二百話
ノリ先輩との激闘を終えて三日が経過した。この三日間はまったりとゆったりと過ごした。鎧のメンテナンスも終わったし、体調も完全に回復した!これで何時でも出発できるぜ!
俺は朝ご飯を食べようと宿屋の食堂に向かった。食堂には既に全員が集まっていた。
「あれ?皆揃って早いっすね?」
「いや、俺達も今来た所だ」
「ええ、ちょうど今から朝食を頂く所です」
「しかし、久しぶりですね。全員が集まるのは」
「ここ最近ユウがデートで忙しかったからな」
「うるせーよマンバ!ゴホン。今ちょうど全員揃ってるから聞くが今日出発でいいよな?」
「俺は大丈夫っすよ」
「私も問題ありませんよ」
「私も何時でもいけますよ師匠!」
「私達も大丈夫です。そうですよねマンバ?」
「ああ、俺達は何時でも行けるぜ」
「よし、なら昼過ぎに出発するぞ。各自準備をキチンとしとけよ!」
「「了解!」」
そうして俺達は各々準備を開始した。何だかんだで結構長くいたな。しかも、モイラさんとノリ先輩と戦う事になるなんて・・・。
俺は準備が終わり宿屋の前に行くと、モイラさんとマンバさんがいた。
「おっ、俺は三番目っすか!」
「そうだな。残りももう少しで来るだろうな」
「・・・モイラさん、国に戻ったらユウ先輩と戦うっすか?」
「勿論です」
「その話、ユウ先輩にはもう話してるっすか?」
「・・・いえ、まだです」
「いつ話すっすか?」
「国に帰った時に話そうかと。国にはユウと初めて戦ったコロシアムもありますから」
「あー、そう言えば一度ユウ先輩と戦ったっすね」
「ユウもあの時よりも強くなっています。まあ、私もですが。それをもう一度確かめたいのです」
「いいんじゃないっすか。ユウ先輩は戦闘狂だから喜んで戦ってくれるっすよ」
「そうですかね?まあ、とりあえず今はゆっくり皆さんが来るのを待ちましょうか」
「そうっすね。おっ!ユウ先輩達も来たみたいっすよ」
「おっ、珍しくダイが早いな。どうした?何か悪い物でも食べたか?」
「ちょ!何で俺が早く来ただけでそんな事言われるっすか!」
「冗談だよ。それよりノリは?」
「すみません遅れましたか?」
「いや、時間通りだ。珍しくダイが先に来てるけどな」
「おや、本当ですね。今日は雨でも降るのですかね?」
「ノリ先輩まで!酷いっすよ!」
「冗談ですよ。それよりもユウ先輩、あの方達には挨拶したのですか?」
「うん?誰だよあの方達って?」
「ほら、あそこにいる方達ですよ」
「・・・まさか!」
そう言うとユウ先輩がノリ先輩の指を指した方に顔を向けた!そこに居たのはシュガールさんとベンガルさん、それにマレー爺さんだ!
「おいおい、アタイ達に何も言わずに出ていく気かい?」
「本当に貴方ときたら。出発前に私達に挨拶をして欲しいのですが?」
「フォフォフォ、仕方あるまい。照れておるのじゃよ。マシロちゃんや、暇が出来たらまたおいで。新しい技と美味しいお菓子を用意しとくからのう」
「はい!マレーお爺ちゃん!」
「それでユウ。アタイ達に何か言う事は無いのかい?」
「そうですわ。またしばらく会えないのですから。私達、妻に何か一言ないのですか?」
「誰が妻だ!・・・シュガール、ベンガル。前に話した事は覚えているか?」
「勿論だぜ!」
「貴方に言われた事を私は忘れませんわ」
「そうか。また連絡するからその時はよろしくな」
「分かってるよ!けどな、暇な時にはアタイ達に連絡をくれよな!」
「そうですわ。私達は貴方の連絡を心待ちにしているのですから」
「・・・まあ、暇が出来たらな。それじゃあ行ってくる」
「ああ、アンタなら心配ないけど気をつけてな!」
「私達は心より貴方の無事を祈っています」
「おう、じゃあな。よし出発だ!」
ユウ先輩の掛け声で俺達はサンパレスを後にした。
街道に出たら俺が飛行機を作り、一気にパープルヴァーチェに向かった。
その移動中にマンバさんが呟く。
「これでユウ達との旅も終わりか。長かった様な短い様な不思議な気持ちだぜ」
「そうっすね。俺もまさかここまで一緒行動するとは思って無かったっす」
「だよなー。俺達もそうだよ。あーあ、パープルヴァーチェに戻ったらまた酒場のマスターか」
「いいじゃないっすか。酒場のマスター」
「いや、不満はないんだけどな。少し刺激が足りないっていうか、何というか。自分でもよく分からん気持ちなんだよな」
「私もマンバの気持ちは分かりますよ。この旅はとても刺激的で楽しかったですからね」
「だよなー!」
そんな話をしていたらユウ先輩が俺達に話しかけてきた。
「そう言えばノリ、ダイ。パープルヴァーチェによるか?それともモイラ達を降ろして直ぐに港町にむかうか?」
その問いに俺達よりもモイラさんがビックリしていた。そうだよな、ぶっちゃけパープルヴァーチェに行く理由は二人を届ける為だから、街に入る必要無いんだよな。しかし、モイラさんはユウ先輩と戦いたいから街に入って欲しい。どうしよう、助け舟を出した方がいいのかな?
