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二百十話

クーデターの首謀者である、ラッカ大臣を追い詰めた俺達。そのラッカ大臣の護衛として、悪魔のラツカと呼ばれる奴がいた。どうやら賞金首になっている元冒険者らしい!そんな奴に立ち向かうのは我らがユウ先輩!さて、勝つのはどっちだ!

ユウ先輩が前に出ようとしていたらロンク爺さんが止めに入る。


「待て!ユウよ!奴の相手はワシがやろう!」


「大丈夫だよ。任せておけ!ってか俺の楽しみを取るんじゃねーよ!」


「下がった方がいいっすよロンク爺さん。ユウ先輩がやる気になってるっすから、邪魔しない方がいいっすよ」


「し、しかし!ユウはさっきまで戦っていたはずじゃ!体力は持つのか!」


「大丈夫っすよ!だってユウ先輩っすから」


「・・・大丈夫なんじゃな?」


「任せとけ!ダイ、アイツ等を逃がすなよ」


そう言うとユウ先輩はラツカの前に立ち塞がる。睨み合う二人。さて、どれ程強いんだ?悪魔のラツカは!

そんなラツカがユウ先輩に話かける。


「よう、お前等もツイてないな。この俺と戦う事になるなんて」


「??なんでだ?」


「はあ。お前達、この街の住人じゃないな」


「そうだが?」


「だからか。もしお前が俺の事を知っていたら、泣いて逃げ出したハズだからな」


「ふーん?そうはならんやろ?」


「あん?何でだよ」


「だってお前、弱いだろw」


ユウ先輩がそう言った瞬間、ラツカがユウ先輩に斬りかかった。


「ほう、コレを受け止めるか。ただの雑魚じゃねーな!」


「コレくらい大した事ないだろ。ってかコレで終わりか?」


「何言ってやがる、こんなもん準備運動だろ!」


「言うじゃねーか!ならドンドンこい!」


そこから激しい斬り合いをしていく。ふーん。やるじゃんラツカって奴!ユウ先輩とここまで斬り合えるなんて。けどユウ先輩の敵じゃないなー。

斬り合いはやはりユウ先輩が有利になっていく。


「な、何だお前!」


「はぁ~、悪魔とか言われてるがこんなもんか。おい、ダイ!」


「へっ?な、何っすか?」


「お前が相手してやれ」


「はっ?嫌っすよ!俺じゃ役不足っすよ!ユウ先輩が相手して下さいっすよ!」


「お前でも十分だよ。ほれ、交代だ!」


そう言うとユウ先輩が俺の横に来て、俺の背中を押した。マジで俺が戦うのかよ!

その様子を見てラツカが話しかけてくる。


「ケッ、何だよ。選手交代か?まあ、どっちにしろ皆殺しには変わらん。遅いか早いかの違いだ」


「・・・ふーん。アンタ俺に勝つ気でいるっすね」


「あん?当たり前だろ。俺に勝てる奴なんてこの世に居ないんだからな!」


「アンタ、蛙っすね?」


「ああ?誰が蛙だって?」


「俺達の世界のことわざにあるっす。井の中の蛙ってね。大海を知った方がいいっすよ?」


「だから、何を言ってんだお前は!」


そう吠えているラツカの正面にそっと移動する。そして拳をラツカに叩き込む。

するとラツカが吹っ飛んでいく。そして壁にぶつかり気絶している。やっぱコイツ大した事ないな。悪魔っていうならせめて、ネコショウやセッショウくらい強くないと嘘ってことだよな。


「ユウ先輩、終わったっすよ」


「なあ、大した事無かったろ」


「本当っすよ。コイツが悪魔なら、ネコショウやセッショウは何者って感じっすね」


「それこそ悪魔神とかになるな。コイツが何人、何十人いてもアイツ等には勝てんよ」


「ですよねー」


そんな話をしているとロンク爺さんが俺達に話しかけてきた。


「お主等、本当に強くなっとるのう。まさかあのラツカを一撃で倒すとは!」


「ロンク爺さん、一撃じゃないぞ。三発だよ」


あー、やっぱユウ先輩には知られてるか。そう、俺はラツカに拳を三発ぶち込んだ。顔面に一発。腹部に二発。結構早く打ち込んだのにバレるか。ユウ先輩がそう言うとロンク爺さんは驚いた顔をしている。

