ニ百八話
アルガリさんの依頼でホワイトフォートのクーデター事件を防ぐ事になった俺達。とりあえずロンク爺さんに話を持っていこうとしたら、そこには、何故かネブラスカ大佐もいた。どうやら二人もクーデターについて何かしているようだった。ユウ先輩の提案で二人をアルガリさんの元に連れて行った。さて、これからどうなるかな?
仮面を被っているアルガリさんを、ロンク爺さんとネブラスカ大佐は、正体が分からないようだ。
そんな中、ロンク爺さんが俺達に話しかけてきた。
「ふむ、お主等も元気そうじゃな。所でそちらの二人は新しいお仲間かのう?」
それに対してユウ先輩が答える。
「いや、違うな。この二人は今回の依頼人だ」
「ふむ、依頼人とな」
「ああ、コイツの依頼で俺達はこの国のクーデターを防ぐ事になった。それでロンク爺さんに会いに行ったのさ」
「その仮面の方が?そうか。では何故そちらの方はクーデターを知っていたんじゃ?」
優しそうにアルガリさんに聞くロンク爺さん。しかし、その背中からとんでもない圧力を感じる。まあ、自分の国のクーデター情報を知っている人物だ。そうなるかな。
何も言えずに固まっているアルガリさん。そんなアルガリさんにユウ先輩が話かける。
「どうする?俺から説明するか?」
「・・・いえ、私の口から説明します」
その声を聞いたロンク爺さんが驚いた顔をして呟く。
「なっ!そ、その声は!まさか!」
「久しぶりだな。ロンクよ。相変わらず元気そうで何よりだ」
そう言って仮面を脱ぐアルガリさん。その顔を見たロンク爺さんは驚いた後、優しい顔をする。
「お久しぶりですな。アルガリ様。よくぞご無事で」
「様はよしてくれ。私はもうこの国とは関係無い者だ」
「そうは言っても赤子から呼んでいる呼び方じゃ。今更変えられませんわい」
「相変わらずお前は頑固だな。ロンクよ」
楽しそうに談笑している二人を見ているネブラスカ大佐。こっそりとユウ先輩に話かける。
「ロンクはアルガリ様の生まれた時から知っていてな、勉強や格闘技なども教えておった。師匠と弟子みたいなものなんだ」
「なんだ、詳しいんだなネブラスカ大佐」
「昔は会う度に自慢してたんじゃ。ワシの弟子、アルガリ様はホワイトフォートを背負う人物になる。ワシは生涯捧げて仕えるとな。じゃから、アルガリ様が国を出て行った時、ロンクはかなり落ち込んでおったわ」
「それで、あんなに嬉しそうなんだな二人共」
アルガリさんとロンク爺さんってそんな関係だったんだな。そんな談笑している二人にユウ先輩が声をかける。
「昔話に花を咲かせるのは後にしてくれ。とりあえず互いの情報のすり合わせをしようや」
「そ、そうじゃな!」
「すまない。つい話し込んでしまった」
「別にいいさ。この依頼が終わったらまた話せばいい。とりあえず俺達に話した事をこの二人にも聞かせてくれ」
「分かった。私が知っている事は・・・」
それからアルガリさんが俺達に話した事を二人に話した。かつての従者からクーデターの情報を聞いた事。ホワイトフォートに向かう途中に刺客に襲われたがユウ先輩が助けた事。そして、俺達冒険者チームアースにクーデターの阻止を依頼したこと。
その事を聞いてロンク爺さんが俺達、いやユウ先輩に御礼を伝える。
「松山遊星殿。アルガリ様を助けて頂き本当に感謝申し上げる」
「気にすんな。ぶっちゃけ偶然だからよ。それよりもこれからの事を話そうぜ。それとネブラスカ大佐、何でアンタがこの国に来てるんだ?」
「ふむ、お主等になら話してもよかろう。のうロンクよ」
「そうじゃな。お主等にも手伝って貰おうかのう。実はな今回のクーデターはホワイトフォートだけでは無かったのじゃ。マーダル・ヘイズと同時進行だったんじゃ」
