第16話――森の街道に潜む危険
夕方、丘陵に沿って長く続く森へと差しかかると、街道は次第に狭くなっていった。
道の両側では木々がますます高くなり、枝葉が広がって、地面に差し込む日差しも限られていた。
先頭を馬で進んでいたレオンが、徐々に速度を落とした。
彼は灰色の瞳で地面を注意深く見渡すと、手を上げ、全員に停止の合図を送った。
「何かがおかしい」
その声の調子が、一瞬で変わった。
ユリウスも馬を止め、レオンの視線の先を追った。
「馬車の轍ですか?」
「それだけではない。道の脇に複数の足跡がある。それに、前方の茂みも踏み荒らされている」
アレンは馬車の近くへ移動し、リゼルに顔を向けた。
「リゼル様、恐れ入りますが、しばらく馬車の中にいてください。私たちが状況を確認するまで、外には出ないようお願いいたします」
リゼルはすぐに頷いた。
「わかりましたわ」
彼女はライラのほうを向いた。
「ライラ、わたくしのそばにいてくださいね」
「はい、お嬢様」
ライラはリゼルの隣へと移動し、さらに近くに腰を下ろした。
向かい側に座っていたエリアスは、隣に置いてあった魔晶石キーボードのケースを慌てて支え、馬車の揺れで滑り落ちないようにした。
一方、馬車の外では、レオンが馬から降り、アレンとユリウスにそれぞれの位置を守るよう合図を送っていた。
しばらくの間、街道は静まり返っていた。
そのとき、茂みの向こうから声が響いた。
「そこで止まれ!」
数人の男たちが、道を塞ぐように姿を現した。
短剣を手にしている者もいれば、棍棒を握っている者もいる。さらに二人は後方に立ち、弓を構えている。
彼らの服は古び、泥で汚れていた。しかし、その立ち振る舞いは助けを求める者のものとは到底思えなかった。
集団の頭目らしき男が、一歩前へ出た。
「金と荷物を全部置いていけ。そうすれば、怪我をせずに通してやる」
レオンは、目の前の男を無表情のまま見据えた。
「盗賊に財産を渡す理由はない」
「誰が盗賊だと?」
男は怒鳴り声を上げた。
「死にたくなければ、言うとおりにしろ!」
その言葉が終わるや否や、後方にいた弓使いが弓を引き絞った。
「伏せろ!」
アレンは叫びながら、馬車のほうへと身を寄せた。
矢が風を切って飛び、馬車の車輪のすぐ脇の地面に突き刺さった。
馬が驚いていななき、身を震わせる。アレンはすぐさま手綱をつかみ、自分の体で馬車の入口を守るように立った。
同時に、レオンは剣を抜いた。
「ユリウス! 右側を頼む!」
「了解!」
ユリウスも剣を抜き、馬車の側面から回り込もうとしていた男へと駆け出した。
盗賊たちも一斉に動き始めた。二人の男がレオンに向かって走り込み、別の男は混乱に乗じてアレンへ接近しようとする。
レオンは半歩下がり、最初の斬撃を受け止めた。
金属が激しくぶつかり合う音が、狭い街道に響き渡る。
彼は無理に相手を追いかけようとはせず、自分の立ち位置を利用して、二人の盗賊が馬車へ近づけないように立ち回った。
一人が剣を振り下ろす。
レオンは身をかわし、相手の剣を横へと弾く。そのまま剣の柄で、もう一人の男の腕を強く打ち据える。
男は苦痛に呻き、手から剣を落として後ずさった。
しかし、もう一人がその隙を逃さずに踏み込んでくる。
レオンは再び剣を構え、攻撃を受け止めた。
戦いは、すぐには終わらなかった。
狭い街道には、足音や武器のぶつかる音、そして怒号が入り乱れて響いていた。
一方、ユリウスは右側から迫る二人の盗賊を相手にしていた。
最初の斬撃を身をひねってかわし、続けて剣を振り上げ、相手の武器を自分の体から遠ざけるように弾く。
そこへ、もう一人が側面から隙を突いてきた。
