百九話
ヒバカリさんの情報を求めてスプレグリーンに到着してすぐに、この街の十ニ守護獣、ペルシュロンさんに会った俺達。
ひょんな事からヒバカリさんの情報を貰える可能性が
出てきた為に、ペルシュロンさんの主催する闘技場のトーナメントに参加する事になった。
果たしてどうなる事やら!
俺達、冒険者チームアースは宿屋に戻り、トーナメントについて話し合いをする事にした。
「さてと、トーナメントか。どうするかな?」
「とりあえず、優勝をするしかありませんね。ガーターさんの為にも」
「しっかし、ガーターさん嫁がいたんっすね。知らなかったっすね」
「まあ、俺達もアイツ等の事を詳しくは聞いてなかったからな。まあ、それは置いといて。とりあえず今からどうするか?」
「なら、私はトーナメントの情報を集めてきますよ。対戦者やどんなルールなのかも確認しときますね」
「俺はどうしようっすかね?」
「・・・とりま全員でカジノにいかないか?」
「ユウ先輩、今は遊んでいる場合では無いですよ?」
「ちげーよ。闘技場もカジノにあるんだろ。なら見学がてら行ってみてもいいんじゃないか?」
「・・・それもそうっすね。正直、この世界のカジノも見てみたかったっすから」
「ええ、じゃあ皆で行ってみましょう。カジノへ」
そうして俺達はカジノに出向く事にした。宿屋を出てカジノに向かって歩く。カジノは街の中心にある。
近くで見ると本当にデカイな。
「さて、勢いで来たけど入れるかな?」
「どうでしょうね?とりあえず行ってみましょう」
俺達はカジノの入口に向かって歩き出す。
入口には黒服の男達が立っている。その男達にユウ先輩が話しかける。
「すまない、カジノに入りたいのだがいいか?」
「勿論です。ただ・・・」
「ただ?」
「ここは大人の社交場でございます。そちらのお嬢様には少し早いと思いますので・・・」
「私は入れないのですか!」
マシロが悲しそうな顔でこっちを見ている。どうしようかと考えていたら、ユウ先輩が閃いたみたいな顔でマシロに話しかける。
「マシロ、あのペンダントを見せてやれ。それで入れるハズだ」
「ペンダント?ああ、コレですか?」
マシロが首からかけていたペンダントを、黒服の男達に見せた。最初、黒服達は訝しげにペンダントを見ていたが、確認した瞬間ビックリした顔をして何度も確認している。
「お、お嬢様。このペンダントはどうされたのですか!」
「それはペルシュロン姉さんに貰った物です!」
「ぺ、ペルシュロン様から!し、失礼しました!どうぞお入り下さい!!」
「おー、スゲーな。本当に顔パスじゃん」
「マシロ、良かったっすね!今度ペルシュロンさんに会ったらお礼を言わないとっすね」
「ハイ!」
「それでは皆様。どうぞごゆっくりお楽しみ下さい」
俺達はカジノの中に入った。
カジノの中は豪華な部屋で沢山の人達で溢れていた。
あれはルーレットか?カードゲームもある。それにあれはビンゴゲームか?何かこのカジノ。もしかして・・・
「俺等以外にも召喚された奴がいたってことだろうな」
「今もいるっすかね?」
「どうでしょう?それは今度ペルシュロンさんに会ったら聞いてみましょう」
「とりあえず闘技場を見てみようぜ。他の出場者の情報も入るかもしれないしな」
ユウ先輩がカジノスタッフに場所を聞いている。
場所を確認したユウ先輩の案内で俺達はカジノの中心にある闘技場に着いた。
「ここかー、カジノの中にあるにしてはデカイな」
「広いっすね。しかも何か試合してませんか?」
「・・・どうやら賭け試合見たいですね。どちらかが再起不能で試合終了ですって」
「ふーん。まあ、どうでもいいや。それでトーナメントについては誰に聞けばいいかな?」
「あそこにいるスタッフに聞いてみましょう」
俺達は受付にいるスタッフの所に向かった。近くに寄ると笑顔のスタッフが話しかけてきてくれた。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご要件でしょうか?」
「すまないな。実は二日後に行われるトーナメント大会について聞きたいんだが大丈夫か?」
「勿論です。では先ずはコチラをご覧下さい」
そう言ってスタッフの人がトーナメント表を出して見せてくれた。
「こちらのトーナメントは今朝ブロック分けが終わったのですが、実は一チーム出場出来なくなったのです。ですが、先程オーナーから穴埋めが決まったと報告がありまして、こちらが完成したトーナメント表です」
トーナメント表を見てみると最後の第八試合に、冒険者チームアースと書かれている。俺達の試合は第一試合の最後か。
