驚き狼狽えるのと正反対に冷静なジェシーが「その呆れる理由とは何でしょうか」と、聞いた。
「それは毎朝の食事です。
この前の食事の時に話したと思いますが、エランの所の朝食はシリアルですから。
一番初めにルリ様についてエランの所へ行き朝食を御馳走になりましたが、その時に上の兄姉等三人は明らかな不満を隠そうとはしなかったですね。
次に行った時も同様で、三回目に夕食を御馳走になりましたが、その時エランが分けを話してくれました。
先々代の当主からの格言で我が家の朝食があれになったのだと。
彼方此方で不満を聞きますが、あの朝食で家族にも使用人も大病を患う者がいなくなったと、自慢していました。
そのシリアルとは何でしょうかと、ルチェが聞いた。
今は持ち合わせがないのですが、そうですねヨウコさん頼みますと、言うルイネに笑顔で答えて転移して遺産に帰った。
あのエランの奴がと悔しがるルチェに対してアリアはあの家族は私は元から好きではなかったからと、キッパリと言った。
そこへヨウコさんが笑顔で転移して来た。
「オリビアさんはここへ料理長のトッティさんを呼んでくれますか」と、聞くと直ぐに執務室を出て行った。
「ここは少し狭いので、料理長が来ると談話室へ移動しましょう」と、ヨウコさんが言い出した。
ルイネもそれが良いと言うと、直ぐに馴染みになったルチェ専属メイドに言いつけ豪華な談話室にルイネ達を連れて行った。
その直ぐ後からオリビアと料理長のトッティがやって来た。
全員に席に着いてもらい、ヨウコさんが白い深い皿に入ったシリアルを各自の前に給仕して回った。
続いてスープとスプーンも給仕て回った。
ルイネ様と言うヨウコさんに納得したルイネが、「これはエランの所のシリアルとは少し違い、此方はルリ様の世界の物ですが、ルリ様の世界でも朝食に食べる人が居ると聞いています。
何方のシリアルも美味しかったですから、食べてみてください。
家族は初めて見る何かの種を押し潰した様な不思議な形に警戒する中で、「おっ、これはドライフルーツですな」と、呑気なトッティが初めにスプーンで掬って食べた。
次にスープを入れて、少しふやけたところでまた食べて、これは美味いと、上機嫌で直ぐに完食した。
一番早かったのはアニタとオリビアだったが、何時食べても美味しいと感想を話した。
家族も次々に完食して、確かに美味しいですが、毎朝がこれではさすがに飽きるんじゃないでしょうかと、アリアが言うと尤もだと誰もが話した。
ルチェは、これは確かに旨いが昼食が待ちきれなくなるなと、面白い事を言い出した。
食べ物の恨みで今回の領主交代が実現したのですが、その一番の被害者が此処に居るシャーロットです。
シャーロットはベッサム侯爵家に代々仕える三重臣筆頭グレイブル子爵家の次女であり、ベッサム軍近衛第一騎兵小隊隊長でした。
「えっえ~、こりゃたまげた」と、ルチェが驚き素が出てしまった。
「ちょっと、旦那様」と、アリアも言い出した。
「いや、昔エランの奴から話を聞いた事があったが、まさか領地を国に見立てて近衛を組織していたとは笑えるな」と、言い出すとシャーロットが恥ずかし気にするその仕草が面白い。
前に人間狩りについて話したと思いますが、その時の隊長が彼女です。
軍隊長と違い聞く耳を持ったのがシャーロットで、彼女の有能さに嫉妬した隊長のロジャーも簡単に唆され領主交代に一役買い、賞金首のお尋ね者になったシャーロットとその友人はナルディア領主を頼ってナルディ市に来たところ、私の神官に捕まってしまい今回の茶番が私とルリ様に知れてシャーロットは私が助けました。
それで、気を付けなさいね。
今は近衛が持てるほど4大貴族一の資産家かもしれませんが、ベッサム領は特にこれといった産業は無く、貴重金属の鉱脈が尽きるとそれだけの貴族ですから。
チレント領やガリ領の様な自慢できる産業が何も無いのですから、何れは自慢の鉱脈も尽きるでしょう。
この前も話した様に私はベッサム領に関わりませんので、エランを助け出す事もしませんしルリ様も同じ考えです。