ユリウスは素早く体を回転させ、攻撃を受け止めた。
刃と刃が激しくぶつかり、その衝撃が腕に響く。
「なかなか力が強いな!」
ユリウスは歯を食いしばりながら、相手を押し返した。
馬車のほうへ追い詰められないよう、彼は少し広い場所へと後退する。もう一人の盗賊に背後から簡単に回り込まれないためだった。
その頃、アレンも馬車に近づこうとする男を相手にしていた。
剣を掲げて攻撃を受け止めると、手首を返して相手の武器を横へと弾く。そのまま間合いを詰め、男を馬から遠ざけるように押し込んだ。
「下がれ!」
アレンが叫ぶ。
しかし、男は引き下がるどころか、肩から激しく体当たりを仕掛けてきた。
アレンは半歩よろめいたものの、どうにか体勢を保った。すぐに足を踏み直して姿勢を立て直し、次の攻撃を受け流すと、相手を馬車から引き離すように押し返した。
その間にも、弓を持った男の一人が再び矢をつがえようとしていた。
レオンはその動きに気づいた。
「アレン! 後ろに弓兵だ!」
アレンは声のしたほうへ振り向いた。
だが、彼が動くよりも先に、ユリウスが相手の攻撃をかわしながら叫んだ。
「僕がやります!」
ユリウスは、目の前の盗賊を押し返して距離を取ると、弓兵に向かって駆け出した。
男は弓を下ろさざるを得なくなり、慌てて短剣を抜いて身を守ろうとする。
二人は瞬く間に刃を交えた。
ユリウスは二歩ほど後退させられたが、相手との距離を保ち続ける。
そして、男が力任せに短剣を振り、攻撃を外した瞬間を狙って武器を横へ弾く。そのまま勢いよく押し出すと、男は地面に倒れ込む。
「動くな!」
ユリウスはそう命じ、男の前に立って警戒を続けた。
その一方で、戦い続けている盗賊の数は徐々に減っていた。
レオンは二人の男を馬車の防衛線から退かせることに成功していた。アレンもまた、馬車の入口をしっかりと守り続けている。
仲間たちが劣勢になっていることに気づいた頭目は、苛立たしげに悪態をついた。
「くそっ! お前ら、いったい何者なんだ!」
誰も答えなかった。
頭目は残った仲間たちを振り返り、最後の手段に出ることを決めた。
荷物を奪おうと、アレンの防御を突破して馬車へ向かって突進する。
しかし、アレンはその動きを最初から見抜いていた。
彼は馬車の前からわずかに位置をずらし、相手を自分の間合いに誘い込んだ。
そして、振り下ろされた剣をかわすと、剣の柄で頭目の手首を強く打った。
武器が手から弾き飛ばされる。
アレンはすかさず間合いを詰め、相手を突き飛ばした。頭目は体勢を崩して地面に倒れ込む。
アレンはその前に剣を突きつけ、再び攻撃できないように制した。
「もう終わりだ」
頭目は荒い息を吐きながら、悔しそうにアレンを睨んだ。しかし、それ以上動こうとはしなかった。
頭目が制圧されたのを見て、残った盗賊たちも動揺し始めた。
レオンとユリウスは引き続き周囲を警戒し、誰一人として馬車に近づけないようにしていた。
やがて、まだ動ける者たちも、次々と武器を地面に置いた。
戦闘の音は徐々に消え、辺りには、激しい戦いを終えた者たちの荒い呼吸だけが残った。
アレンは剣を下ろしたものの、盗賊たちが完全に制圧されるまでは警戒を解かなかった。
「全員、無事か?」
レオンは周囲を警戒しながら、仲間たちの様子を確かめた。
「私は大丈夫です。馬が少し驚きましたが、まだ制御できています」
アレンが答えた。
ユリウスも戻ってきた。服には埃がつき、地面の汚れがあちこちに残っている。
「僕も問題ありません。一度、斬られそうにはなりましたけど」
レオンはすぐに彼へ視線を向けた。
「斬られそうになったことを、そんなに気楽な口調で話すべきではない」
