二百六話
ユウ先輩VSモイラさんとの試合後、ジムグリさんとモイラさんからカードを貰った!このカードがあればパープルヴァーチェでは金を使わずに過ごせる!ただ、もう来る予定はないのだけどな!こういうのは気持ちだよな!
まあ、カードを貰った後、ジムグリさんのお店に行って色々買ったし、デパートみたいだから見てるだけでも楽しかったな!
そして今日、遂にパープルヴァーチェを出発する事になった。
パープルヴァーチェの入口には、世話になったモイラさん、マンバさん、それにジムグリさんが見送りに来てくれた。
その人達にユウ先輩が話かける。
「わざわざ見送りありがとな。お前達には本当に世話になったな」
「それはコチラのセリフですよ。貴方達のお陰で私達の旅は無事に終われました。いくら御礼を述べても足りませんよ」
「まったくだ。お前達との旅は本当に色々あったが、とても刺激的で楽しかったぜ!」
「また、何時でもこの街に来て下さい。父と母の変わりに私が担当させていただきますので!」
「おう、また来たら頼むわ!じゃあな!」
「お世話になったっす!」
「またいつかお会いしましょう」
「また来ますね!」
そう言って俺達はパープルヴァーチェを後にした。さてと、ここから港町までどうしようかな?俺はユウ先輩に聞いてみる。
「ユウ先輩、飛行機出すっすか?」
「そうだな。さっさと港町にいこうぜ!」
「了解っす!」
そうして俺達は港町に向かった。船も問題なく乗れた。船に揺られて三日。遂に俺達は戻って来た。最初の大陸に!さて、これからどうするのか?
「これからどうするっすかユウ先輩?直ぐにベアルリングに戻るっすか?」
「う~ん、どうしようかな?」
「あれ?何に悩んでいるっすか?」
「せっかくだし、ホワイトフォートに寄っていくか?メリノやロンク爺さんに挨拶でもしていくかと思ってな」
「私はロンクお爺ちゃんに会いたいです!」
「あれ?ポロワスさんはいいっすか?」
「アイツ無駄に絡んでくるから面倒なんだよなー。だから悩んでんだよ。ノリはどう思う?」
「そうですね。一応挨拶していきますか?王位継承がどうなったか気になりますし」
「じゃあとりあえず寄って行くかホワイトフォートに!」
「じゃあ飛行機出すっすか?」
「いや、何か俺の勘が歩いていけ!って囁いてるんだよな!」
「そうっすか、じゃあ飛行機出すっすね」
「なんでや!今歩いていこうって提案したやないか!」
「いやいや、ユウ先輩の勘が言ってるなら、絶対歩いたら面倒事に合うじゃないっすか!それは嫌っすから飛行機で行くっすよ!」
「ちょっと待て!今回は嫌な予感じゃないんだよ!」
「え〜、じゃあどんな予感っすか?」
「説明が難しいんだよな。何かこう、なあ分かるだろ!」
「いや、何一つ具体的な事言ってないじゃないっすか!」
「はあ、ユウ先輩。その予感は悪い事では無いのですね?」
「ああ、それは間違い無い!」
「では、今回は歩いて行きましょう」
「いいっんすか!ノリ先輩!」
「ええ、今回は私もそうした方がいいと思いますから」
「まあ、ノリ先輩がそう言うなら。今回は従うっすよ」
「何で俺の言う事は聞かないのに、ノリの言う事は聞くんだよダイ!」
「日頃の行いっすかね?」
「日頃の行いですね」
「が~ん!後輩達に信じられてない。俺、超ショック!」
「大丈夫です!私は師匠を信じてますから!」
「ま、マシロー!」
「師匠ー!」
ガシッと抱き合うユウ先輩とマシロ。まーたヤッてるよこの二人は。そんな二人を無視して俺とノリ先輩は歩き始める。
「ほら、置いていくっすよ!ユウ先輩、マシロ!」
「ちょ!待てよ!今行くから!」
そうして俺達は港町からホワイトフォートまで歩く事になった。まあ、そんなに遠くないからいいけど。
しかし、港町を出たのが昼過ぎだったから、俺達は野宿する事に。久しぶりだな野宿も。
今回は家も作らずに皆で焚き火を囲んでいる。
俺はぼーっと焚き火を見ながらポツリと呟く。
「焚き火って、いいっすね。何か気分が落ち着くっす」
「分かるわー。時間の流れを忘れて見れるよなー」
「二人共、言いたい事は分かりますが気づいていますか?」
「んー?何の事っすかー?」
「気づいているよ。誰か追われてるな。二人か?」
「そうですね。もしかしてユウ先輩の勘はコレかもしれませんね」
「かもなー。それじゃ、ちょっと行ってくる」
「私達も行きましょうか?」
「いや、大した事なさそうだから俺一人でいい」
そう言うとユウ先輩が何処かへ行った。はて?先輩達は何の話をしていたんだろ?まあ、いいか。
それから少ししたらユウ先輩が戻って来た。見知らぬ二人組を連れて!誰だ?