それにしても・・・。


「何か、あんだけ大袈裟に強いって言ってたのに、大した事無かったっすね」


「そりゃ当たり前だろ。俺達はRPGで言うと最終決戦間近なのに、最初付近の街に戻ってイベントやってる感じだぞ?負ける理由ないだろ」


「そう言われるとそうっすけど。やっぱゲームと現実は違うじゃないっすか!」


「まあ、確かにな。さてと、ロンク爺さん。とりあえずあの大臣を捕まえるか?」


「そ、そうじゃな」


「証拠は集まっているんだよな?」


「大丈夫じゃ」


「なら、確保して連行するか。これにて任務完了だな!」


「まあ、思ったより早かったっすね!正直もっとかかると思ってたっすよ!」


「まあな。さっさと連行してアルガリに報告しようぜ」


ユウ先輩のその言葉にラッカ大臣が反応した。


「あ、アルガリだと。まさかアルガリ王子が戻って来たのか!」


「・・・そうだが?俺達はアルガリの依頼でお前達のクーデターを阻止したんだよ」


「な、ならアルガリ様にワシの事を話してくれ!今回の件はアルガリ様の為にやった事なんじゃ!話せば分かって下さるはずじゃ!」


「何を今更言っておるのじゃ。お主は」


そう言って呆れるロンク爺さん。しかし、そのラッカ大臣のセリフにユウ先輩が答える。


「そうか。なら少し待ってな!」


そう言うとユウ先輩が消えた!


「なっ、だ、ダイよ!ユウは何をするつもりなのじゃ!」


「さあ?ぶっちゃけユウ先輩のする事なんて、俺如きでは分かんないっすよ。とりあえずちょっと待っときましょう。勿論、コイツ等を逃さない様に!」


そうして少し待っているとユウ先輩が帰って来た。ノリ先輩にマシロ、ネブラスカ大佐にウェサン、そしてアルガリさんと一緒に!ノリ先輩がアルガリさんを背負い、マシロがウェサンさんをおぶっている。

ちなみにアルガリさんは仮面を被っている。

そんなアルガリさんにユウ先輩が話かける。


「よう、これにて任務完了だ。その目で確認してくれや」


「・・・ああ、確かにな。まさかこんなに早く解決してくれるとは思わなかった。我が弟は良き友人がいるのだな」


「そ、その声は!」


「久しぶりだなラッカよ。今回は馬鹿な作戦を遂行したな」


そう言うとアルガリさんは仮面を取る。アルガリさんの顔を見た三人はひれ伏す。そして、ラッカ大臣がアルガリさんに話かける。


「久しぶりです。アルガリ様!今回の件は全てアルガリ様の為にやった事です!貴方様を再び王位に・・・」


「黙れラッカ」


アルガリさんの恐ろしく低い声に、ラッカ大臣はビクッとなる。


「お前は私の為と言っているが、違うだろ。自身の利益にしか興味の無いお前がそんな事をするはずあるまい!」


「そ、そんな事は・・・!」


「私は黙れと言ったぞラッカ!」


アルガリさんの圧力が増す。中々の迫力だな。


「私はもう国を離れた身だ。正直、お前達が何をしようが干渉する気は無かった!」


「な、ならば!」


「だがお前達は、私の触れてはならない宝に触れようとした。それは見過ごす事は出来ん!」


「た、宝?」


「我が弟の覇道!邪魔する奴には容赦せん!」


「ブラコンだね〜」


「ユウ先輩、真面目な場面っすよ!黙ってて下さいっす!」


「ば、馬鹿な!貴方は弟の事を憎く思っていたのでは無いのですか!貴方様の王位を盗み取った相手ですよ!」


ん?盗み取った?どういう事だ?俺達が聞いた話は確かアルガリさんが自分で王位継承を放棄したはずだが?けど、この人達が言うにはメリノさんが無理矢理王位継承したみたいな事を言ってるけど?

