二百十四話
ノリ先輩とポロワスさんが地獄の特訓を初めて三日目。本日終了予定の日だ。はてさて、どうなったかな?俺が二人との集合場所に行くと、既に二人共いた。ノリ先輩はいつも通りなのだが、ポロワスさんは・・・泣いている!何でだ?とりあえず俺はノリ先輩に話かけた。
「おはよーっすノリ先輩!」
「ええ、おはようダイ。時間通りですね」
「うっす。ところで、何でポロワスさんは泣いてるっすか」
「さあ?私には分かりません。本人に聞いてみて下さい」
「了解っす。おーいポロワスさんおはようっす!」
「・・・ああ、ダイか。おはよう」
「ポロワスさん、何で泣いてるっすか?」
「ああ、やっとあの苦しい特訓が終わったと思ったら、何故か勝手に目から涙が溢れてきましてね」
「・・・苦労したっすね。お疲れっす」
「ありがとうダイ。私はもう少しこの喜びを噛み締めておくよ」
そう言ったポロワスさんから離れて俺はノリ先輩に話かける。
「ノリ先輩、一体どんな特訓をしたっすか?ポロワスさん泣くほど辛いって!」
「まあ、確かに厳しい特訓でしたが、それを乗り越えないとユウ先輩には勝てませんからね」
「それはそうっすけど」
「さて、ではそろそろ組手をしましょうか。ダイに特訓の成果を見て貰わないとね」
「了解っす。とりま俺は準備運動してくるっす」
「私はポロワスさんに準備運動をするように伝えますね。では五分後に始めましょうか」
そうして俺は準備運動を始めた。さて、ポロワスさんは強くなっているのかな?たった三日しか経ってないけど。まあ、やってみたら分かるか。
準備運動を終えた俺はポロワスさんと向かい合う。
「さて、ポロワスさん!どれ程強くなったっすか?試してみるっすよ!」
「私は、あの地獄を超えた。その成果を貴方で確かめさせて貰おう!行くぞダイ!」
さて、とりあえず前回と同じ速度で同じ場所に攻撃してみるか!そう思って突撃した。前と同じ場所に拳が当たる!そう思っていたら、俺の拳がポロワスさんに当たる前に止まった!
何故!そう思って俺の腕を見ると糸が絡まっている!コレで止められたのか!
「前回は全く見えなかったのに、今は見える。あの地獄の特訓は無駄では無かった!」
やるねー!俺は反対の手で剣を握り、糸を切る!思ったより簡単に切れる!だが、数が多い!いつの間に!結界の様にポロワスさんの周りを囲っている。
「やるっすね!ポロワスさん!コレならユウ先輩にワンパンで殺られる事はないっすよ!」
「そうか?だがそれだけでは意味が無い!私はユウに勝ちたいのだ!」
「ならせめて俺くらいは倒せないとダメっすよ!ユウ先輩は俺の倍くらいは強いっすからね」
「・・・貴方がそう言うならそうなのでしょうね。では初めから本気で参ります!」
そう言うとポロワスさんは赤い手甲を付ける。あれはまさか!
「さあ、行きましょう!スピネル!神器解放!」
やっぱり神器か!これは楽しくなってきたぞ!なら俺も!
「魔導甲冑発動!」
さあ、ここからが本番だ!俺の魔導甲冑を見たポロワスさんは驚いている。そうか、ポロワスさんには初めて見せたか。
「す、凄い魔力です。それは、ダイの切り札ですか?」
「違うっすよ。これはユウ先輩が開発した魔法っす。俺達のチームは全員出来ますよ」
「・・・貴方達のチーム全員?あのマシロちゃんもですか?」
「勿論っすよ」
「貴方達は本当に・・・。いいでしょう。私は貴方達を倒してユウも倒しましょう!」
「それは簡単じゃ無い事を教えてやるっすよ!」
俺は双剣を取り出す。対するポロワスさんは手甲から糸を出している。アレが武器なのか。とりあえずもう一度突撃するか。糸に気をつけながらな!
ポロワスさんの周りの糸は無数にあるが、俺は双剣で刈っていく!めちゃくちゃ簡単に切れるな!これならすぐに近づける!そう思ってポロワスさんの近くの糸を切ろうとした瞬間、俺の双剣が弾かれた!
「なっ!弾かれた!何でっすか!」
「貴方がさっきまで切っていた糸よりも強度を上げているのです!簡単には切れませんよ」
バランスが崩れた俺にポロワスさんが迫ってくる!ポロワスさんの手甲から白い何かが伸びている。それを俺に向かって振り降ろす!何だアレは!俺は双剣で受けると、凄まじい金属音がなる!
ちょっと待て!アレは糸じゃないのか!何で金属音が鳴るんだよ!
「ちょ!何すかその糸は!何で金属音がするっすか!」
「私の魔力によって強化された糸。鋼鉄糸!金属の硬さと糸の柔軟性を合わせ持つ私の特製の糸です!更に見た目は普通の糸と同じです。貴方に見切れますか?」
そう言うとポロワスさんは、沢山の糸を俺に向かって飛ばしてくる!どれが鋼鉄糸だ!見た目じゃ分からない!・・・なら!
