百九十五話
唐突に始まった俺VSモイラさん!
俺は魔導甲冑、モイラさんは神器解放をして向かい合っている。
さてと、これからどうするか?・・・まあ、考えても仕方ないか!とりあえず突っ込んでみますかね!
俺はモイラさんに向けてダッシュをする!
迎え討つモイラさん!俺の片手剣と円盤型の盾でモイラさんの蛇腹剣が防ぐ。俺のラッシュを防ぐモイラさん。ふとここでモイラさんの蛇腹剣に違和感を感じた。
そう思っていたら、モイラさんが語りかけてきた。
「私の神器、ムーンストーンは蛇腹剣です」
「そうっすね」
「ただ、他の蛇腹剣とは明確に違う点が在るのですよ」
「?それは一体?」
俺が疑問に思っていたら、急に頭上から嫌な予感がした!咄嗟にバックステップをした!するとさっきまで俺の居た場所に刃の先が刺さっていた!アレは蛇腹剣の切っ先か!
「えっ!何で切っ先だけ切離してるっすか!」
「普通の蛇腹剣はワイヤーなどで繋がっていますが、私の神器は魔力でも繋がっています。つまり・・・」
モイラさんの周りに剣の欠片が浮いている!さっき落としていた切っ先と合わすと十ニ個の欠片が浮いてる!ええー、何だよあれ!
「・・・もうコレは蛇腹剣じゃないっすよ!流石神器、何でもありっすね」
「普段は魔力消費を抑える為にワイヤーを使っていますけど、本気の時には解放します」
「つまり今は本気って事っすね。嬉しいやら怖いやら複雑っす」
「・・・では、行きます!」
剣の欠片を纏ったモイラさんが突っ込んでくる!コレはどう対処したらいいんだ!
剣の欠片を捌きつつ、モイラさんの攻撃にも対応しなくちゃいけない!それを同時にやらなきゃいけないのが幹部の辛い所だな!
「誰が幹部ですかダイ?」
ノリ先輩!俺の心の声に突っ込まないで下さい!
けど!この数は厄介だな!刃は囮にもなるし本命にもなる!それに加えてモイラさんもいる!だけど!
「いくらモイラさんといえども脳みそは一つっすからね!ユウ先輩みたいに脳みそは二つはないっすよね!」
「なっ!ユウは脳みそが二つあるのですか!」
「モイラさん、それはダイが勝手に言ってるだけですよ」
「だってあの人、明らかに計算能力可怪しいっすよ!俺の行動何回も先読みするし、スマホいじりながら音楽聞いて格ゲーで俺をボコるっすよ!脳みそニ個無いと納得出来ないっすよ!」
「す、スマホ?格ゲーとは何ですか?」
「ダイ、今はユウ先輩への不満をぶつけるのでは無く、モイラさんとの勝負に集中して下さい」
「了解っす!このユウ先輩にされた怨みを怒りに変えて、モイラさんにぶつけるっす!」
「なっ!何ですかその理不尽は!」
「怨むなら理不尽の塊であるユウ先輩を怨んで下さいっす!」
「くっ!やらせません!」
俺は速度を上げてモイラさんに突撃する。ただし、直線的ではなく少し左右にブレながら移動する。さながら高速の反復横跳びをしながら近づく。今なら世界記録を目指せるな!
今の俺はモイラさんから見たらまるで分身しながら近づいて来てる様に見えるだろうな!
「やはりダイも普通ではありませんね。しかし、これくらいでは私は負けません!」
モイラさんが刃の欠片を俺に向かって飛ばして来た!しかし、それは俺を通過していく。何故なら!
「なっ!残像ですか!」
そう!左右にブレている俺は残像なのだ!俺の本体は!
「成程、地上を走るのは残像で本体は!」
そう言ってモイラさんは上を見る!そこには剣を構えた俺が見えてる!
「やはり空中ですか!貴方もユウと同じ技を使うと思いましたよ!」
モイラさんが空中にいる俺に向かって欠片を飛ばしてくる!クソッ!空中じゃあ身動きが取れない!
「もらいましたよダイ!」
モイラさんの声と同時に刃の欠片が俺にぶつからない!刃の欠片は俺を通り抜けていく。何故ならそれも残像だからだ!
「なっ!」
モイラさんの驚きの声を聞きながら、俺はモイラさんの腹部目掛けて剣をふるう!貰った!
しかし、俺の一撃は刃の欠片で防がれた!マジかよ!まさかのオートガードかよ!だってモイラさんは上を見ていて俺には気づいてないのに!