「でも、こうしてちゃんと立っていられるんですから、よかったじゃないですか?」
「次からは、斬られそうになったなどと言わずに済む位置取りをしろ」
ユリウスは一瞬黙り、それから真剣な表情で頷いた。
「了解しました」
アレンは馬車のほうへ向き直った。
「リゼル様、こちらは片付きました。リゼル様とライラはご無事ですか?」
馬車の扉が、ゆっくりと開いた。
リゼルが外へ降り、その後ろからライラも続いた。二人の表情には、先ほどの出来事による緊張がまだ残っていた。
「わたくしたちは無事ですわ」
リゼルはそう答え、アレンと二人の騎士を見回した。
「わたくしたちを守ってくださって、ありがとうございます」
「当然の務めです」
レオンが答えた。
リゼルは頷き、それから地面に押さえられている男たちへと視線を移した。
「それで、彼らはこれからどうなるのでしょうか?」
「まずは身柄を拘束し、何者なのか、そしてこの周辺に仲間がほかにもいるのかを調べます。その後、管轄の担当者へ引き渡し、定められた手続きに従って処理することになります」
レオンはそう説明した。
リゼルは黙って耳を傾けた。
先ほどの出来事で、リゼルは改めて理解した。
王宮の外への旅には、美しい景色や穏やかなひとときばかりがあるわけではない。人々が日々行き交う道でさえ、いつ危険が潜んでいるかわからないのだ。
だからこそ、同行者たちの判断を信頼し、自分自身も十分に注意を払わなければならない。
「それでは、出発する前に、まずは問題がないか確認する必要がありますわね」
「はい」
レオンは頷いた。
アレンは馬車と荷物の点検に戻り、ユリウスは戦闘の音に驚いた馬の世話をした。
誰も深刻な怪我を負っておらず、荷物もすべて無事であることが確認されると、エリアスも改めて自分の楽器ケースを点検した。
何も壊れていないとわかり、ようやく彼の表情からも心配の色が薄れていった。
こうして一行は、先ほどよりもさらに慎重に道を確認するレオンを先頭に、再び旅を続ける準備を整えた。
馬車に乗り込む前、リゼルはもう一度、森の奥へと続く街道を振り返った。
彼女は何も口にしなかった。
けれど、先ほどの戦闘の光景は、今もはっきりと記憶に残っていた。
やがてリゼルは前を向き、再び馬車へと乗り込んだ。
先ほどの出来事を胸に刻みながら、リゼルは再び前へと進んだ。
◇
森を抜ける頃には、太陽の光も次第に弱まっていた。
予想外の出来事を経験した一行は、皆、以前にも増して警戒するようになり、道中の会話も少し減っていた。
それでも、ユリウスは時折、何か話題を見つけては会話を続けようとしていた。
その後、異常が起こらないことがわかると、一行の雰囲気も少しずつ和らいでいった。
「今日は、思っていた以上に疲れる一日だったと認めざるを得ませんね」
馬車の横を馬で進みながら、ユリウスが言った。
「魚釣りに失敗したうえに、盗賊とまで戦うことになるなんて」
アレンは彼にちらりと目を向けた。
「その二つは関係ないと思いますが」
「僕にとっては関係ありますよ。どちらも僕が濡れて汚れる羽目になる点では同じですから!」
馬車の中から、ライラが小さく笑った。
「少なくとも、今回はまた足を滑らせて水に落ちずに済みましたね。」
「いいところを見つけてくださってありがとうございます、ライラさん」
リゼルは微笑み、それから窓の外の景色に目を向けた。
「でも、皆さん本当によく頑張ってくださったと思いますわ」
ユリウスは彼女を振り返った。
「本当ですか?」
「ええ。皆さんが力を合わせてくださらなかったら、今頃まだあの場所から動けずにいたかもしれませんもの」
アレンはわずかに頭を下げた。
