百十一話
トーナメント大会に参加して第一試合が終わった。
第一試合は俺の大活躍で勝利を得た。
大活躍だったよ。本当に!
さて、次はどんなルールになるんだろ?まあ、サイコロだから運なんだろうなー。
「ユウ先輩、次タイマンが来たら出てくださいっすよ。俺はもう嫌っすから!」
「分かってるよ。まあ、初戦だから大した事無いと思ったからお前を行かしただけだよ」
「ううー、確かに大した事無かったっすけど!次はノリ先輩かユウ先輩が出てくださいっす!」
「それじゃあ、次の対戦でタイマンなら俺が出るぜ」
「本当っすね?」
「任せとけ!それよりも、他のルールが来た時にどうするかだよな」
「あとは勝ち抜き戦と総当たりでしたっけ?まあ、その時になったら決めましょう」
そうやって話し合いをしていると再びスタッフが呼びに来た。
「冒険者チームアースの皆様。出番になりますので付いて来て下さい」
「よっし!行くぞ!」
俺達は案内されて再び、闘技場の舞台に戻ってきた。
まあ、さっき来たばかりだけどな。それにしても呼ばれるの早かったな。
「思ったより他の試合が終わるの早かったな」
「そうっすね。さてさて、次のルールは何っすかねー!」
「何でしょうねー?さあ、サイコロを振りますよ」
ペルシュロンさんが再びサイコロを振る。出てきた目は三だ!
「サイコロの目は三!つまり代表戦となります!各チーム代表者を一名選出して下さい!」
「えー、また代表戦かよ!しゃーないさっき話し合いしたし、今回は俺が行くぞ」
「ユウ先輩おなしゃーっす!じゃあノリ先輩!俺達はあっちに行くっすよー!」
「そうですね。それじゃあユウ先輩宜しくお願いしますね」
「ああ、すぐに終わらせる」
そう言ってユウ先輩は闘技場の中央に歩いていった。
相変わらず堂々としてるなー。相手の方も出てきたけど身体デカイな!下手したらホグジラさん並みじゃないか?
「おいおい、俺の相手はこんな小さい奴かよ!楽勝だな!ガハハハ!」
まじかよ、アイツユウ先輩を煽ってるよ!
いやー、無知って怖いねー!
「ユウ先輩、何か最近煽られる事増えたっすね」
「まあ、素性を知らなければそういう事もあるでしょう。ただし無知故の代償は払うでしょうけどね」
俺達がそんな話をしていたらユウ先輩がニコニコしながら審判に話しかける。
「すまない審判。この勝負は相手が再起不能や気絶したら勝ちでいいんだよな?」
「ええ、その認識で間違いありません」
「分かった。それじゃあ始めるか」
審判が二人から離れる。そして、二人の顔を交互に見た後、大きな声を上げる!
「それでは!試合開始!」
審判がそう声を出した途端、ユウ先輩が対戦相手に背を向けてこっちに歩いてくる。あー、これは・・・。
そんなユウ先輩に向かって審判が声をかける。
「お、おい。何処に行く。試合を放棄するのか?」
審判の声に対してユウ先輩答える。
「終わってるよ。アイツもう意識無いぞ」
そう言ってユウ先輩が対戦相手を指差す。その言葉を聞いて審判が慌てて対戦相手を確認する。確かにさっきから対戦相手はピクリともしない。
審判が対戦相手を確認すると気絶している。それを確認した審判が大声で叫ぶ。
「しょ、勝負あり!勝者冒険者チームアース代表者ユウ!」
審判がそう宣言すると凄い歓声がおきる!スゲーってユウ先輩に驚いていたり、何が起きたのか分からずにビックリしている反応もある。
まあ、初見でユウ先輩が何をしたのか分かる人はいないだろうな。
「いえ、どうやら何人かユウ先輩がした事を分かっているみたいですよ」
「えっ!マジッスか!ってかノリ先輩も俺の考えを読まないで欲しいっす」
「前から言っているでしょう。ダイは考えている事が顔に出ているんですよ。もう少しポーカーフェイスを身に着けた方がいいですよ」
「頑張るっす。それで、誰が分かってるっすか?」
「ペルシュロンさんは分かってるみたいですよ。驚いた顔をした後に拍手してましたから」
「へえー、流石十ニ守護獣っすね」
「ですね、おや?」
ノリ先輩が不思議そうな顔をしたと思ったら対戦相手の残り二人が騒ぎだした!
「ふ、ふざけるな!お前みたいな奴に兄貴が負ける訳がないだろ!何かインチキしたんだろ!」
「そ、そうだ!兄貴が簡単負ける訳がない!何をしたんだ!」
何と対戦チームがいちゃもんをつけてきた。これは面倒事になるなー。って思っていたら!
「アンタ達。静かにしなさい」
そう言ったのはペルシュロンさんだ。さっきまで運営席にいたのにいつの間にか闘技場の中央に降りてきている。いつの間に!!
「ぺ、ペルシュロン様!」
「やはりペルシュロン様もイカサマだと思って・・・」
「あら、アタシは静かにしろって言ったのよ?」
ペルシュロンさんがそう言った瞬間、圧力が跳ね上がった!それを受けた対戦相手のチームは萎縮する。
うへぇ、流石十ニ守護獣。圧力半端ないって!
「・・・ふぅ~、ねぇユウ。貴方がやった事を口頭で説明してあげて。まあ、それでも納得しないだろうけど」
「面倒くせえな。・・・顎を二発殴っただけだよ。殴った方法は秘密だよ。まだトーナメントは続くからな。手の内を晒したくない」
「ありがとね。二人共、彼の顎を確認してみなさい。アザが出来てるわよ」
ペルシュロンさんにそう言われて二人が代表者の元に見に行く。
「どうかしら、彼の顎にアザはあるかしら?」
「あ、あります。二つ」
「それが原因で彼は気絶してるのよ。分かった?彼は負けて、ユウが勝者よ」
「わ、分かりました」
「良かったわ、分かってくれて!もし、まだゴネるようなら彼じゃなくて、私が相手になってたわよ」
「ひっ!す、すみませんでしたー!」
対戦相手のチームは脱兎の如く逃げていった。
うわ、ペルシュロンさんおっかねーな。
そんなペルシュロンさんがユウ先輩に話しかける。
「ごめんなさいね。いらない手間をとらせて。さあ、どうぞ控え室に」
「すまねえな。それじゃ」
そう言ってユウ先輩がペルシュロンさんの横を通る時に、ペルシュロンさんがユウ先輩に何かを伝えている。その言葉を聞いたユウ先輩は手を上げてヒラヒラさせている。
何を言われたんだろ。考えているとユウ先輩が戻ってきた。そのまま控え室に戻った。
「いやー、やっぱりユウ先輩のアレは反則っすね」
「ですね、幻影を残して、ミラージュで姿を消して相手に殴りかかる。初見だと対応不能でしょうね」
「まあ、何人かにはバレてたけどな」
「そうなんっすね。所で帰り際にペルシュロンさんに何て言われたっすか?」
「ああ、あれか。たった一言だけだよ。優勝してねってな」
「うわー。確実に目をつけられたっすね」
「まあ、今更ですけどね。では、少し休憩しましょうか。次の戦いまでの短い時間ですけどね」
「賛成っす!」
こうして俺達は二回戦も勝てた。残り二試合。
俺達は無事に優勝出来るのか!まあ、今のままなら行けそうだけどな。今のままならだけど。
さあ、とっとと優勝して次の街を目指したいぜ。
はあ、次の対戦相手はどんな相手でどんなルールなんだろ。それだけは少し楽しみだ。