「ちなみに、このトーナメントは勝負を賭けたり出来るのでしょうか?」
「勿論です。一試合事に賭けたり、優勝チームを予想して賭けたり出来ますよ」
「へえー、ちなみにトーナメントに出場しているチームでも賭けれるのか?」
「えっとすいません。出場している人は賭ける事は出来ません。八百長になるかもしれませんから」
「そりゃそっか。じゃあ、今一番人気のチームは何処チームなんだ?」
「只今の一番人気のチームは第一試合一回戦に出場しているスレイプニル!この街の十ニ守護獣であり、カジノのオーナーでもあるペルシュロン様の所属するチームです」
「へー、ペルシュロン様も出るのか?」
「いえいえ、あの方が出場してしまったら賭けになりませんから。スレイプニルは大型のチームなので、その中でも期待の新人、三人が出場しています」
「そうなんっすね。他の期待出来るチームはどれっすか?」
「そうですね。二番人気のアリーオーンや、最近力をつけて来ているグルトップなどですね」
「・・・今日追加されたこの冒険者チームアースって所はどうなんだ?」
「それが殆ど情報が無いんです。先程オーナーから知らされたので、本大会のダークホース枠ですね」
「ふーん。そう言えば大会のルールってどうなってるんだ?」
「トーナメント大会のルールは、三人対三人のチーム戦です。殺しは絶対に駄目です。そして対戦ルールなのですが、対戦前まで分かりません」
「対戦前まで分からない?どういう事だ?」
「このトーナメント大会では対戦前にサイコロを振ってルールを決めます。ルールは三つ。総当たり、
勝ち抜け、代表戦です」
「総当たりは三人対三人で戦うって事っすね」
「勝ち抜けは一対一で戦って、勝てば次の相手と戦う。三人倒せば勝ちって事ですね」
「代表戦は代表者のタイマンで、チームの勝ち負けが決まるって事か」
「そうです。対戦相手が再起不能になると勝ちです。そしてトーナメント大会で優勝するとペルシュロン様から豪華景品が渡されるそうです!」
「豪華景品って何っすか?」
「それは、優勝してからのお楽しみだそうです」
「成程な。大体分かったわ。ありがとうな」
「いえ、この後もどうぞお楽しみ下さい」
俺達は受付の人にお礼を言って、その場を後にした。
「思ってたよりマトモな大会だな」
「そうっすね。しかし、賭けまでしてるって、流石カジノっすね」
「賭けか。・・・そうだ!マシロ!」
「はい、何ですか師匠?」
「ちょっとついて来い!ダイとノリは少し待っててくれ」
ユウ先輩とマシロがさっきの案内所に戻っていった。
何をするんだろ?
「ユウ先輩、何するっすかね?」
「多分、マシロに私達のチームに賭けさせているのでしょう」
「あー、それっすか。って事はユウ先輩トーナメント勝ちにいくって事っすか?」
「でしょうね」
「珍しいっすね。俺はてっきり一回戦で負けようぜって言うのかと思ってたっすよ」
「最初はそうだったのでしょうけど、ヒバカリさんの情報が手に入るかもしれませんからね」
「あのユウ先輩が人の為に頑張るなんて!俺は感動したっす!」
「俺が人の為に頑張るのは可笑しいか?」
「当たり前じゃないっすか!あの傍若無人で優しさの欠片もない男じゃないっすか?」
俺が喋りながら振り向くとそこには笑顔のユウ先輩が立っていた。あれ?もしかして聞かれてた?俺、もしかしてヤバイ?
「そうか、そうか。お前の考えはよーく分かった。なら優しさの欠片も無い俺がお前に攻撃しても可怪しくはないな?」
「い、いやーちょっと待って下さいユウ先輩!落ち着いて下さいっす!タンマ!タンマっす!」
「やかましい!コレでもくらえ!」
俺はユウ先輩に転がされた!うつ伏せの俺の両ひざの裏に乗り、両脚をロック。そのまま両腕を引きながら後ろに倒れ込み、仰向けの体勢で吊り上げられた!コレは!!
「くらえロメロスペシャル!」
「ギャーー!ギブ!ギブっす!」
そんな俺達の様子を見ながらノリ先輩が話しかけてくる。
「ユウ先輩、ダイ。じゃれ合うのは程々にして下さい。そろそろスタッフに止められますよ」
「ちょ!ノリ先輩!真面目に止めて下さいっす!痛い!ってか折れる!勘弁して下さいっすー!」
俺の叫び声に何故か周りにギャラリーが出来、俺は見世物になってしまった!なんてこったい!
しかし、トーナメントのルールや少しだが対戦相手の情報も手に入った。しかし、豪華景品ってなんだろ?
俺達は無事にトーナメントを優勝できるのか!
次回トーナメント初戦!やーってやるぜ!




