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百十話

スプレグリーンに到着したら、何故かトーナメント大会に出場する事になった。そして、今日がトーナメント大会当日だ。

昨日は一日ゆっくり出来た!お陰で今日は朝から絶好調だ!

先ずはトーナメント大会の開会式だ!今、それが終わって第一試合が始まっている。ただ、俺達は控え室にいる為に試合は見れない。

今は順番を待っている。一チームごとに控え室があるから他のチームとは合わない。それは良い事だ。


「さてと、ルールの確認も出来たな。武器は何でもいいが相手に大怪我をさせてはならない。勿論、殺すのも駄目。魔法は使用可能。大まかなルールはこれくらいだったな」


「大体予想通りでしたね」


「うー!それにしても緊張するっす!ユウ先輩とノリ先輩は落ち着いてるっすね」


「だってお前、知り合いなんて殆どいないんだぞ?緊張なんてしないだろう?」


「そういうもんっすか?大勢の人の前に出るってだけでも緊張するっすよ」


「まあ、戦い始めたら緊張も忘れるでしょう」


「そうだなー。・・・おっと、そろそろ出番だな」


「へっ?何でそんな事が分かるっすか?」


「さっきデカイ歓声が聞こえてたろ?三回目だ。あの歓声は決着がついて、勝者を称える歓声だろうから、四戦目の俺達の出番って予想しただけだ」


ユウ先輩がそう話し終わった途端に、控え室にノックが聞こえた。


「失礼します。冒険者チームアース様。対戦時間となりましたので、こちらへお越し下さい」


「ユウ先輩の読み通りっすね。相変わらず怖いっすわ」


「おい、馬鹿言ってないでいくぞ!」


俺達は案内されて、闘技場の袖に着いた。今から大会か!ちょっと、いや、かなり緊張してる!


「では、今からアナウンスされますので、紹介されたら闘技場の中心に向かって下さい」


お辞儀をして案内してくれた人は去っていった。


「うー!緊張するっす!」


「まだ緊張してんのかよ。っと呼ばれたな」


「続いてー!今回急に大会に参加されたダークホースチーム!アースの入場だ!」


アナウンスされて俺達は闘技場の中心に向かって歩き出した。その瞬間凄い歓声が聞こえた!音で殴られたみたいな感覚になったのは初めてだ。


「なんと!この冒険者チームアースは、我らがカジノのオーナーでもあり、この街の十ニ守護獣でもあるペルシュロン様からの推薦で出場したチームだー!一体どんな戦いを見せてくれるのかー!」


おいおい、実況者がかなり煽ってくるな!何か対戦相手も何かこっちを睨んでるし!何でだよ!


「ペルシュロンさん。この街ではかなりの人気者ですね」


「あー、そいつに推薦されたから嫉妬されてんのか。ウケる」


「ユウ先輩、笑い事じゃないっすよ」


そんな事を話していると、実況者が話し始めた!


「さーて、今回の対戦ルールは!ペルシュロン様どうぞーー!」


そう言われてペルシュロンさんがサイコロを振った。えっ!サイコロ振るのペルシュロンさんかよ!なんて考えてたらサイコロが止まって、目を実況者が確認する。


「今回出た目は三だ!つまり、代表者一名によるタイマン対決だー!」


実況者がそう伝えると闘技場内が凄い歓声に包まれる!タイマンかー。ならユウ先輩に任せておけばいいだろ。そう思って、闘技場の端に行こうとしたらユウ先輩が俺の肩を掴んだ。


「何処にいこうというのかね?ダイ?」


「えっ?だって代表者ってユウ先輩っすよね?だからすみっコに行こうとしたっすけど?」


「いやいや、今回はお前に任すわ」


「へっ?何言ってるっすか?大事な初戦っすよ!負けたら終わりっすよ!」


「お前こそ何言ってるんだ?負けなきゃいいんだよ」


何言ってんだ?この人は!俺はノリ先輩の方を期待を込めて目線を送る!

俺の視線に気づいたノリ先輩は笑顔で顔をふるふる振っている。駄目って事か!


「・・・負けても怒んないで下さいっすよ!」


「安心しろ。そこら辺の有象無象に負けねーよ。それに負けても俺は怒んねーよ。俺はな!」


そう言ってユウ先輩は観客席のガーターさんを指をさした。あー、あそこにマシロやガーターさん達がいるのか。・・・ユウ先輩、よく見つけたな。これだけの人の中から。そうかー、負けたら情報が手に入らないからガーターさんから詰められるだろうなー。

しゃーない!ちょっと本気を出しますか!


