表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
206/206

二百十五話

ポロワスさんとの無限組手を初めて四日が経った。今日は遂にユウ先輩VSポロワスさんの再戦日だ。果たしてポロワスさんはユウ先輩に勝てるのか!その結果が今から分かる。

以前の訓練場に対峙するユウ先輩とポロワスさん。それを見守る俺、ノリ先輩、マシロ、仮面一号と二号アルガリさんとウェサンさん、ロンク爺さんとネブラスカ大佐、そしてメリノ王がいる。


「ってかネブラスカ大佐まだいたっすか?」


「ワシはもう引退した身じゃ。自由にしてよいからのう。それにこんな面白い対決は見過ごせんじゃろ!」


鼻息荒くネブラスカ大佐が言う。まあ、気持ちは分かる!

俺はメリノ王にも話かける。


「メリノ王、仕事はいいっすか?」


「大丈夫だ。この日の為に仕事は片付けてきた。ところでダイよ。ポロワスはどうだ?勝てそうか?」


メリノ王は不安そうに俺に聞いてきた。俺は少し考えて答える。


「ぶっちゃけ厳しいっすね。勝率で言うなら二割ぐらいっすかね」


「二割か。それでも前回は瞬殺だったからな。良い方かな。ノリはどう見るこの戦い?」


「正直に言ってもいいのですか?」


「勿論だ。一緒に特訓したお主達の忌憚のない意見を聞きたい」


「勝つ可能性はほぼ無いですね。後はどれだけ食い付けるか。ポロワスさんの意地でどうなるかって感じですね」


「ふむ、番狂わせは無いと言う事か。しかし、私はポロワスの勝ちを信じよう。お前達との特訓で強くなったと信じてな」


「ホッホッホ、ワシも信じましょうかのう。孫の勝利を!」


「私は師匠の勝利を信じます!」


各々予想しているみたいだ。そんな話をしていたらそろそろ戦いが始まりそうだ。ユウ先輩がポロワスさんに話かける。


「準備運動は終わったか?そろそろ始めるか」


「・・・ユウ、始める前に一つよろしいですか?」


「あん?何だよ?」


「前回、あんな不甲斐ない結果だったのに再戦してくれてありがとう」


「な、何だよ藪から棒に!」


「いえ、ノリとダイとの特訓で思い知りました。私は弱いと。そんな私との再戦を受けていただいたのです。礼儀として御礼を述べただけです」


「・・・そうかよ。まあ、自分の弱さを認めたのは一歩前進かな。さあ、やろうか!」


「ええ。この一戦で私は貴方を超えてみせましょう」


「やれるもんならやってみなポロワス!」


開始のゴングなどなく、唐突に始まった二人の対決。ポロワスさんは最初から神器を装備している。そして、発動する!


「行きましょうスピネル!神器解放!」


「はっ!神器解放が出来たか!しかし、これを躱せるか!」


ユウ先輩がポロワスさんを、前回と同じ速度と場所を殴ろうとしている。前回はこの一撃でやられた。果たして今回は!

ユウ先輩の拳がポロワスさんの腹部に向かって放たれる!しかし、拳は糸に絡まり止まる!


「前回のようにはやられません!私も成長してるんですよ!」


「やるな!まあ、コレくらいはやってくれないとな!」


「伊達にノリとダイと地獄の特訓をした訳ではありません。次はこちらの番です!」


「いいぞ!かかって来い!」


そう言うとユウ先輩は双剣を装備して、ポロワスさんは糸を使って乱打戦へともつれ込んだ。俺とノリ先輩はコレくらい出来ると思っていたが、他の人達は凄く驚いている。


「ほう、ワシの孫がこれ程強くなるとは!」


「以前のポロワスよりも強くなっている。それよりも神器解放したポロワスに互角以上に渡りあっているユウにもビックリだ」


「まあ、ワシとロンクが同時に戦っても勝てなかったからのう。まあ、ワシ等と戦った時よりも、ユウは強いみたいじゃな」


「ちなみにダイ。あれはユウの本気か?」


「まだ全力は出してないっすよ。魔導甲冑ももう一段、上があるっすから」


「なっ!まだ全力ではないのか!」


「そうっす。ほら、そろそろ出すっすよ!」


俺がユウ先輩の方を指すも皆そちらに注目する。場面はちょうどユウ先輩が腰を落として真っ直ぐ突いているところだった!それをポロワスさんが避けている所だった。


「おっ、避けたか!拳を止めるようなら魔力をぶつけてやろうと思ったんだがな!」


「それは以前ダイにやられましたからね。それよりも一つ聞いてもいいですか?」


「別にいいが、何だ?」


「貴方とダイの動きが似ているのですが、ダイは貴方が鍛えたのですか?」


「いや、違うぞ?動きが似ているのは昔、同じ道場に通っていたからかな?基礎は似ているかもな」


「同じ道場ですか。成程そうなのですね」


「さて、無駄話はコレくらいにするか!そろそろ本気を出すぜ」


「ええ、ノリとダイから聞いています。まだ上があると!私も切り札を出しましょう!」


「切り札?」


「神獣化解放!」


「!!出来るのか!!おもしれー!」


神獣化解放。コレは俺とノリ先輩との無限組手の最中に出来るようになったのだ。生と死の狭間を繰り返し、神器と対話して出来るようになった。

全身を羊の様に沢山の毛で覆われている。しかもその毛を自由に操れる。中々厄介な状態だ!

対するユウ先輩は魔導甲冑のモードイフリートを発動する。そう思っていたのだが、何時まで経っても熱気が来ない。どうしたのだろう、とユウ先輩を見て見ると何かを纏っている。アレは?


