ニ百七話
ホワイトフォートの近くで、襲われていた二人組を助けたユウ先輩。その二人組の一人は何と、ホワイトフォートの元王子、アルガリさんだった。彼は何故襲われていたのか!彼の目的とは!それが今からあきらかになる。
重い口をアルガリさんが開いた。
「・・・分かった。貴方達には全てお話しましょう」
「!!!殿下、よろしいのですか!」
「かまわんウェサン。どうせ私達だけでは手詰まりだった。この者達を信じてみよう」
「し、しかし。もしこの者達が裏切ったら!」
「その時は私の見る目が無かっただけだ。後悔は無い」
「・・・分かりました。私はアルガリ様を信じます」
「ありがとうウェサン」
手を取り合う二人。・・・何かイチャイチャしてるな、この二人。何故だろう爆発したくなってきた。
この空気に耐えれなくなったユウ先輩が少し怒りながら問いただす。
「おい、イチャイチャするな!っでアンタが戻って来た理由は何だ?」
慌てて手を離す二人。少し顔が赤くなって慌てている。
「ゴホン、すまない。私が戻って来た理由だが、城に残っている私の従者から連絡を貰ったんだ」
「連絡?どんな連絡だ?」
「・・・城の内部でクーデターを起こそうとしている者がいると。そして私の弟メリノの殺害を行うつもりだと」
「・・・ほう」
あっ、ユウ先輩の怒りメーターが上がった。
「私はもう国から去った者だ。本来なら関わる事など出来ない。だが、弟の命が危険に晒されるなら話は別だ!それだけは阻止しなければならない!」
「つまりアルガリさんよ、アンタは国に帰る為じゃなくて、弟を助ける為に戻って来たって事か?」
「そうだ。・・・無能な私は本来この国に関わる事など許されん。だが今回の件、私の元部下達が行っているのだ」
「なら何でアンタは襲われたんだ?」
「奴等は私がクーデターの情報を得た事を知ったようだ。だから口封じの為に襲って来たのだ」
「元部下なんだろ?ならアンタが辞めるように命令すれば止まるんじゃないのか?」
「奴等は部下といっても、私の出す利益に群がるだけの奴等だ。国の為に働くのではなく、自身の利益しか考えてない無能だ。今更私が何を言っても聞かんよ」
「何か俺達の国の政治家みたいだな」
「そうなのか?まあ、そう言う訳で私はクーデターを止めて、弟の命を助けたい。助けてくれるか?」
「勿論だ。任せておけ!」
「それでこれからどうするっすかユウ先輩?」
「それはな!」
「そ、それは!ゴクリッ!」
「分からん!」
「ですよねー。」
「とりあえず今日はもう休みましょう。明日の朝、とりあえずホワイトフォートに行きましょう」
ノリ先輩の提案に全員が賛成した。さて、俺も休もうかと思ったらユウ先輩が話しかけてきた。
「おいダイ。ちょっと頼みがあるんだが」
「えー、なんっすか?今から寝ようと思ったんっすけど?」
「実は作って欲しい物があってな」
「何を作るっすか?急ぎっすか?」
「急ぎだ。明日の朝までに作ってくれ」
「随分急っすね。」
「おう、あの二人。ホワイトフォートでは顔バレしてるだろ。だから仮面か何かあった方がいいだろ。それをお前が作ってくれよ」
「あー、了解っす。デザインはどうするっすか?」
「お前のセンスで任す。ってか何個か作ってるだろ。それを修整すればいいだろ」
「えっ!何で俺が仮面を作ってるのを知ってるっすか!」
「お前なら作るだろうと思っただけだよ。じゃ、頼んだぜ!ああ、フルフェイス型の仮面で頼んだぜ!」
「了解っす。あーあ、今晩は徹夜っすね」
「どうせ見張りもあるからいいだろ。まあ俺もマシロを説得しないとな」
「マシロ?ああ、何か難しい顔をしてたっすね」
「アルガリ王子を助けるのが嫌なんだろうな。なんたって民を傷つけた奴だからな。マシロにとっちゃ悪者だろうからな」
「ああ、だからあんな顔をしてたっすね」
「実際に寒村を見てるからな。苦労していた村人も見ている。簡単には許せんだろう」
「まあ、コレばっかりはしゃーないっすね」
「だろ。だからちょっと話してくるわ。お前は仮面の件頼むぞ」
「了解っす!ユウ先輩はマシロをよろしくっす」
「任せとけ」
ユウ先輩はそう言うとマシロの方へと向かっていった。マシロの事はユウ先輩に任せて、俺は仮面を作るか。さて、どんな仮面を作ろうかな?
そうして仮面を作っていたら、知らない間に朝になっていた。時間が経過するのが早すぎる!まあ、出来たけども!結局徹夜だよ。まあ、一日くらいなら大丈夫だけども!
