55 幕間 円 千代子
宜しくお願い致します・:*+.\(( °ω° ))/.:+
今回は別視点でお送りです。
「ふぅ…」
満足感のある吐息が殺風景な自室の中に霧散する。
円 千代子。
今年17歳になった少女は病に倒れ、満足に走る事も、大好きな動物と触れ合う事も禁じられた。
大事な1人娘に元気になって欲しいと与えられたのがVRゲームだ。なんでも、自由に遊べるのが売りだとか。
最初は感動した。
だが、次第に現実に戻る苦痛も大きくなっていた。
大好きな動物。
思う存分愛でられるからと、テイマーになった。
初めてテイムしたのは、神様からの贈り物なのか、レア種のプチウルフ。太呂眉が特徴的だったから、タロ。我ながら安直だな、なんて思いながら初テイムした、子犬を撫でる。
いっぱい一緒に駆けた。ログイン制限ギリギリまで遊んだ。…本当に楽しかった。
だけど、現実は残酷だ。
VRセットから離れたら、病弱な自分。
だからなのか、神様に縋るのも自然な行いだった。
色々調べたが、しっくりこない…。医神だの、全知全能だの、大体が人型。…偶にヘンテコな神様もいるが、自分には刺さらなかった。
そんな時、惰性になりはじめていたゲーム内に、見た事が無いキャラクターが居た。
全身に布を被っただけのオバケの様な、、だけれども、その大きな目だけはギラギラしていて、
そう、まるで、全てを見透かす様な目…。
自分の矮小差を感じたのが怖くて、直ぐにログアウトした…。
だけど、凄く気になって掲示板で質問したんだ。……どうやら、エジプト神らしい。
早速調べてみたら、まるで、異質。コレに尽きる。
他の神様も異質だったが、メジェド神だけ、特に異質差を感じた。…何でも、打ち倒すモノ。と呼ばれ、目には見えない時も有り、目からビームがでる。
…目からビームが出るのである。
しかも、破壊力も凄いとか。…どんな神様だ。
気付いたら時にはメジェド様にハマっていた。
最初は自分だけのストラップにと、ゆるキャラメジェド様を鞄に垂らしていた。
「千代子さんその変わったモノは何ですの?」
…知っている限りのメジェド様の事を教えたら、何故かブームになった。…1番人気は犬耳メジェド様だとか。
そして、運命の出会い。……いや、運命に声をかけた。
「アナタ初心者でしょッ!私達のパーティーに入れてあげるわッ」
自分も殆ど冒険していない初心者なのに…。
結果は見事に振られて撃沈。…違う声の掛け方が良かったかな…と反省。
そして、気になって後を付けたら名物の犬団子さんが居た。綺麗な顔をだらしなくして、まるで天国かの様な状態。…ガジガジ噛まれてるけど。
どうやら、メジェド神と犬団子さんは知り合いの様だ。
つい、身を隠して伺っていたら、奴らが来た。…まだ、タロちゃんを諦めて無いらしい。…しかも、最初はオレンジネームだったのに、レッドネーム。…つまり、害悪プレイヤーに成り下がっていた。
…断ったら直ぐに攻撃してきた。…しかも、麻痺。手慣れてた動き。常習犯なのだろう。直ぐにタロちゃんを送還した。…後は叫んで誰か助けてくれるのを待つ。
助けてくれたのは、メジェド様の使い魔でした。
想像してた以上にアグレッシブさにびっくり。そして、敵対者に非情。…想像通りのメジェド様です。
そして、メジェド様からの提案。
私の運命。
途中邪魔が入りましたが、この方の提案こそ、ナニカが変わる。そう、確信できた。
メジェド様達に言えてない事がある。
<ユニークスキル[陰陽太極]により[神抗体]を(形成)円 千代子の病を(循環)し、[丈夫な身体]を獲得。>
ゲームにしては、かなり仰々しかったし、何より本名。…言えないよ。
それに、半信半疑だ。ゲームでそんな事…
「…やっぱり…。体調が良い?」
いつもは、ログアウト後に倦怠感が襲ってくる。…そして、いつもは繋がりが断たれて寂しい感覚も…ない?
「…………タロちゃん…?」
そんな、まさかね…。ゲームに没頭し過ぎたのだ。
それこそ、
「きゅんッ」
「……ぇ?」
それは、神様がくれた、奇跡。