「それでは!代表者前へ!」


審判に呼ばれて俺は闘技場の中心に向かう。武器はどうしようか?ここは初心に帰って槍でいくか!

俺は槍を出して、相手を待つ。相手はロングソードのイカツイ顔した男だった。


「貴様等があのペルシュロン様からの推薦だと!ふざけるなよ!俺だってあの方には話しかけられたことすらないのに!」


「いやー、こういうのってタイミングじゃないっすか?偶々っすよ」


「うるせー!お前等を倒して、俺達はペルシュロン様に褒めてもらうぞ!」


「あー、お手柔らかにお願いするっすねー」


「それでは!はじめー!!」


審判の開始の合図と共に相手がダッシュで詰めてきた!ロングソードを横から薙ぎ払ってきた!俺はそれを槍で受け流す。相手の体勢が少し崩れた所で、今度は俺が槍を薙ぎ払う。相手もロングソードで受けるが体勢が悪い!俺は腕に力を入れて相手を吹き飛ばす!

相手は少し吹っ飛んだが、踏ん張って倒れはしなかったが、驚いた顔でこっちを見ていた。


「・・・成程、ペルシュロン様が推薦する訳だ。俺の攻撃に反応するだけじゃなく反撃までするなんて!」


「へっ?あれぐらい対応出来るっすよ。それにこんな事も出来るっすよ!」


そう言って俺は魔力を集中させて、ギガントアームズを召喚する!そして、それを両腕に装備する!


「な、なんだそれは!」


「俺の魔力で作った物っすよ!まあ、土魔法の鎧とでも思って下さいっす!」


「し、審判!あれはアリなのか?」


そう言って対戦相手は審判に確認するが、審判は一瞬ペルシュロンさんの方を見ている。ペルシュロンさんが頷いているのを見てからコチラに伝える。


「あれはあの方の魔力で作った物なので何も問題ありません!試合続行です!」


「さてと、じゃあいくっすよー!」


俺はギガントアームズを相手に向かって殴りつける!しかし、俺の攻撃は外れた!このギガントアームズ、デカイだけど攻撃速度が遅いから避けられるんだよな!


「はっ!初めて見たからビックリしたが、デカイだけで攻撃速度は遅い!見かけだおしだな!」


「やっぱそうっすよね!でもこれならどうっすか?」


俺はギガントアームズの両腕で拳を作る!そして、腰を落として相手を見る。


「な、なんだ?何をするつもりだ!」


「くらえっす!ロケットパーンチ!」


俺はギガントアームズの右腕を相手に向かって飛ばす!

相手は驚いていたが右腕を避けた!しかし、急な攻撃だったから少し体勢が悪い!俺はそこに今度は左腕を飛ばす!ちょっと中心から左にずらして!

それを見た相手は避ける!右側に!


「舐めるなよ!当たるグワッ!!」


喋ってる最中に悪いけど槍で殴り飛ばす!相手は闘技場の壁にぶつかる!ちょっと力を入れすぎたかな?壁にめり込んでるよ。

それを見た審判が大声を上げる!


「勝負あり!勝者冒険者チームアース代表者ダイ!」


その瞬間大歓声がおこる!すげー!入場した時よりデケーわ!俺はその声援を受けながらユウ先輩達の方に向かう。すると、ユウ先輩が話しかけてくる。


「右腕を避けて体勢を崩した所に左腕で追撃。しかもワザと右側に隙間を与えて逃げる様にして、最後はそこに突っ込んでトドメか。よく出来てるシナリオじゃねーか」


「あざっす!でもこれユウ先輩には効かないっすよね?」


「そうですね。ユウ先輩なら右腕を避けずに砕きますよ。多分。もしくは跳ね返すでしょうね」


「そうっすよねー!っでビビって逃げたこっちがやられるってところっすね」


「ノーコメントで!とりあえず勝ったな!やるじゃねーか」


「えっ!ユウ先輩が素直に褒めてる!珍しいっす!」


「うるせー!とりあえず控え室に戻るぞ!」


そう言ってユウ先輩が控え室に向かって歩き出す。

とりあえず一回戦は突破出来た。残すは二回、勝てば優勝だ。もし、またタイマンなら次はノリ先輩か、ユウ先輩に出てもらおう。俺は頑張ったし!

あー、早くこんな事のない日本に還りたい。

久しぶりにゲームもしたいなー!



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