そう思っていたら皆起きてきた。全員で朝食を食べてる途中に俺はアルガリさんとウェサンさんに仮面を渡す。
「コレを被って下さいっす。コレなら顔バレしないっすから」
「おいおい、ダイコレって!」
「仮面◯イダーっす!フルフェイス型っていえばこれっすよね!」
「ウェサンさんにはベネチアンマスク風ですか。フルフェイス型ではないのですね」
「女性用のフルフェイス型思いつかなかったっす」
「まあ、いいか!」
「し、しかし私だけコレを被っていたら目立たないか?」
「あ、それなら大丈夫だ。俺もコレを着るから!装着!」
そう言うとユウ先輩は黄金騎士へと変貌する。くそー、何度見ても変身とかかっこいいな!
「よし、全員朝飯食ったらホワイトフォートへ出発するぞ!準備しろよ!」
ユウ先輩の号令に全員で答えて、朝食を食べる。食べ終わりちょっと歩くとホワイトフォートの門が見えた。門番に怪しまれながらも何とか中に入れた。
「とりあえずこれからどうするっすかユウ先輩?」
「先ずは宿屋の確保だ。そこでこの二人を置いて、俺達で城に行ってみるか。流石にいきなり王様に面会は出来ないだろうが、ロンク爺さんくらいなら会えるかもしれないから行ってみようぜ」
「私達は留守番か」
「そうだ。アンタ等は有名人だからな。留守番の間にクーデターを起こす部下の名前と部下の家を書き出しておいてくれ。後で俺達で調べるから」
「分かった。そうしよう」
「よし、俺達は城に向かうぞ」
「うっす!さて、メリノさんに会えるっすかね?」
「おそらく無理でしょうね。ロンクお爺さんぐらいなら大丈夫でしょうけど」
「とりあえず行くぞ!」
そうして俺達は城まで来た。門番にユウ先輩が話かける。
「すみません。私達冒険者チームアースなのですがメリノ王へと面会したいのですが可能でしょうか?」
「メリノ王へ?すみませんが事前に連絡はしていますか?」
「いえ、我々は今日この街に着いたので・・・」
「そうですか。すみませんが今日直ぐに面会する事は出来ません。予約をとって頂き、面会可能ならコチラから手紙をお送りします」
「そうですか。分かりました。では、ロンク様は今どちらにいらしゃるか?」
「ロンク様ですか?失礼ですがどのようなご関係でしょうか?」
「えっと、少し前に同じクエストを共にした仲間です」
「すみませんがお名前は?」
「冒険者チームアースの松山遊星です」
「では、ロンク様に確認して来ます。少々お待ち下さい」
そう言うと門番が走っていった。それを見送りながら俺達は少し待っていた。
ちょっとしたら、先程走っていった門番が戻って来た。
「す、すみません。ロンク様がお会いになるそうです。どうぞコチラへ!」
どうやらロンク爺さんは会ってくれるようだ。門番さんに案内されて城の中に入った。豪華な部屋の前で門番さんが部屋にノックをする。
「失礼します。冒険者チームアースの皆様をご案内しました!」
「うむ。入れ!」
そうして俺達は部屋に通された。その中に予想外の人物がロンク爺さんといた。
「久しぶりじゃな冒険者チームアース」
「ほう、前よりも強くなっておるな!」
「何でアンタまでいるんだよ。ネブラスカ大佐!」
「偶々、こっちに来る用事があってな」
「ロンクお爺ちゃん、ネブラスカお爺ちゃん!怪我は大丈夫ですか?」
「おお、マシロちゃん。心配してくれてありがとうな。見ての通り大丈夫じゃ」
「慣れるまで少し時間がかかったが、今では前の足よりもよく動く」
そう言ってロンク爺さんは右腕を、ネブラスカ爺さんは左脚を見せた。
良かった。義手と義足が上手く機能しているみたいだ。
そうしてにこやかに話していたが、ロンク爺さんが申し訳なさそうに俺達に話しかけてきた。
「お主等に会えたのは嬉しいが、今少し立て込んでおってのう」
「そうなのだ。また今度落ち着いて話でもするかのう」
何か慌てている。何かあったのか?
それを見てユウ先輩がピンッ!ときている。そしてそっと呟く。
「クーデターか?」
その呟きにロンク爺さんとネブラスカ爺さんが反応する!
「お主、何故その事を!」
「やっぱりか。ちょうど良かった。その事で話があったんだよ。詳しく聞きたいだろ?」
「そうじゃのう。是非聞かせてくれるかのう?」
「ならちょっと場所を変えようぜ。どうせなら関係者も一緒に話そうや」
「関係者?誰じゃ一体?」
「来れば分かるさ。ネブラスカ大佐も一緒に行こうぜ」
「ワシも一緒でいいのか?」
「関係あるんだろ?いいぜ一緒に行こうぜ」
こうして俺達はロンク爺さんとネブラスカ大佐と一緒に宿屋に戻った。二人を見たアルガリさんはビックリしていた。まだ仮面を取らないアルガリさん。そんなアルガリさんを見て二人は困惑していた。
果たしてこの話し合いはどのような結末に向かうのか?メリノ王を助けられるのか!