俺は飛んでくる糸の中から鋼鉄糸を見切る!一本目の鋼鉄糸を弾いた。その瞬間、俺は予想の確信を得た。俺は他の鋼鉄糸を弾いていく!その様子を見てポロワスさんがビックリしている。
「何故鋼鉄糸を見切れるのですか!見た目は普通の糸と同じなのに!」
「ポロワスさんが言ったっすよ。魔力によって強化されたって!つまり、鋼鉄糸は普通の糸より魔力が多いっす!つまり、魔力量を見れば簡単に分かるっすよ!」
「なっ!そんな方法で!」
「驚いてる場合じゃないっすよ!今度はコッチの番っすよ!」
俺はギガントアームズを召喚する!それを見てポロワスさんが更にビックリする!
「な、何ですかその大きな腕は!」
「さて、何っすかね!とりまくらえっす!ロケットパーンチ!」
俺はギガントアームズをポロワスさんにぶつける!先ずは右腕からだ!時間差で左腕を発射だ!そして最後に俺が突撃する!
「こんな大きな岩の腕如き、切断してみせる!一糸斬撃!」
ポロワスさんは太い一本の糸を作り、それで俺のギガントアームズを斬り裂いた!まさか俺のギガントアームズが真っ二つになるなんて!なんて切れ味だよあの糸!上から振り下ろした糸で右腕を!下から振り上げた糸で左腕を斬り裂いた!だが、まだだ!まだ俺がいる!邪魔な糸を切り裂いてポロワスさんに近く!よし!懐に入れた!せっかくだし、アレをやってみるか!俺は右腕に魔力を溜める!そして、腰を深く落として真っ直ぐ突く!
「くらえっす!魔力込みの正拳突き!」
俺の正拳突きをポロワスさんは糸で防ごうとしている!両手の間に糸をはった!そこに俺の拳が当たる!糸で俺の拳が止められた!だが!
「グハッ!」
俺の拳から放たれた魔力がポロワスさんの腹部に命中する!吹っ飛ぶポロワスさん。思ったより威力が出たな。ってか制御が難しい!こんな事を簡単にやってるのかユウ先輩は!けど、これを応用すれば!
吹っ飛んだポロワスさんが立ち上がる。
「まさか、拳から魔力を放つとは!予想外でした」
「ちなみにユウ先輩の威力はもっと上っすよ!気をつけて下さいっすよ」
「・・・本当に貴方達のチームは。しかし、まだやられた訳ではありません!続きをしましょう!」
「勿論っすよ!いくっすよ!」
「私の奥義、受けてみて下さい!万糸斬光!」
ポロワスさんからとてつもない量の糸が飛んでくる!しかも糸に込められている魔力量がヤバイ!当たるとヤバそうだ!更に、逃げ道が無い!ならば!俺は双剣に魔力を込める!
「双剣に込めた魔力を刃として飛ばす!これを繰り返すっす!全部撃ち落とすっすよ!」
さあ、ポロワスさんの糸が無くなるか、俺の魔力が尽きるか!勝負だぜ!
「オラオラオラオラオラオラオラオラっす!」
無限に続くような気がしたが、終わりが見えてきた!ポロワスさんから飛んでくる糸が少なくなった!見て見るとポロワスさんが疲れた顔をしている。
今がチャンスだ!俺は糸の合間を通ってポロワスさんに接近する!そして武器を双剣から槍にチェンジ!
「くらえっす!俺の必殺!トルネードスピア!」
俺は槍を回転させる!ポロワスさんの周りの糸を回収しながら刺突する!
ポロワスさんが直撃を避けようとしたが、俺の槍が肩にぶつかる!
「グッ!だがまだ!」
「これで終わりっすよ!」
俺は槍の刃の部分をポロワスさんの首筋に当てる。勝負ありだな!
「勝負あり、勝者ダイ!」
ノリ先輩の言葉で、俺達は緊張を解いた。ふぅ~、何とか勝てたな。しかし、三日前とは大違いだな。マジでどんな特訓をしたんだノリ先輩は!
「ノリ先輩、ポロワスさん大分強くなったっすね」
「その為の特訓でしたからね。さて、ポロワスさん。少し休憩したら次は私と戦いましょうか」
「わ、分かった」
「さあ、ユウ先輩との決闘まで時間はありませんよ。時間は有限です。やれる事はやりますよ」
「ええ、必ずユウに勝ってみせます。やります。やりますよ私は!」
そうして、俺とノリ先輩でポロワスさんを鍛え続けた。あと、四日後にはユウ先輩とポロワスさんの決闘だ。それまでにどれだけ鍛えられるか!とりあえず、前回の様に瞬殺されないようにしないとな!
次回、リベンジマッチ。ユウ先輩VSポロワスさん!前回の敗北を糧に奮闘するポロワスさん。果たしてユウ先輩を倒せるのか!頑張れポロワスさん!




