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百二十二話

遂にヒバカリさんが捕らえられているエリアの前まできた。この狭い通路を通った先にいるらしい。

先ずはヨルムンガンドのメンバーが先行し、その後ろに俺達がついて行く事になった。


「俺達の先頭は俺、中間はダイ、その後ろにノリとマシロ。殿にビーグルさんでいいか?」


「了解っす!」


「分かりました」


「ビーグルさんはヤバそうなら直ぐに逃げてくれ。守れるか分からんからな」


「わ、分かりました」


「私達はいつも通りの陣形で行きましょう。先頭はマンバ、中間ガーター、後衛は私が」


「了解だ!」


「ヒバカリ・・・必ず助けますよ!」


そうして俺達は狭い通路を進んで行く。聞いていたが本当に狭いな。まあ、大人二人が並べるくらいはあるけど、この通路で魔物に襲われたら大変だな。

なんてことを考えていたら、通路が終わり、デカイ広間についた。マジで広いな。そして、入口から真正面に変な格好をした男と、縛られている女の人がいた!

おそらくあの女の人がヒバカリさんか!

俺達が入って来たのを男が確認した男が話かけてきた。


「おやおや、今回は大勢で来られたのですね。嬉しい限りです」


男はニヤニヤしながらコチラに話てくる。それに対してガーターさんが怒鳴る。


「貴様か!私の妻に何をした!!」


「おやー、この女性は貴方の妻でしたか。いやいや、素晴らしい女性でしたよ。とても良い餌でした」


「餌だと!!」


「ええ、彼女を助ける為に多くの冒険者が此処に来ました。お陰で私は動く事なく沢山の魔力を集める事が出来ました。私の研究は一気に飛躍しましたよ」


「・・・彼女を助けに来た冒険者はどうしたのですか?」


「私の研究に犠牲はつきものです。あの方々も本望でしょう。私の研究の礎になれたのだから」


「・・・貴方がどれ程の悪党か分かりました。ヒバカリを返してもらい、貴方に引導を渡してあげましょう」


「それは恐ろしい。しかし、忘れてもらっては困ります。私の手元には人質がいることを!」


そう言って男はヒバカリさんの首元に剣を突き立てる!それを見たユウ先輩が俺に話かけてきた。

・・・分かった!やりましょう!

俺は意を決して男に話しかける。


「あー、ちょっといいっすか?」


「おや、何ですか?」


「いやー、聞きたいことがあるっすけどいいっすか?」


「すみませんね。こう見えて私は忙しいのです。貴方達の話を・・・」


「アンタ、ネコショウやセッショウの仲間っすか?」


俺の言葉を聞いた途端、男はニヤニヤ顔を止めて、真顔で俺の方を見た!怖っ!

そして、俺を見ながら聞いてきた。


「貴方、彼女達を知っているのですか?」


「勿論知ってるっすよ。後はオロチ、そして、百鬼にもあってるっすよ」


俺がその話をすると男はうつ向いてブツブツ言っている。なんて言ってるのか聞き取れない。


「・・・ごとき・・・するな」


「えっ?何言ってるっすか?もっと大きな声でお願いするっす!」


「お前如きが!あのお方を呼び捨てにするなと言ったんだ!」


男はめちゃくちゃデカイ声で叫んだ!しかも切れてる!何で!


「ふぅ、私とした事が取り乱してしまった。何故貴様があのお方の名前を知っているのか。後で詳しく聞きましょう!さあ人質を殺されたく・・・!はぁ!人質が消えた!何処に行った!」


「何かお探しか?大事な物はきちんと確認しとかないとな!」


そう言ってヨルムンガンドの近くにユウ先輩が姿を現す。ヒバカリさんと一緒に!


「ば、馬鹿な!一体どうやって人質を救出したんだ!」


「企業秘密だよ!馬鹿野郎!さあ、ガーター、ヒバカリさんの状態を確認しろ!ダイもよくやった!褒めてやるぞ!」


「あざっす!けど、本当にアイツが切れてビビったっすよ!ユウ先輩、何で分かったっすか?」


「んー?勘!」


「相変わらずユウ先輩の勘はこえーっすわ!」


「それよりも!ガーター、ヒバカリさんはどうだ?」


「ヒバカリ!ヒバカリ!目を開けて下さい!!」


ガーターさんがヒバカリさんに語りかけている。どうなるかと思っていたらヒバカリさんがゆっくりと目を開けた。そして弱々しく呟いた。


「・・・!ああ、ガーター、良かった。夢でも、最後に、貴方に会えて」


ヒバカリさんは涙を流しながらガーターさんに抱きついていた。ガーターさんは強く抱き返して語りかける。


「夢ではありません。助けに来ましたよヒバカリ!」


「ほ、本当に夢ではないの!ああ、会いたかったわガーター!」


「私もですよヒバカリ!!」


そんなラブロマンスが繰り広げられてる最中に、ガーターさん達の前にマンバさん、モイラさん、ユウ先輩が立ち塞がる!