「どうやら今回は火の魔力ではなく、水の魔力ですね」


「みたいっすね。水の鎧。さしずめモード、ウィンディーネ、いやユウ先輩は男だからポセイドンっすかね?」  


「いいね、ダイ。それ採用!」


聞こえてたのか!相変わらず地獄耳だな。ってか水の鎧ってどんな技があるんだろ?

そう思っていたらポロワスさんが糸を束ねて鞭の様にしてユウ先輩に叩きつけた。

凄い大きな音がしたが、鞭はユウ先輩に届く前に水の鎧の途中で止まっている。あの鎧、緩衝材みたいな役割になっているのか!

その様子を見ていたノリ先輩が呟く。


「中々厄介な鎧ですね。あの水を突破しないとユウ先輩にダメージを与えられない。貫通力のある攻撃じゃないと途中で止まってしまうみたいですね」


「遠距離攻撃で突破は厳しそうっすね。かといって、あのユウ先輩に接近戦を挑むのもキツイっすよね」


実際、ポロワスさんが攻めあぐねてる。ユウ先輩に攻撃が当たっているのにダメージになっていない!

逆にユウ先輩の攻撃が当たる度にポロワスさんのダメージが蓄積されていく。

攻撃が当たってもダメージにならない。なんて理不尽なんだ!ホンマにウチの先輩は理不尽の塊やで!

段々とポロワスさんがボロボロになっていく。


「クッ!神獣化解放までしたのに勝てないのか!此処まで差があるのか!」


「この世界に召喚されてから、俺は命懸けで過ごして来た。何度も死の危険を超えてきた。その度に俺は強くなってきたんだよ。お前とはくぐって来た修羅場の数が違うんだよ」


ユウ先輩、それはどこの壬生狼っすか?まあ、言ってる事は間違って無いけど。


「修羅場か。今回の件で私は改めて思った。私は自らをもっと鍛えなくては!この国を守る為に!」


「そうだな。俺はほとんどの十ニ守護獣と会ってきたが、その中でもお前は一番弱いからな」


「・・・そうですか。では私は、ユウを倒して今よりも高みへと行きましょう!」


「かかって来い!ポロワス!」


再びぶつかり合う二人。手数ではポロワスさんの方が多いのだが、ユウ先輩にはダメージになっていない。ポロワスさんの凄い弾幕の中をユウ先輩は悠然と歩いて近づいていく。あの水の鎧、マジで厄介だな。

これはどうする?どうすればダメージを与えられる?俺が対ユウ先輩を考えていたら、ポロワスさんが再びユウ先輩に話かけた。


「はぁ、はぁ、はぁ。ユウ、最後に一つ聞いてもいいですか?」


「おう、何だ?」


「貴方の最強の武器は何なのですか。その双剣ではないのですよね?」


「ああ」


「最後にユウ、貴方の最大の力を見せて下さい。これからの目標にしたいので」


「・・・分かった。目に焼き付けろ。これが俺の全力だ!」


そう言うとユウ先輩は手甲、阿修羅を着ける。そして、魔力を全力で解放した!吹き荒れる魔力!この人、また魔力が上がってるか!その時、ポロワスさんが俺の方をチラッと見ていた。何かを言いたそうな目で!一体なんだ?

考えていたらノリ先輩が話しかけてきた。


「おそらくですが、ユウ先輩の全力を見せてくれたのでしょう。自分との対決でね」


「!!」


「だからダイ。しっかりと見ておきなさい。ユウ先輩との対決の為にもね」


「うっす!」


魔力を解放したユウ先輩がポロワスさんに攻撃を仕掛ける。


「これが俺の全力だ。行くぞポロワス!」


「こい!ユウ!私の最大技でお前を迎え討つ!」


そう言うとポロワスさんは全ての糸を束ねて自身の前に大きな三角錐を作り、三角錐の頂点をユウ先輩の方に向ける。更にそれを回転させる。まるでドリルの様だ!


「私が今放てる最大の技です!受けれますかユウ!」


「上等だ!真正面からその技を粉砕してる!」


ユウ先輩は魔力を溜めて、ポロワスさんは回転力を増している。どうなるか!皆が静かに見守る中、両者が同時に動いた。


「くらえユウ!万糸螺旋弾」


「松山流徒手術奥義破軍!」


凄まじい爆発音が響く。そして砂煙が上がる!勝敗はどちらに!

全員が息を殺して見守っていると土煙が晴れていく。

立っている人影が一つ見える。

あれは・・・やはりユウ先輩か。ポロワスさんは大の字になって倒れている。

そんなポロワスさんにユウ先輩が話しかけている。


「中々の一撃だったぞ。やるじゃねーかポロワス」


「・・・下手な慰めはいりませんよ。負けは負けですから」


「何だよ泣いてんのかよポロワス?」


「う、うるさい。悔しければ泣くのは当たり前じゃないですか!」


「ポロワスよ。一つ教えてやるよ。男が泣く時ってのはな、全てをやり終えた時だぜ」


「・・・ふん。やはり私は貴方が嫌いです」


「はっはっはっ、そうかよ。まあ、もっと強くなれや」


「貴方に言われるまでもない。必ずリベンジさせて貰いますよ!」


こうしてユウ先輩VSポロワスさんの戦いは終わった。

しかし、思ったよりもいい勝負だったな。しかも、ポロワスさんから思わぬプレゼントをもらったな。

・・・これでこの街での用事は終わった。あとはベアルリングに戻って元の世界に還るだけだ。まあ、その前に俺はユウ先輩との決闘を・・・。

勝てる自信は無いけど、やらないで後悔はしたくない。元の世界に還ったら魔法は使えないしな。やるだけやってやるよ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