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百十二話

無事にトーナメント二回戦も突破した俺達。ってかユウ先輩なんて一瞬で勝負つけてしまった。勝負よりもその後のゴタゴタの方が長かったぐらいだ。残すは二回勝てば優勝だ。さてさて、どうなるかな?

そんな事を考えて休んでいたら俺達の控え室のドアがノックされた。誰だろ?


「はいはーい、今開けるっすよー」


「おい、ダイ。不用意にドアを開けるなよ」


「えー、でも、スタッフかもしれないじゃないっすかー」


「他のチームの妨害かもしれないだろ。とりあえず無視・・・」


「あらぁ、無視なんて酷いわ。ちょっとお話ししたいだけだから開けてくれない?」


この声は!ペルシュロンさん!!

俺は急いでドアを開けた。


「あら、ありがとね。ちょっといいかしら。お話があるのだけど?」


「いいけどよ、このトーナメントの興行主が、一参加チームの控え室に来ていいのか?」


「本当は良くないケドね、今回はちょっとお願いにきたのよ」


「お願いっすか?何っすか?」


「実はさっきのトーナメントでやった技、あれ、今後使用しないで欲しいのよねぇ」


「はあ?何でだよ」


「だってアレ観客が見えないのよ?盛り上がらないじゃない」


そんな事を笑顔で言ってくるペルシュロンさん。まあ、確かに何されたか一般人は分からないだろうからな。


「俺がアンタの頼みを聞く理由がないんだが?」


「分かってるわよ。だから聞いてくれたら、優勝した時に、貴方達にはヒバカリちゃんの情報とは別にもう一つ優勝賞品を用意するわ」


「優勝したらか、出来なかったら意味ないな」


「あら、出来ないの?ならこの話、断ってくれてイイわよ」


ニコニコした笑顔で煽ってるよなこの人。どうするんだろユウ先輩?


「ふぅー、分かった。この後の試合では使わない。コレでいいだろ」


「あらぁ、ありがとうね。じゃあ、そろそろ戻らなきゃ!それじゃあね」


ペルシュロンさんはウインクをしながら部屋を出て行った。


「ペルシュロンさん、アレを言いに来ただけなんっすかね?」


「どうかな。あとは挑発もあるんだろ。明らかに煽ってたしよ」


「あー、確かに。乗って良かったのですかユウ先輩?」


「別に幻影が使えなくても問題ない。それに興行主からたっての願いだ。聞いてやらないとな」


そう言ったユウ先輩がニヤァと笑う。

ユウ先輩、その顔はどう見たって悪党の親分ですよ。


「何を考えているんですユウ先輩?」


「ペルシュロンが言ってたろ。観客が楽しめる戦いをしようと思ってな」


「楽しめる?どうするっすかユウ先輩?」


「簡単だよ。次からの戦いはド派手にやるぞ!観客も楽しめる様にな!」


あー、コレ面倒くさい事になるな。まあ、今回は俺には関係無いからいいか。


「さて、じゃあ作戦会議だ。お前等も意見が会ったら言えよ!」


俺達が作戦会議をして少ししたら、スタッフが呼びに来た。もう試合か!


「失礼します。試合の時間になりましたので準備をお願いします」


「分かった。じゃあ作戦通りに行くぞ!」


「了解っす!」


スタッフに案内されて再び俺達は舞台に着いた。さて、今回のバトルルールは何かな?


「さー、ペルシュロン様がサイコロを振った!出た目はニだ!つまり今回のルールは勝ち抜き戦となります!」


「勝ち抜き戦っすか!なら俺が一番手でいいっすか?」


「なら、私は二番手で」


「何だよ。俺が最後か。まあ、いいけどな。けど、作戦を忘れるなよ」


「分かってるっすよ!ド派手に決めてくるっすよ!」


「さー、トーナメントも準決勝となりました!対戦するのは、今大会二番人気のアリーオーンチーム。去年スレイプニルに惜しくも決勝戦で負けて二位となったその屈辱をはらす為に今回も参加してきた!」


「あー、今度の対戦チームはあの二番人気のチームか。強いのか?」


「どうっすかね?まあ俺が様子見してくるっすよ!」


「珍しくやる気じゃねーか?どういう心境だ?」


「いや、今回勝ち抜き戦じゃないっすか。負けても問題無いから気楽にいけるっすよねー!」


「そういう事か。まあ、いい。っと次は俺達のチーム紹介だな」


「アリーオーンチームに対戦するチームは、今大会のダークホース冒険者チームアース!あのペルシュロン様が推薦したチームです。破竹の勢いで勝ち上がりこのまま優勝してしまうのか!」