そしてユウ先輩が男に話しかける。


「さてと、これでお前には人質がいなくなって、こっちは全員でお前をボコれるな!」


「ヒバカリを攫った礼はさせてもらいますよ!」


「俺も久しぶりに切れちまったよ!覚悟しろよ!テメー!」


「おー、怖い怖い!流石の私もこの人数差は厳しいですね」


?何故だろう?かなりの戦力差があるはずなのに男は余裕の笑みを浮かべている。何か隠し兵器でもあるのか?俺がそんな事を考えていたら男が誰かに語りかけた。


「貴方達、ヤりなさい!」


貴方達?一体誰に言ってると思っていたら、俺は恐ろしい瞬間を見てしまった!ヒバカリさんの目から急に光が消えた様になり、いつの間にか持っていたナイフでガーターさんの背中を刺したのだ!


「グッ!ヒ、ヒバカリ何で!!」


俺は直ぐに正気に戻り、ユウ先輩に声をかける!


「ユウ先輩!ヒバカリさんがガーターさんを刺したっす!」


「はあ?何だと!」


ユウ先輩は直ぐにヒバカリさんを気絶させた!しかし、ガーターさんの背中にはナイフが刺さっている!


「何だ!一体何があったんだ!ダイ!」


「分かんないっす!あの男の言葉が聞こえた途端にヒバカリさんが急にガーターさんを刺したっす!何か操られてるみたいに!」


「何だと!ちょっとまて!アイツ確か、貴方達って言ったよな!」


「た、確かに言ったっす!」


「ま、まさか!」


ユウ先輩が後ろを振り返ると同時にマシロの悲鳴が聞こえた!


「キャーーー!ノリ師匠!!」


悲鳴が聞こえた方を見てみると、ノリ先輩が刺されていた。ビーグルさんに!!

ビーグルさんも目に光が無い!どうなっているんだ!


「クソ!どうなってるんだよ!」


ユウ先輩はそう言いながらビーグルさんも気絶させた!そして、ノリ先輩に話しかける。


「おい、ノリ無事か?」


「え、ええ。すみません不覚をとりました。まさかビーグルさんが刺してくるなんて思ってもいなかったので」


「動けるか?」


「す、すみません。背中を刺された後、そのまま少し切り裂かれたので少し厳しいですね」


「そうか、無理するな。後は任せておけ。マシロ!ノリに手を貸して後退しろ。モイラも!ガーターを連れて後退しろ。マンバさんはヒバカリとビーグルを連れて行ってくれ。出来れば縛っておいた方がいいかもな!」


「し、しかしアイツはどうするのですか!」


「俺とダイに任せておけ!必ずぶち殺す!」


「私も残りますよ!ここまでされて黙ってはおけません!」


「モイラ!俺達を信じておけ。それにここはダンジョンだ。負傷者だけ後退させても安全じゃない。お前が守ってやれ!・・・ノリとマシロを頼むぞ!」


「・・・分かりました。私の全力を持って皆さんを守りましょう。アイツは任せましたよユウ!」


「俺を誰だと思っている!任せとけ!」


「俺もいるっすよ!任せて下さいっす!」


「分かりました!マンバ!二人を頼みます。ガーター、ノリ歩けますか?マシロちゃんはノリと一緒に!私はガーターを!」


モイラさん達が後退していく。余裕なのか男は黙ってそれを見送っていた。

その態度が気に入らないのかユウ先輩が男に話しかける。


「おいおい、ずいぶん余裕だな。いいのか簡単に行かせて?」


「問題無いでしょう。それに私がアイツ等を攻撃しようとしても貴方が邪魔をするでしょう?」


「当たり前だよな!さて、それじゃあお前をぶち殺すさ!ええっと、名前なんだっけ?」


「これはこれは!そう言えば名乗っていませんでしたね。私の名は野衾と申します。短い間でしょうがよろしくお願いしますね」


「俺は松山遊星、こっちは梅川大騎。お前を殺す者だ!」


「ふふふ、面白い!さあ、始めましょう!」


「行くぞ!野衾!!」


やっとヒバカリさんを助けたと思ったら、ノリ先輩とガーターさんが刺されてしまった!一体どうやって二人を操ったのか!そしてユウ先輩と二人でこの野衾を倒せるのか!

果たして決着はどうなるのか!

次回に続くー!




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