そう思っていたら先にノリ先輩が動いた!
「ユウ先輩、出来れば街に入って観光をしたいです。前回はあまり出来なかったので」
「俺もっす!せっかくなんで観光したいっす!」
「そう言えばそうか。マシロもいいか?」
「はい!」
「ならパープルヴァーチェに入って観光するか!」
その言葉を聞いてモイラさんはホッとしていた。そして、俺達に話しかけてきた。
「では、宿屋は私が準備しておきましょう」
「おっ!いいのかモイラ?悪いな」
「いえいえ、コレくらい大した事じゃありませんよ」
モイラさん少し嬉しそうだな。まあ、コレでモイラさんの目的は達成させるだろう。あっ!そう言えば!
「マンバさん、ガーターさんからの手紙持ってるっすか?」
「おっと!そういえばそんな物もあったな!確かここに・・・」
「え?まさか無くしたっすか?」
「馬鹿言うな!確かにここにって!あったあったこれだ!」
「えーと、そのしわくちゃな紙っすか?読めるっすかそれ?」
「だ、大丈夫だ!キチンと読める!・・・ハズだ」
「本当かな?まあ、とりあえずパープルヴァーチェに向かうっすよ!」
「おう、前進全力だー!」
そうして俺達はパープルヴァーチェに向かった。特に問題も無く、パープルヴァーチェに辿り着いた。
「遂に帰ってきましたね」
「ああ、この街に帰るまでに色々あったな」
「おいおい、二人共。さっきも似たような事を言ってたろ。ほら、早く入ろうぜ!」
「ユウ先輩、二人共感慨にふけっているっすから。ちょっと待つっすよ!」
「そうですよユウ先輩。少しは待ってあげてもいいでしょう」
「わ、分かったよ」
そうして俺達はモイラさんとマンバさんの気持ちが落ち着いてからパープルヴァーチェに入った。入ると直ぐにモイラさんが話しかけてきた。
「では、本日の宿屋にご案内しますね」
「モイラ、何処の宿屋に案内するつもりだ?」
「ヴリトラにしようかと思っています。彼等はそれだけの価値があるとおもっていますので」
「あー、ヴリトラなら間違い無いな。なんたってこの街の最高の宿屋だからな」
「おいおい、俺達は別に普通の宿屋でいいんだが?」
「何を言ってるのですか!貴方達には泊まるだけの価値があります!遠慮しなくていいのですよ」
「けど、そんな最高級の宿屋ならお高いっすよね?俺達あんまりお金ないっすよ?」
「ああ、宿代なら心配する必要はありません。貴方達からお金は頂きませんよ!」
「モイラが払ってくれるのか?無理してないか?」
俺達の会話を聞いていたマンバさんが笑いながら話す。
「大丈夫だろ、心配ない。とりあえず行ってみようぜ!行けば分かるからよ」
そう言ってモイラさんとマンバさんが進み始めた。 俺達はよく分からないが、とりあえず二人の後を付いて行った。すると、デカく立派な建物が見えてきた。
まさか・・・アレなのか?
ユウ先輩も気づいたのかモイラさんに話しかける。
「お、おいモイラさんよ。まさか此処に泊まるのか?」
「はい。こちらがヴリトラです。どうぞ中に入って下さい」
俺達はモイラさんとマンバさんの後に続いてヴリトラに入ろうとしたが警備員に止められた。
「すみませんこちらは決められた方達しか泊まれない宿になっております。紹介状はお持ちですか?」
「えっと、そのー」
その様子を見ていたモイラさんが声をかけてきた。
「その方々は私のお客様です。通して上げて下さい」
「あ、貴方は!」
警備員が答えようとしたがモイラさんが黙っているようにジェスチャーをしていた。警備員が頷いて俺達を通してくれた。宿屋は外見だけでは無く中身も凄い!
めちゃくちゃ豪華だな!
俺達の姿を見た宿屋の従業員が近寄ってくる!そして、モイラさんに向かってお辞儀をしている。
「これはオーナー様。本日はどのような御要件でしょうか!」
「「オーナー!!」」
ビックリした!モイラさんがまさかこの宿屋のオーナーだったとは!
「おいおい、モイラさんよ!ここはお前が経営する宿屋なのか!」
「ええ、ですので宿代は大丈夫ですよ。皆様、この方達に私達は大変お世話になりました。最高級のおもてなしをお願いしますよ」
「「分かりましたオーナー様!!」」
「ちょ、ちょっとこれは大袈裟な気がするっすね」
「・・・っで、モイラよ。ここまでする理由は何だ?俺達に一体何をして欲しいんだ?」
「とても簡単な事ですよ。ユウ、私と本気の勝負をして下さい。全力の勝負を!」
言ったー!さて、どうなるかな?まあ結果はわかっているけどね。どうしよう、見学に行こうかな!
次回、ユウ先輩VSモイラさん!
勝つのはどっちだ!