「何か俺達のチームの説明雑じゃね?」


「まあ、ほぼ情報が無いから仕方ないでしょう。では、ダイ初戦頑張って下さいよ」


「了解っす!行ってくるっすよ」


「それでは!両チーム先鋒者前へ!」


俺はゆっくりと舞台の中央に向かって歩く。今日二回目か。少し慣れてきたかな?さて、俺の対戦相手はあの人か。


「アンタが相手か。悪いが手加減は出来ん。俺達の目的は優勝だ。すぐに終わらせよう」


「あー、手加減出来ないのとすぐに終わらせるってのには賛成っす。ただ・・・」


「ただ?」


「勝ちは俺がもらうっすけどね」


「言ってくれる!」


そう言って俺は槍を、相手はショートソードと盾をセットする。


「それでは先鋒戦!開始!」


相手は盾を構えつつ、俺を見ている。カウンター狙いかな?じゃあ、これだ!


「土の半球アースドーム


俺がその魔法を唱えると相手を土の半球で閉じ込めた。一分ぐらいは時間を稼げる。その間に!

俺は魔力を込めて、アレを作る!まだ慣れて無いから少し時間かかるんだよな。アレを作るの!


「ダイの奴、何をやってんだ?」


「あー、多分アレを作る気ですね。確かにあれなら派手ですからね」


「アレ?」


「見てれば分かりますよ。ほらもう出来そうですよ」


よし!出来た!

俺が完成したと同時に、土の半球が破壊され中から対戦者が出てきた。そして、俺の姿を見て驚いている!


「お、お前何だその姿は!」


「コレっすか。俺の魔法、大地のガイアアーマーっす!それじゃあいくっすよ!」


俺は大地の鎧を装備したから真正面から突撃する。俺は相手向かって槍で薙ぎ払う!相手は盾で受けると思ったけど、思いっきりバックステップをしてかわした。


「へえー、避けるっすか。てっきり盾で防ぐと思ったっすけど」


「何故か嫌な予感がしたからな。俺は自分の感覚を信じているんだよ」


「はあ、感覚が鋭いのはうらやましいっすね。俺には分からない感覚っす。ケドね、逃げてばっかりだと勝てないっすよ」


「分かっている。だから、次はこちらから行かせてもらう!」


対戦相手はダッシュで俺との距離を詰めて、ショートソードで俺を攻撃してくる。俺はあえてその攻撃を防がずに棒立ちで受ける。

対戦相手はビックリしているがショートソードが俺の肩に当たるが弾ける!


「な、何だこの感触は!まるで岩ではないか!」


「だから大地の鎧って言ったじゃないっすか!さてと、すまないっすけどもう終わらせるっすよ!」


「な、なんだと!」


俺は再び突撃して槍を薙ぎ払う!ただし、先程よりも前に出て!


「な、早い!後ろには下がれない!だが!」


対戦相手はしゃがんで俺の槍を避けた。だがしかし、それは俺の予定通り!俺はしゃがんいる相手の腹をめがけて蹴り上げる。その結果対戦相手が空へ打ち上げる!そして、コレで終わりだ!


「くらえ!ロケットパーンチ!」


俺は空に飛んだ相手に向かってロケットパンチを放つ!それは見事に相手の腹部に命中した。

仕上げの一発だ!


「ばーーくはつ!」


俺の声と同時に俺の飛ばしたロケットパンチが爆発した!まあ、爆発っていっても花火みたいな感じだけどな。空に打ち上がった対戦相手が落ちて来た。このままほっといたら死んでしまうかもしれないから、優しく空中でキャッチする!良かった。気を失ってるだけだ!俺は審判に相手の状態を確認してもらい判定を促した。


「勝負あり!勝者冒険者チームアース、ダイ!」


その声が響くと、闘技場が凄い大歓声に包まれる。結構派手に戦えたんじゃないかな?そんな事を考えてたら審判が声をかけてきた。


「ダイ、次の試合だ。こちらへ」


そうだったこの戦いは勝ち抜け戦だったな。俺はチラッとユウ先輩の方を見る。ユウ先輩が頷いたのを確認してから二回戦目に向かう。対戦相手はもう来ていたのですぐに対戦が始まる!


「それでは第二試合初め!!」


審判のその声を聞いた瞬間、俺は両手を上げて一言伝える。


「降参っす!俺の負けっす!」


俺がそう言った瞬間、少し静寂が流れた後、さっきよりも大きな声が闘技場に響く。

これで俺の仕事は終わった。俺はゆっくりとユウ先輩達の方へ歩く。

残りの試合はゆっくり観戦させていただきますか。

次回!ノリ先輩が戦う!果たして勝てるのか!ちょっと楽しみだ!






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