弾かれた音に気づいてモイラさんが俺をビックリした顔で見る!
「まさか、上ではなく下にいたとは!ビックリしたしたよ!」
「俺もっすよ。まさかオートガードがあるなんて思いもしなかったっすよ!」
「オートガード?意味は分かりませんが、私の神器は攻防一体型です。簡単には突破できませんよ!」
オイオイ、マジかよ!けど、コレくらい突破しないといけないよな!だってモイラさんはまだ全力じゃないんだから!神獣化してないし!
さてと、飛んでる刃の欠片は十ニか。なら、これで!
俺は魔法で土の礫を十ニ作り出す!
「その土の礫でどうするつもりですか?」
「簡単っすよ。こうするっす!」
俺は土の礫を左右六個づつに分けて、モイラさんに突撃させる!
対するモイラさんも刃の欠片で迎撃する!モイラさんも六個づつに分けている!つまり!
「真ん中がお留守っすよ!」
無論、そんな事はモイラさんも分かっているハズだ!さて、どう対処するかな?
「成程、そう来ますか!やはり貴方達は対処が早い!ですが!」
モイラさんが咄嗟にバックステップをする!しかし、それも読んでるぜ!
「そう簡単に逃さないっすよ!」
俺は土の壁をモイラさんの後ろに作る!するとモイラさんが壁にぶつかる!
「くっ!壁を作った!真っ向勝負という訳ですか!」
「せっかくの勝負っすからね!最後は真っ向勝負っすよ!」
「いいでしょう!かかってきなさい!」
そう言ってモイラさんは刃の欠片を元に戻した!さあ、行くぜ!俺のラッシュ!防ぎきれるかな!
「さあ、そろそろクライマックスっすよ!防げるものなら防いでみるっすよ!」
俺の片手剣でのラッシュ!袈裟斬りや突きを混ぜるもモイラさんには当たらない!しかし、モイラさんの攻撃も俺には当たらない!剣の軌道が蛇みたいに曲がる!避けづらいったらありゃしない!
共に無傷だが、これ以上時間はかけられないな。俺の魔力も結構消費している!こうなりゃ一か八かやってみますか!
「さて、俺の切り札を切るっすよ!」
「なっ!まだ何かあるのですか!」
「さて、モイラさんに防げるっすか!コレが俺の切り札っすよ!」
そう言って俺はモイラさんに向かって盾を投げた!
「何故盾を!しかし、これくらいでって!何ですか!この盾は!」
そう、俺が投げた円盤型の盾の周りにトゲが出て来た!それが回転しながらモイラさんに向かっていく!
しかし、流石はモイラさん!ビックリしながらも対応する!投げた盾を弾き飛ばした!弾かれた盾は空中に飛ばされた!その隙にモイラさんの蛇腹剣が俺に迫る!
「もらいましたよダイ!」
俺に向かっていた蛇腹剣が急に角度を変えてモイラさんに戻っていく!それに驚くモイラさん!
「えっ!何故!」
蛇腹剣の向かう先には俺が投げた盾がモイラさんに再び向かっている!それを防ぐ為に蛇腹剣は方向を変えたのだ!
「な、何故弾き飛ばした盾が再び私に向かって来ているのですか!」
「それが俺の切り札っすよ!」
そう、盾には予めに伸び縮みする糸を結んでおいた!片方を盾に、もう片方は盾を投げると同時にモイラさんの足元に!だから盾はモイラさんを狙っているのではなく、ただ足元にある反対側に戻っているだけなのだ!だが、そんな事オートガードの蛇腹剣には関係ない!向かってくるものを弾く為に上の盾に反応している。そして、俺はモイラさんの真正面に突撃中だ!
これにて俺の勝ちだ!第三部完!!
そんな事を考えていたらノリ先輩の呟きが聞こえた。
「やれやれ、ダイは詰めが甘いですね」
はっ?何言ってるんだノリ先輩!今からモイラさんにトドメをさして俺の勝ちだ!そう思っていたら後頭部に凄まじい衝撃が走った!
「ガハッ!」
そこで俺の意識は緩やかに溶けていく。最後に見たのは、モイラさんの蛇腹剣!アレは確か十ニ個の欠片の集合体だったが、よく見ると十一個しかない。つまりこの後頭部の衝撃の正体は!そこまで考えて俺は意識を手放した。決着だ!
勝者モイラさん!悔しいけどノリ先輩の言う通り詰めが甘かった!もっとよく観察してれば勝てたかな?
まあ、後悔してもしょうがない!次はノリ先輩VSモイラさんか!楽しみだ!




