百二十七話
ネコショウとセッショウのコンビから逃げ帰った俺達。あの後、宿屋に戻って、今後の事を話した後、ベットで休む予定だったが眠れなかった。後悔もあるが、もしかしたらネコショウ達が襲撃してくるかも知れないと思っていたら寝れなかった。
気がつけば朝になっていた。警戒していた襲撃は無かった。俺は眠い目を擦りながら宿屋の食堂に向かった。
食堂にはすでにノリ先輩がいた。
「ノリ先輩、早いっすね」
「そう言うダイも早いですね。眠れませんでしたか?」
「はいっす。もしかしたらネコショウ達が襲撃するかもって思ったら・・・」
「考える事は一緒ですか。それに、もしかしたらユウ先輩が帰ってくるかもと思いましてね」
「・・・そうだったらいいっすけど。とりあえず今日はどうするっすか?」
「先ずはダンジョンに行きましょう。私の傷も癒えましたので現場の確認に!万が一がありますから!」
「!!そうっすね!そうするっす!」
「とりあえず先ずは朝ご飯を食べましょう。モイラさんが来たら一緒に行きましょう。さあ、食べましょう」
「了解っす!食べるっす!」
俺達は朝ご飯を食べた。すると誰かが宿屋の階段を凄いスピードで降りてきた。マシロだ!マシロは俺達を見つけると俺達に詰め寄ったのだ!
「ダイ師匠!ノリ師匠!ユウ師匠はどうなったのですか!!」
「えっとっすね、ノリ先輩、説明お願いするっす!」
「・・・今から確認に行きます。ダンジョンに入って七階層に行きます。マシロも準備しなさい」
「分かりました!」
「とりあえず朝ご飯を食べなさい。モイラさん達が来たら一緒に行きますから!」
それからマシロと一緒に朝食を食べた。途中からモイラさん達も合流して、今日の予定を話し合った。ダンジョンに向かう事に賛成してくれたので、この後向かう予定だ。
何だかんだ準備をしていたら出発時間になったので俺は宿屋の入口に向かった。俺以外のメンバーは全員集合していた。
「お待たせしたっす!じゃあ行くっすよ!」
「ええ、行きましょう」
俺達は宿屋を出て、ダンジョンへ向かった。
あれ?ダンジョンの入口の周りに人集りが出来ている。なんだろあれ?
俺はダンジョンの人集りの一人に話しかけた。
「すいませんっす。どうしてこんな人集りが出来てるっすか?」
「あん?アンタ聞いて無かったのか?」
「うっす!今来た所なんっすよ。皆さんダンジョンには入らないっすか?」
「入らないじゃなくて、入れないなんだよ」
「えっ!ダンジョンに入れないっすか!なんで!」
「なんでも昨日、ダンジョンの崩落があったらしいんだよ。街がその調査をするから、調査が終わるまで一般人は入れないんだってよ」
「ま、マジっすか!!」
「ああ、だから俺達もどうしようか迷ってるんだよなあ」
俺はお礼を言ってその場を後にした。ヤバイ!これ俺達もダンジョンに入れないかもしれない!俺は急いでノリ先輩達に合流して今の話しを伝えた。
「成程、確かにダンジョンが崩落したら入れなくなりますね。これは盲点でした」
「どうするっすか?ノリ先輩?」
「出来れば穏便に進めたいのですが、最悪強行突破も考えないといけませんね」
「そうっすね」
「待て待て、いつも冷静なノリが、何過激な事を言ってるんだ。少し落ち着けよ」
「・・・そうですね。すみませんマンバさん。少し気が立っていたのかもしれません」
「けどどうするっすか?入れないと何も出来ないっすよ!」
周りを見渡していたモイラさんが何かを見つけた。そして俺達話しかけた。
「過激な方法ではなく、正攻法で行きましょう」
「正攻法?どうするっすか?」
「任せて下さい。おーい、レトリバー!ちょっといいですか?」
モイラさんが声をかけたのはこの街の十ニ守護獣で警備隊隊長のゴールデン・レトリバーさんだった!
「おや、ヨルムンガンドの皆さん!どうしたんですか?」
「いえ、ダンジョンに入ろうと思ったらこの状態だったのでどうしようかと思いましてね」
「あー、そうですか。すみません。まだ現場を確認出来ていないのですが、当分はダンジョンが使えなくなりそうなのです」
「そうですか。それで、ダンジョンの確認は貴方がするのですか?」
「ええ、このダンジョンは街にとっても大切な物ですから、きちんと調査をしろと上から言われてまして」
「そうなのですね。それはちょうど良かったです」
「?何がちょうど良かったのですか?」
「いえ、レトリバー。ダンジョンの調査。我々も手伝いますよ」
はっ!!そうか調査と言えばすぐにダンジョンに入れる!しかも正攻法だ!やるなー!モイラさん!