俺の混乱にロンク爺さんが答えをくれる。


「アルガリ様が王位継承を放棄した事は皆に伝えてある。だが一部のメリノ様をよく思わない連中がそんな噂を流しておるんじゃ。まさかそんな戯言を信じておるとは。哀れじゃのう」


あー、そういう事か。いるよなー。自分の都合の良い噂だけ信じる奴。・・・お、俺は違うよ!本当だよ!

俺がそんな事を考えていたらアルガリさんがロンク爺さんとネブラスカ大佐に話かける。


「ロンク、それにネブラスカ大佐。クーデターの証拠はあるのだな」


「はは!間違い無く!」


「問題ありませんぞ!」


「そうか。ではロンク、それにネブラスカ大佐よ!この者達を連行を頼む!」


「「はっ!」」


そうしてロンク爺さんとネブラスカ大佐が主犯の三人を縛り上げて連行する。次はラツカの番だったのだが、奴が目を覚ました!そして、暴れながら叫ぶ!


「があああ!クソ、ふざけるな!俺はまだ本気を出していない!偶々、まぐれが当たっただけだ!俺は負けて無い!」


おーおー、暴れてるねー!流石悪魔!悪あがきするねー!そう思っていたらユウ先輩がラツカの前に立ち塞がる。


「何だ?負けを認めないのか?あれほど完璧に負けたのに?」


「う、うるせー!あんなのは偶々だ!俺が本気を出せばお前達に何かに負けるものか!」


「そうか、なら全力でかかって来い!俺も全力を出してやるから!」


そう言うとユウ先輩は魔導甲冑を解放した!しかも全力で!相変わらず圧力がヤバイ!連行されてる三人なんて気絶してしまった。初めてユウ先輩の全力を見たロンク爺さん、ネブラスカ大佐、アルガリさんにウェサンさんも驚いている。あっ、ウェサンさんが気絶した。ちなみにユウ先輩の対面にいるラツカなんか震えている。


「お、お前は!い、一体な、なんなんだ!」


ラツカは半狂乱になり、ユウ先輩に殴りかかる。ユウ先輩はラツカの打撃を全てノーガードで受けている。そんなユウ先輩がラツカ話かける。


「やはりこんなもんか。じゃあもういいか?この世に別れをつけな」


そう言いながらユウ先輩が右手を上げる。その右手にはとんでもない量の魔力が込められている。あんなのを叩き込まれたら俺でも死ぬ自信がある!それを向けられているラツカは今にも泣きそうな顔をしている。


「な、んだその魔力量は!や、やめろ!俺はまだ死ぬ訳にはいかないんだー!」


ラツカがそう叫ぶと脱兎の如く逃げ出した。しかし、ラツカ君知らなかったのか?魔王からは逃げられないのだよ。

俺がそんな事を考えていたら、ユウ先輩が凄い速さでラツカに追いつき、再び気絶させ、ロンク爺さんに引き渡した。


「ほらよ。コレで本当に任務完了だな!」


「そ、そうじゃな」


若干引きつった顔で答えるロンク爺さん。そんなロンク爺さんにユウ先輩がこそっと話かける。何を話してるか分からないがロンク爺さんが驚いた後、神妙な顔で頷いていた。

それを確認したユウ先輩が俺達に話かける。


「おし、アルガリさんよ。とりあえず宿屋に戻ろうぜ!残りの後始末は国に任せようぜ!」


「そ、そうだな」


ユウ先輩の魔力が凄すぎて、アルガリさんちょっと引いてますやん!まあ、とりあえずコレで任務完了だな。後はメリノさんに会えるかどうかだな。こんな事があったから無理かもな。とりあえず今後の事は宿屋で皆と話そうか!

さてさて、今後はどうなるかな?



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