それからもう一つの要件は、此方のシャーロットの紹介です。
シャーロットは神官としてルネに仕えてもらいますから、以降よろしく頼みますね。
オリビア程ではないが、剣の腕は確かですからね。
「只今神ルイネ様から紹介がありました、某はシャーロット・グレイブルと申す者であります。
家は領主暗殺を企てた賊を出したとして、一家は取り潰され秘密裏に家族と一族は処刑されました。
某も追っ手を交わし領外へ逃げ出すので精一杯の中で、隊長ロジャーを中心にした手練れに囲まれ何とか打ち負かした後から隊長とやり合う事になり、死に掛けたところをルイネ様に助けられました。
某が万全な状態ならロジャーに勝てるので今は悔しいです。
今は見習い神官としてルネ様に仕えております。
不束な者ですが、お見知りおき下さいと、言い貴族の御辞儀をしたが、それが服に良く似合い歓迎された。
「その何と言って良いのか、綺麗な服で美しい人から某と言われると我慢しきれずにルチェが笑い出した。
同じようにジェイは壮大に笑い出した。
「あなた達は失礼ですよ」アリアが言うが、そのアリアも我慢して堪えているのが良く分った。
「やはりおかしいのは良く分っているのですが、某はもうこれで通します」と、シャーロットが開き直り宣言した。
すると直ぐに「某のお姉ちゃん」と、メルズが喜んだ。
はじめに話した様に、今はエランとジュエルと言った箍が外れた状態の兄姉ですから、十分注意しなさいね。
そうそう、お父様これが傑作なのですよ。
トッティは知らないと思いますが、シャーロットから話を聞いた後、ルリ様とルイネ様とでベッサム館の執務室に行くと前から嫌らしい顔をして私を見てくる気持ちが悪いガルが領主を気取って机に付いて居ました。
ケニーとステイシーを呼ぶとステイシーが私を見下して言い出すのですよ。
私がルイネ様の使徒で居るのだから、ステイシーはルリ様の使徒が相応しいと。
それでルリ様が理由を聞かれると、我が家は侯爵家だから伯爵家のオリビアよりも格が高い私はルリ様の使徒に相応しいとですよ。
ルリ様が兎人のバニーさんで私は最後、もう使途は持たないと話されると、ならばバニーさんをルイネ様に譲りその後に私がなると言い出すのですから。
「あの今オリビアが言った事は本当なのでしょうか」と、驚くルチェがルイネに聞いた。
お父様まだ続きがあるのですから。
ステイシーの話にルリ様が初めて激怒され、私は本当に怖かったです。
ルリ様の使徒のエレンさんも青くなって震えていらっしゃって、その時メイドがお茶とお菓子を用意してきましたが、もう気絶寸前でしたから。
そのお茶とお菓子はルイネ様が受け取り給仕されましたが、私も怖くて震えるだけで体が動きませんでした。
オリビアが話した事にアリアは呆れて、旦那様は家の付き合いがありますが、私はこの先ベッサム家との付き合いは遠慮したいと思います。
ジェシーやメルズをあの者等には二度と会わせたくありませんから、今までも不快に感じていましたがエランとジュエルの顔を立ててきましたが世代が変わったのならもう良いでしょうと、宣言した。
「私も嫌ですよ。
あの女王様気取りにはもううんざりですから。
それにむっつりなケニーの視線が気持ちが悪くて」と、ジェシーが言い出した。
「まぁまぁ、この先確実に会うのは秋の社交界の時だろうから、まだ時間があるからよく考えなさい」と、言ったルチェも「そう言えば、領主が交代になると4大貴族は互いの顔見世に近いうちに王宮で会うな」と、言い出した。
「ところで一つお聞きしますが、某さんのグレイブル家ですが領主の一存で勝手に取り潰す事は出来ないはずですが」と、ルチェが言い出した。
某と認知されシャーロットは微かに微笑んだ。
「あのう、私は難しい話よりも昼食の用意に専念したいと思いますから」と、言い出しトッティは出て行った。
表向きは領主ガルが秘密裏にグレイブル家とブルー家の一族を処刑したという事になっていますが、ガルに無断で実行に移したのは常識知らずのケニーですね。
ベッサム家だから出来ると盛大な勘違いをしたのでしょうね。