「私は、自分の務めを果たしただけです」
「私も同じだ」
前方からレオンが言った。
「大切なのは、誰も深刻な怪我を負わず、こうして旅を続けられることだ」
リゼルは頷いた。
旅の安全を常に保証できる者などいない。そのことを彼女はよく理解していた。それでも、互いに助け合おうとする人々がそばにいてくれることは、彼女にとって大きな安心につながっていた。
ほどなくして、一行は日が暮れる前に休めそうな場所へとたどり着いた。
レオンは周囲の安全を確認してから、全員に休憩を許可した。アレンとユリウスは協力して馬の世話をし、レオンはもう一度周囲を見回った。ライラは簡単な夕食の支度を始め、リゼルも必要な物の準備を手伝った。
エリアスは楽器ケースを確認し、濡れないよう安全な場所に置いてから、残りの準備にも加わった。
夜が訪れ、最後の日差しがゆっくりと消えていった。
夕食は決して豪華なものではなかった。パンに干し肉、そして王宮から持ってきた食料があるだけだったが、長い旅を続けてきた一行は、皆、喜んで食事を口にした。
「明日は予定どおり目的地に到着できるだろう」
レオンが言った。
「これ以上、何も問題が起きなければな」
リゼルは頷いた。
「道中を見守ってくださって、ありがとうございます」
「我々の務めです」
ユリウスは口の中の食べ物を飲み込むと、少し手を上げた。
「到着したら、前線から運ばれてきた負傷者を受け入れる医療施設がどんなところなのか、ぜひ見てみたいです」
そう言う彼の声は、いつもより真剣だった。
「任務中に負傷した兵士を見たことはありますが、彼らを治療する場所に居合わせたことはありませんから」
リゼルは彼を見つめた。
「わたくしも、そこで療養している方々がどのように過ごしていらっしゃるのか、知りたいですわ」
彼女は少し間を置いてから、言葉を続けた。
「音楽で傷を治すことはできません。でも、もし皆さんに一曲でも聴いていただいて、ほんの少しでも気持ちが楽になるのなら……わたくしも、やってみたいです」
誰もすぐには答えなかった。
アレンは目の前の焚き火を見つめてから、穏やかな声で口を開いた。
「リゼル様がなさろうとしていることには、意味があると思います」
リゼルは彼のほうを向いた。
「ありがとう、アレン」
彼女はかすかに微笑んだ。
「でも、わたくしはまだまだ学ばなければなりませんわ」
「誰だってそうです」
アレンは答えた。
「大切なのは、自分が何をしているのかを理解すること。そして、自分には何でもできると思い込まないことです」
エリアスも真剣な面持ちで頷いた。
「楽器の仕組みなら、魔法の原理を使って説明できます。でも、聴いている人たちの気持ちをすべて測ることはできません」
彼は言葉を続けた。
「それでも、音楽によって誰かが少しでも心を落ち着けられるのなら、たとえほんの一瞬であっても、それは意味のある結果だと思います」
エリアスは少し黙り、自分の手に目を落とした。
「私も、私たちの音楽が、あの場所の患者さんたちにどのような助けになるのか、見てみたいです」
その言葉を聞き、リゼルは以前、野戦医療所を訪れたときのことを改めて思い出した。
あのとき、彼女は自分の目で確かめたのだ。誰かが歌を聴かせてくれたからといって、人々の苦しみが消えてなくなるわけではないことを。
けれど同時に、痛みに満ちた場所であっても、人々がほんのひととき顔を上げ、音楽に耳を傾ける瞬間があることも知った。
もしかすると、それこそが彼女にできることなのかもしれない。
奇跡を起こすことでも、すべてがすぐに良くなると約束することでもない。
ただ、苦しみと向き合う人々が、ほんのひとときでも、一人きりでそれを背負わずに済む時間を届けること。