「なんですって!」
「偶々ロンクが遊びに来ている時に、それを発見してのう。向こうのクーデターはワシとロンクで制圧した。その際の聞き取りをしたらのう、ホワイトフォートと共にクーデターを起こす予定じゃったと聞いてのう。今朝方急いで戻って来たのじゃ」
「年寄りには堪えるわい」
「マーダル・ヘイズのクーデター失敗の情報は出回っているのか?」
「いや、まだ出回っていないはずじゃ。クーデター制圧後に街を封鎖したからのう。ワシ等以外は街を出とらん」
「じゃが、封鎖はもっても一日じゃ。つまり今日中に決着をつける必要がある」
「なんだ一日もあるのか。なら余裕だな」
いやいや、何言ってるんだユウ先輩は?ニ国同時クーデターなんてヤバイだろ。まあマーダル・ヘイズの方は鎮圧出来たらしが。ホワイトフォートの方も早く鎮圧しないと駄目だろうな。けどまあ、大丈夫だろう。だってこっちにはユウ先輩がいるし。そう思っていたらユウ先輩がアルガリさんに話かける。
「それでアルガリよ。クーデターを起こそうとしている部下の場所は予想出来たのか?」
「う、うむ。おそらくだがこの三箇所だ」
そう言ってアルガリさんはユウ先輩に紙を手渡す。それをロンク爺さんが横から取って確認している。
「ふむ、ワシ等が得た情報と同じじゃな」
「なら間違い無いか。とりあえず今から出て、その三箇所を潰してくるか」
「いや、物騒っすよユウ先輩」
「そうです。クーデターの証拠の確保をしないといけませんよユウ先輩」
俺達がそんな会話をしているとロンク爺さんが話に割って入って来た。
「・・・お主等、簡単に言うが出来るのか?すまないが以前の実力だと、とても出来るとは言えないんじゃが?」
ロンク爺さんがとても不安そうに聞いてくる。
ああ、そうか。ロンク爺さんとは旅の最初期に会ったから、今の俺達、特にユウ先輩の実力は分からないのか。ロンク爺さんのセリフを聞いたユウ先輩は笑顔で答える。
「安心してくれ。あん時よりも強くなってるから俺達!なあダイ!」
「そうっすね。この国に来た時よりは強くなってるっすよ!」
「本当かのう?」
「まあ、見ててくれって!それじゃあ二組に分けて行動しようぜ。クーデター制圧組とアルガリ護衛組にな」
「了解っす!じゃあ俺は護衛組に・・・」
「いや、ダイは制圧組だ!」
「なんでっすか!」
「だってお前、撤退時に上手く指揮取れないだろ?」
「ぐっ!いや、確かにそうっすけど!」
「だからお前は制圧組だ。ちなみに制圧組は俺、ダイ、ロンク爺さん。護衛組はノリ、マシロ、ネブラスカ大佐だ」
「ええー、師匠!私も一緒に行きたいです!」
「マシロ、お前は大分強くなってる。次は戦略を覚えていけ。ノリの戦略を見て考えろ。それがお前の成長に繋がるハズだ」
「!!分かりました師匠!よろしくお願いします!ノリ師匠!」
「やれやれ、ユウ先輩。面倒事を私に押し付けないで下さい」
「はっはっはっ、頼むわノリ。さてと、俺達は行くか。ロンク爺さん、道案内を頼むぜ」
「やれやれ、本当に大丈夫かのう?」
そう言いながらもロンク爺さんが案内をしてくれてる。ってか俺も制圧組か。けどまあ、ユウ先輩と一緒なら問題ないだろう。しかし、せっかくホワイトフォートに来たのにいきなり騒動に関わるなんて、本当にユウ先輩は厄介事に好かれてるな。
クーデター制圧か。簡単にいかないだろうな。場所は三箇所。期限は一日。果たして上手くいくかな?
次回!倒壊する家屋。次々と倒れる人々。その場で高笑いをする黄金騎士。呆れて見守る二人。果たしてクーデター制圧は出来るのか?護衛組の出番はあるのか!
俺達の明日はどっちだ!




