百二十四話
遂に始まったユウ先輩&俺VS野衾の戦い。
前半は俺達が優勢に攻めていたのに、野衾が変な黒い珠を飲み込んで幻魔覚醒とかをしてからは、ほぼ互角になっていたが、ユウ先輩が野衾の片脚を切断するのに成功した。しかし、本番はここからだった!
「貴方達の強さはよく分かりました。ここからは私の戦場で戦ってもらいましょう!」
「お前の戦場?何言ってるんだ?」
「フフフ、こういう事ですよ!!」
そう言うと野衾の身体から黒煙の様な物が凄い勢いで出てきている!まさか毒か!
そう思って俺は風魔法で吹き飛ばそうとしたが黒煙は小揺るぎともしなかった!
その様子を見て野衾は笑いながら俺達に黒煙の正体を明かしてくれた。
「安心して下さい。これは毒ではありません。ましてや煙でもありません。これは闇です」
「闇?何だそれは!」
「直に分かりますよ。さあ、私の時間です」
野衾が言った闇が、部屋全体に広がった。マジで闇だ!何も見えない。
とりあえず毒ではないみたいだ。
「ユウ先輩!いるっすか?」
「おう、ただこれだとマジで何も見えないな!」
「なら火を灯すだけっすよ!」
俺が火の魔法を唱えた瞬間、俺の火が闇に喰われた!
はっ?と思っていたら急に野衾の声が聞こえた!
「素晴らしい!貴方達の魔力は本当に美味しいですね」
「アイツ、俺の魔法を食ったすか!」
「俺も光魔法で、灯りを出そうとした瞬間に闇に呑まれた!闇のせいで視界はゼロ。ただし、アイツは見えてるみたいだな」
「ええ、言ったでしょう。この闇こそが私の戦場です!貴方達もこの闇の中に沈みなさい」
「ちっ!ダイ!土魔法はどうだ!出来るか?」
俺は足元に小さな山を魔法で作った!見えないがそれを足で確認する。山はある!
「ユウ先輩、土魔法で作った物はあるっす!壊れてません!」
「俺は水魔法で確認した!多分だが灯り系、火と光魔法以外なら吸収されないっ!クソッ!狙いは俺かよ!」
「貴方が一番危険ですからね。先に殺らせていただきますよ!」
「クソ!見えない敵なんて反則だろ!・・・ダイ!大地の鎧を装備しろ!顔も隠せ!」
「わ、分かったっす!」
「覚悟しろよ野衾!俺も奥の手を解放だ!」
「ユウ先輩!何をするつもりっすか!」
「ダイ、サングラス作れるか!」
「えっ!いきなりっすね!無理っすよ!」
「なら俺の方をあんま見るなよ!目が潰れるぞ!」
「りょ、了解っす!」
「コレが俺の奥の手!魔導甲冑・光武だ!」
えっ!ユウ先輩の奥の手!ってか光武って!
はしれ〜光速の〜ってヤツか!そんな事を考えていたらユウ先輩が激しく光初めた!
ギャーー!目が!目がーーー!
「だから見るなよって言ったろ!」
「けど、思ったよりは大丈夫っす!しかし、ユウ先輩の光がどんどん闇に飲まれてるっすよ!」
ユウ先輩の切り札魔導甲冑・光武!見た目は光る鎧だが、光量がヤバイ!けど野衾の闇も全然無くならない!
「任せとけ!俺の魔力とアイツの闇!どっちが上か勝負だ!」
そう言うとユウ先輩の周りの光が強くなる。どんどん強くなっていき、闇の部分が明かりに照らされている!
「な、なんという魔力だ!だが、私の闇が貴様如きに破れるはずはない!」
「本気を出せよ野衾!じゃないと俺の光がお前を飲み込むぞ!」
ユウ先輩の光と野衾の闇が部屋の半分づつを占めている。ほぼ互角なのだろう!けど、このままだとユウ先輩の魔力が持たないかもしれない!
俺は大地の鎧の両手を尖らせて、螺旋状にした!それを風魔法で回す!回す!回す!!
これで!
「受けてみろっす!ドリルブロウクンマグナム」
俺は大地の鎧の両腕をドリルにして野衾に向かって飛ばした!先ずは右腕を野衾に飛ばした!
「なっ!そんな物に当たりませんよ!」
そう言って野衾は俺の飛ばした右腕を避けた!だがな!腕はもう一本あるんだよ!
「逃がさないっすよ!くらえーー!」
俺は左腕を飛ばした!右腕を避けてバランスを崩した所を狙った!これは当たる!と思った!確かに当たったのだが、蝙蝠の様な羽根で防がれた!
「舐めないで頂きたい!こんな物にで私の守りを突破出来・・・な、何だこの魔法は!と、止まらない!」
「知らないっすか!俺のドリルは天を貫くドリルっすよ!」
「おいおい、ダイ。お前いつの間に天元突破したんだよ!しかし、よくやった!」
「こ、こんな物にやられるか!」
そう言って野衾は天井から下に降りてきた!それを見たユウ先輩が俺に向かって叫ぶ!