「ほ、本当に私達が一緒でも大丈夫なのか!また襲われるかもしれないぞ?」
「だから気にしないって言ってるだろ。見たろ俺の強さを!アレくらいの奴らなら百や二百来ても相手じゃねーよ」
「若様、今はこの人に頼りましょう。私達だけでは街まで持ちません」
「それは分かっているが、これ以上この人に迷惑をかける訳にはいかないだろ!」
何やら面倒事のようだ。しかし、この若様。この顔初めて見たが、見たことある様な気がするけど誰だ?
俺がそんな事を思っていたらマシロがポツリと呟く。
「あれ?メリノさん?」
そう言われてハッとした!そうだ!若様の顔、メリノさんに似ているんだ!マシロの呟きに反応して若様ともう一人の女性が警戒態勢になる!何故?警戒態勢の若様が俺達に話かける。
「何故、お前達がメリノを知っている!お前達もアイツへの刺客なのか!」
「若様!私の後ろへ!」
「アイツへの刺客?何の事だ?何を言ってるんだ?」
「うるさい答えろ!お前達はメリノの敵か!」
「別に敵ではないな。まあ、ポロワスだけは敵かも知れんけどな!」
「ポロワスまで知っているのか!お前達は一体何者何だ!」
「何者って。普通の冒険者何だが?」
「何故普通の冒険者がアイツを知っている!」
めちゃくちゃ疑ってるな。この人達。
「色々あったんだよ。なあノリ、コレはどうしたらいい?」
「そうですね。・・・ユウ先輩、メリノさんから貰ったアレを見せたらどうですか?」
「アレ?・・・もしかしてコレか?」
そう言うとユウ先輩はアレを出した。ホワイトフォートを出発する時にメリノさんから貰った王家の紋章だ。
それを見た若様?はビックリした顔をして俺達に聞いてきた。
「そ、それは王家の紋章!何故お前達がそれを!」
「コレか?メリノから貰ったんだよ。友好の証としてな」
「友好の証!お、お前達はメリノどんな関係なんだ!教えてくれないか!」
「まあ、いいけど。長くなるぞ。さて、何処から話そうか?」
「全部だ!初めから話してくれ!」
「分かった分かった」
そうしてユウ先輩は話し始める。俺達がこの世界に召喚された事。還る為にアイテムを探しに出た途中に、村が襲われ助けた事。そしてその村にメリノさんが現れた事。村の辺りで若様の顔が暗くなる。
次はメリノさんの依頼でマーダル・ヘイズに向かった事。そこでセッショウと戦い何とか生きて帰れた事。
その話を聞いた若様の顔色が真っ青になっている。そしてブツブツ何かを言っている。何を言ってるんだろ?
そうしてメリノさんの依頼を達成報告してこの紋章を貰った事を伝える。長い話だったが若様は真面目に全て聞いていた。そうして話を聞いた後、俺達に向かって頭を下げた。
「疑ってしまって済まなかった。そして、助けて頂き本当にありがとうございます」
「別に問題ない。それよりもアンタの名前を聞いてもいいか?」
ユウ先輩が若様にそう問うた。そう言えば名前、聞いてなかったな。
「あっ、えっとそれは・・・」
「何だ言いにくいのか?なあ、アルガリさんよ?」
そう言った瞬間、若様が立ち上がり驚愕な顔をしている。更に女性が若様ことアルガリさんの盾になるように立っている。
アルガリさんは震えながらユウ先輩に問いかける。
「な、何故私がアルガリだと分かったんだ!」
「あれ?当たってたのか。勘だったんだがな」
相変わらずユウ先輩の勘は凄いな。ってかアルガリってどっかで聞いた事があるな。何処だっけ?そんな事を考えてノリ先輩の方を見ると答えてくれた。
「ホワイトフォートの王位継承第一候補、メリノさんのお兄さんですよ」
「あー、あの民に重税をかけた無能な馬鹿王子っ!っとすみませんっす」
「・・・いや、その通りだ。私は無能だった。だから弟に王位継承して国を出たんだ」
「違います!全てはあの女のせいです。あの女と関わってから殿下は変わられてしまいました。あの女が何かしたのです!」
「そうだとしても、関わると決めたのは私だ。全て私自身の責任だ」
「殿下・・・!」
「それで国を出た元王子がどうして此処に?それも追われてるって何があったんだ?」
「そ、それは・・・」
「いいから話してみな。俺達ならアンタの力になってやれるかも知れないぞ?」
「な、何故私のような男を助けをしようとするのだ。こんな無能な男を!ほっとけばよいだろ!」
アルガリさんの身を切るような叫びを聞いて、ユウ先輩が静かに答える。
「メリノ、いやダチの兄貴だ。だからだよ。それにアンタに何かあったらアイツも悲しむだろ」
その言葉を聞いたアルガリさんが力なく座りこんだ。そして数秒考えた後、ポツリと話し始める。
「いいのか。聞いたらお前達を巻き込む事になるぞ。下手したら死ぬ事になるかもしれないぞ」
その言葉を聞いたユウ先輩はにっこりと笑いながら答える。
「上等だ。どんと来い!」
ユウ先輩、俺達に許可は取らないのか?ノリ先輩に目線を送ると、やれやれって感じで頭を振っている。ああ、コレはやる事が決定って感じだな。マシロは珍しく難しい顔をしている。
次回!果たして国を出た王子が再び国の近くに現れる理由とは!そして、元王子との共同作戦!作戦の成否
はどうなる?冒険者チームアース最後の出動となるか!