リゼルは顔を上げ、夜空を見つめた。木々の梢の上には、いくつもの星が姿を現していた。
王宮のことを思った。前線へ戻る途中の兄のことを思った。そして、これから訪れる医療施設で出会う、まだ見ぬ人々のことを思った。
明日、彼らに会えるのだ。
◇
翌朝、一行は再び出発した。
曲がりくねった道や、いくつもの田園地帯を通り抜けた末、彼らは昼過ぎ、ついに前方に大きな建物を目にした。
その施設は前線からある程度離れた場所にあり、低い壁と木の柵で囲まれた敷地内には、複数の建物が並んでいた。
入口の近くには、馬車や荷車が何台も停まっていた。食料や医療器具の入った木箱を運び込んでいるものもあれば、前線から負傷者を乗せて到着したばかりのものもあった。
何人もの職員が慌ただしく行き交っている。医療用品の箱を抱えている者もいれば、荷車から器具を降ろすのを手伝っている者もいる。その一方で、二人の兵士が負傷した仲間を支えながら、奥の建物へと歩いている。
時折、誰かを呼ぶ声が響く。
戦場のように武器の音や爆発音が聞こえるわけではない。それでも、リゼルがかつて想像していたような静かな場所ではなかった。
ここには、自分の務めを精いっぱい果たそうとする人々がいた。
馬車が入口付近で止まると、レオンは馬から降り、一行の到着を知らせるため、本館へと向かった。
アレンは荷物を確認し、エリアスも馬車から降りると、自分の楽器ケースをもう一度点検した。それから、魔晶石キーボードのケースを荷物のそばへ慎重に置いた。
ユリウスも馬から降り、周囲を静かに見回した。
ライラは馬車から降りると、振り返ってリゼルが降りるのを手伝った。
入口の前に立ったリゼルは、目の前に広がる施設の様子を見渡した。
軒下のベンチに腰掛けている患者もいれば、窓際に用意されたベッドで横になっている患者もいる。医療スタッフは一人ひとりの様子を確かめながら、彼らに声をかけている。
腕に包帯を巻いている者。誰かに支えられながら、ゆっくりとしか歩けない者。そして、何も話さず、ただ前方の空間をじっと見つめて座っている者もいた。
その光景を目にしても、リゼルは初めて野戦医療所を訪れたときのように動揺することはなかった。彼女はすでに、こうした苦しみを目にしたことがある。
それでも、苦しみが存在することを知っているのと、大勢の人々がその苦しみを抱えながら生きている姿を実際に目にするのとでは、感じ方が違った。
リゼルはゆっくりと手を握りしめた。
自分には、目の前の患者たちの傷を治すことはできない。失われたものを取り戻すこともできなければ、彼らがいつ無事に故郷へ帰れるのかを保証することもできない。
それでも、かつてつらい日々を過ごしていた自分の心を支えてくれた音楽を、今度は彼らに届けることができる。
「お嬢様……」
ライラがそっと呼びかけた。
リゼルは彼女を振り返った。
「準備はよろしいですか?」
リゼルは、アレンが馬車から魔法のギターを降ろしているのを見つめてから、再び目の前の建物へと視線を戻した。
ゆっくりと息を吸い込み、それから頷いた。
「ええ」
その声は大きくはなかったが、いつもよりも確かな響きを帯びていた。
「もう、ここまで来たのですもの」
リゼルは一歩、前へと踏み出した。
彼らが音楽を聴いてどう感じるのか、そして自分の歌が誰かの心をどれほど支えられるのか、リゼルにはまだわからなかった。
それでも、できる限りのことをしてみよう。
旅は終わった。
これから大切なのは、ここへたどり着くまでに通ってきた道ではない。
彼女が会うために旅をしてきた人々。そして、その人々に届けたいと願う歌だった。