「ダイ!ジェットストリームアタックだ!」
「二人しかいないっすけど!了解っす!」
俺はユウ先輩の前に行って、野衾に突撃する!そして、俺の後ろにはユウ先輩がついてくる!
「ユウ先輩!どうしたらいいっすか!」
「上段を攻めろ!ここで決めるぞ!気合入れろよ!」
俺は了解して野衾の前まで直進した!野衾は迷っているはずだ!さっきは言われた事と反対の行動を取ったから今度も反対なのか、それとも言われた通りの行動をするのか!迷え、迷え!答えは!
俺は野衾の飛び上がる!上段から攻撃する!
「くらえー!」
「舐めないで頂きたい!!」
野衾は俺のジャンプ攻撃を受け止めた後、俺を吹き飛ばした!俺は壁に吹き飛ばされるが!まだだ、まだ終わらんよ!
「本当に今回は良く動いたなダイ!受けろ野衾!」
ユウ先輩が野衾に突撃する!
さあ、ユウ先輩はどっちから攻撃する?上か下か?
「どんな攻撃だとしても防いで見せましょう!かかってきなさい!」
ユウ先輩が野衾の前に残像を出した!今回の攻撃はどっちだ!天か地か!
そう思っていたら野衾が上を見た!俺も目をやると上空にユウ先輩がいた!
「見えてますよ!さあ、これで終わりです!」
野衾は右手の爪を一つに固めて、ユウ先輩に突き刺した!空中だと流石のユウ先輩も避けにくいだろう!
俺は野衾の攻撃を防ごうとして突撃するが、野衾の爪はユウ先輩を突き刺した!
だが、それはユウ先輩の残像だった!
「な、何ですって!!」
「さあ、これで終わりだ!」
ユウ先輩は飛び上がった後、攻撃しないで着地していたみたいだ!つまり、地を放つつもりなんだ!
「舐めるなよ!まだ左腕がある!これで防いでカウンターをくれてやる!」
野衾が左腕で脚を守ろうとした。そこにユウ先輩の声と攻撃が炸裂する。
「松山流剣術奥義、人!」
ユウ先輩の放った奥義は上でも下でもなく真ん中、胴体を狙った一撃だった!
野衾は予想外だったのだろう。左腕を上げて受けようとしたが間に合わない!ユウ先輩の攻撃が当たり、野衾の左腕を切り裂いた!そのまま胴体に当たるかと思ったが、右腕の爪が防御に間に合った!しかし、ユウ先輩が振り抜き、そのまま野衾を壁まで吹っ飛ばした!
それを確認した俺はユウ先輩と合流する。
「やったっすか!」
「いや、まだだろうな。胴体を真っ二つにしようとしたら防がれたからな。片脚しかないから吹っ飛んだが、やっぱりな。アイツ自分で飛んだな」
ユウ先輩の視線の先には、壁の方から出てきた野衾がいた。ただ、今までのように余裕があるようには見えない。片腕、片脚となり全身ボロボロだ。肩で息もしている。あと少しだな!
「ハァハァ、こ、ここまで追い込まれるとは思ってもいませんでした。どうやら私もここまでのようですね」
「何だ?ずいぶん諦めがいいんだな。じゃあ、お前の目的でも教えてもらおうか!」
「フフフ、私の目的ですか。今更どうでもいいでしょう。何故なら」
「何故なら?なんっすか?」
「貴方達は此処で死ぬのですから!」
「な!まだ何かあるのかよ!」
「私の最後の手段です。私の体内にある魔黒珠!これに更に魔力を流し込み爆発させます!魔力はさっき貴方から沢山頂きましたからね」
「な!道連れかよ!」
「ば、爆発オチなんて最低っすよ!」
「ははは、最後に貴方達の慌てる顔を見れて良かったです!貴方達はあのお方の障害になりそうですしね。私の最後の御返しです。さあ、逝きましょう!」
野衾がそう言った瞬間、野衾の腹から手が出てきた!その手には野衾が飲み込んだ珠が握られている。アレが野衾が言ってた魔黒珠か!ってか誰の手だアレは!
「グッ、な、何で貴方方がこ、ここにいるのですか!ネコショウ!セッショウ!」
「うふふ〜、さあ〜何ででしょうね〜」
「今から死ぬ奴には関係ないニャ」
よく見ると野衾の後ろにネコショウとセッショウがいた!野衾の腹を貫通したのはネコショウの手だったのか!
ネコショウが野衾の腹から手を抜くと、野衾は力なく倒れた。アレは致命傷だろう。
野衾の目からどんどんと何かが抜けている。
「な、何故私を、私はあのお方の為に・・・」
そう言って野衾は動かなくなった。
野衾。最後は多分味方だった奴に殺されるなんて、何かこう、報われないな。
だが、そんな事を考えている余裕もない。
あの強敵のネコショウとセッショウが俺達の前に現れたのだから。
果たしてこの二人の目的は!
俺達はこの修羅場から無事に帰れるのか!