「本当ですか!いやー、助かります。人手が足りなかったので!しかし・・・」
「?何か問題がありますか?」
「いえ、ヨルムンガンドの皆さんは問題無いのですが、コチラの方々もですか?」
「ええ、彼等は十分に戦力になりますよ」
「しかし・・・」
「何ですか?私の言う事に何か問題でも?」
「正直に申しますと、私は彼等の実力を知りません。もし、何かあった場合に問題になりますし・・・」
「つまり、彼等が実力者なら問題無いのですね」
「まあ、そうですね」
「なら、貴方が彼等と戦ってみればいいでしょう。そうすれば実力も分かるでしょう」
「・・・モイラさんがそこまで勧めるのでしたら。ではあちらの三人でよろしいですか?」
「ええ、ノリ、ダイ、マシロ。貴方達の力を見せてあげて下さい。実力者と分かれば堂々とダンジョンに入れますから」
流石だモイラさん。俺達が出来ない事を簡単にやってのける!そこに痺れる憧れるー!レトリバーさんを納得させれたらダンジョンに入れる!そうすればユウ先輩を捜索出来る!やるしかないよな!
「ではあちらに移動しましょう。少し広場があるのでそこで戦いましょう」
俺達はレトリバーさんの案内で広場に向かった。その最中に誰から戦うのかを決めていた。話し合いの結果マシロ、ノリ先輩、締めを俺がする事になった。クソー、パーじゃなくてグーを出せばよかった!
広場に着いたらマシロとレトリバーさんが向かい合う。
「お嬢さん。準備はよろしいですか?」
「はい!何時でもいいです!」
「しかし、本当にやりますか?」
「勿論です!私は必ず師匠をお迎えに行くんです!」
「??お嬢さん、それはどういう・・・」
レトリバーさんの質問を遮るようにモイラさんが開始の合図を告げる!
「それでは!初め!!」
開始の合図と同時にマシロはレトリバーさんに突っ込んで行く。武器は双剣だ!マシロは力ではなく手数で攻めろとユウ先輩に言われていたからな。
対するレトリバーさんは両手に盾を構えている。武器は持たないみたいだ。あれで戦えるのか?
マシロの双剣の連撃を両手の盾で弾いている。弾かれてはいるがマシロ、大分強くなったな。
その様子を見ながらモイラさんが呟いた。
「マシロまた強くなっていますね」
「そうですよ。ウチのチームで一番の伸びしろがありますからね」
「けど、やっぱりレトリバーさんもやるっすね。流石十ニ守護獣っすね」
「ええ、っとマシロが決めに行きますよ」
マシロが少し距離を取り、レトリバーさんに突撃する。レトリバーさんは迎え撃つきだ!
しかし、マシロもしかしたらアレをやる気じゃないか?
「行きます!」
突撃しているマシロがブレている。そう思っていたらマシロが二人に増えてレトリバーさんの左右から攻撃する!やっぱりコレは!
「松山流双剣術、双撃の顎」
左右両方からの攻撃!どっちかが偽物なのだが、迷っていたら攻撃をくらってしまう!しかし、今回の相手は!
「素晴らしい攻撃だ!だが!」
レトリバーさんは両手に盾を持っている。やはり両方の攻撃を防がれる!そう思っていたら!
「えっ?衝撃が両方とも来ない?何故!」
「ユウ師匠の言っていた通りでした。両方を防ぎに行くと、だからコレが正解だと!」
なんとマシロは両方を分身にしており、本体は真正面から突撃していたのだ!
レトリバーさんの胸の前に、双剣を突き立てていた!
「双剣の顎・絶!決まりました!」
「・・・私の負けですね。本当に素晴らしい!」
「やったー!やりましたよ!ノリ師匠!ダイ師匠!」
「・・・マシロ大分強くなってるっすね」
「これは私達も、ボヤボヤは出来ませんよ。下手をしたらマシロに追い抜かれますよ」
「ウッス!頑張るっす!」
とりあえずマシロは勝ってくれた!
後はノリ先輩と俺だ!ノリ先輩は大丈夫だろうけど、俺は頑張らないとな!レトリバーさんにも弟子にも負ける訳にはいかない!
早くダンジョンに入って、ユウ先輩の安否を確認したい!その為の戦いだ!やってやるぜー!