グレイブル家とブルー家で残るのはシャーロットとローナだけですね。
私はもうベッサム領には一切関わりを持ちませんから、シャーロットには諦めてもらっています。
某もステイシーの使徒の一件を聞いても、これ迄は噂はとかく尾鰭が付き大袈裟に伝わるものと思っていましたが、目の前で見ると噂以上でしたのでベッサム家の配下に戻るつもりはありません。
それで、もしベッサム家の者が不条理な事を言ってきた時は、直ぐに私に知らせなさいね。
私はオリビアの実家でもあるチレント家とチレント領は守りますからねと、言うルイネにルチェをはじめ家族が感謝して祈りだしたところへ、ルチェの専属メイドが食事の用意が出来たと知らせに来た。
そのメイドにも家族に倣って祈られた。
何時もの様に美味しい食事とその後談話室に移動する間も、外見が貴族の令嬢といった感じのシャーロットは人気で、特に某さんと呼ばれシャーロットもそれを喜び、いつの間にか談話室から居なくなっていた。
「話には聞いていましたが、王様気取りで傲慢なエランに驚きました。
それで、エランもジュエルもまだ生きているのでしょう。
救い出さなくても良いのでしょうか」と、ルチェが聞いた。
まぁ、ルリ様も今回の交代劇は褒められたものではないが、認めると話されましたし、此処へまたエランが出てくると最悪本格的な内乱になりベッサム家はそれこそ取り潰しになるでしょう。
それは困りますが、あの兄姉はこの先ベッサム領を栄えさせると言うよりも、その逆でしょうか。
我が領も今はジェシーが直に会い貴族に限らず、良い人材に面会して組織を作っていますから、ずい分頼もしくなりました。
それは良い事です、何よりも信頼が一番大切ですからね。
一から十まで他人任せで作ったジュエルの組織は、難しい局面になると両天秤に掛け簡単に主を裏切りますから、直に話を聞いて判断するのは良い事ですよ。
ところでルチェさん、コーヒーは如何ですか。
今日も幾らか豆を用意してきましたから、また美味しいコーヒーを楽しんでくださいね。
ヨウコさんと、ルイネが言うとヨウコさんが豆が入ったこの前よりも少し大きな壺を取り出し渡した。
あのうルイネ様、大変に言い難いのですが、ランプに使う燃料が残り少なくなってきましたと、言い出すので笑顔のヨウコさんが燃料もビンのまま渡した。
これからはルネが頻繁にシャーロットと一緒来ると思いますが、その時は大いに頼ってやってくださいね。
妹は私の分神ですが、私以上に器用ですからね。
と、言うルイネにルチェもアリアも感謝し、それは勿論ですから。
何時でもおいでくださいと、喜んだ。
お姉様それは言い過ぎですから、と喜ぶからルイネは頼もしく感じた。
そうでした、今日はこれでお暇しようと思いますが、気が付くと居ませんね。
(皆さん用が済んだので帰りましょう)
(はい、直ぐに談話室に戻りますから、シャーロットさんの話が面白くて失念していました)と、オリビアが言い出した。
(あの私はメルズ君に慕われて困っています)と、アニタが言い出した。
あのオリビアの奴は迷惑を掛けているのじゃないでしょうか。
と、ルチェが言い出すからアリアもオリビアが皆を先導して私室に行ったと心配し始めた。
オリビアさんには助かっていますし、大いに当てにしていますから心配は要りませんからと、ルイネが言うがどうも二人は納得できない。
あのステイシーとは大違いですからね。
そう言われると少しは安心できますが、悪い時は遠慮なく叱りつけてくださいと、ルチェが言いその場は終わった。
難しい話が続いていたので、今日はシャーロットさんを私室に案内していました。
そこで話が盛り上がりまして、御心配をおかけしました。
それじゃこれで帰りますねと、言いルイネ達は転移して神界に在るルネの部屋へやって来た。
チョットでも面白かったとか続きが凄く気になると感じた方々は高評価を、下にある☆☆☆を★★★★★と、こんな感じにして下さると、河童が大喜びします。
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