百八話
ペルシュロンさんのお陰で面倒事に絡まれなかった。
しかし、オネエ口調の男だよな?オカマって事だよな?この世界に来てから初めて見た。しかもデカイ!
ただ、ホグジラさんみたいに縦も横もデカイのでは無く、身長だけ高い!二メートル近くあるな。アレ!
そんな事を考えていたら、ペルシュロンさんが話しかけてきた。
「それで、私貴方達を初めて見たのだけど何時からこの街にいるの?」
「今日初めて来たんだよ。俺達はな!」
「私とマンバは二回目ですけどね」
「ふ〜ん。あら、貴方達、ヨルムンガンドのメンバーよね?あと二人いなかったかしら?」
「一人は後で来ます。もう一人は・・・」
「あ〜、ヒバカリちゃん。まだ見つかってないのね。大変ね〜」
「!!!何故貴方が知っているのですか?!!」
「噂になってるのよ。ヒバカリちゃんが行方不明で、それを探してるヨルムンガンドのメンバーってね。貴方達がいるって事は噂は本当らしいわね」
「よく知ってるな」
「この街はこの大陸で一番華やかな街よ。人が集まればそれだけ情報も集まる。そういう事よ」
「成程な」
マシロがじ~っとペルシュロンさんを見ている。その視線に気づいてペルシュロンさんがマシロに話しかける。
「あら、お嬢ちゃん。私の顔に何か付いてる?」
「えっと、貴方は男の人?それとも女の人?」
その質問にペルシュロンさんはビックリした後、笑い出した。
「あっはは、そうね。私は身体は男。心は乙女よ。つまりどちらでもあるの」
「へえー!凄いですね!」
マシロがキラキラした目でペルシュロンさんを見る!それを見て更にペルシュロンさんがビックリする。
「貴方、とても素直ないい子ね。良いご両親に育てられたのね」
その言葉を聞いた瞬間、マシロが凄く悲しい顔をした。その顔を見たペルシュロンさんが慌てている。
ワタワタしながらペルシュロンさんがコチラを見る。それを見てユウ先輩が口を開く。
「マシロは、小さい頃に親に捨てられたんだ。つい最近まで孤児院で過ごしてた」
その言葉を聞いた瞬間、ペルシュロンさんがとても悲しそうな顔をしてマシロを抱きしめた。
「ご、ごめんなさいねお嬢ちゃん!そんな事とは知らずにアタシったら!本当にごめんなさい!」
「・・・大丈夫です。昔は辛かったですけど、今は師匠達ととても楽しく過ごしてます!友達も沢山できたんですよ!」
その言葉を聞いて俺はとても優しい気持ちになった。
ユウ先輩なんて天井を向いている。あれ、涙が落ちないようにしているな。ノリ先輩も目頭を押さえている。
ペルシュロンさんは抱きしめたマシロに話しかけている。
「お嬢ちゃん強いのね。そして、いい人達に会えて良かったわね」
「はい!」
「それじゃあ、お嬢ちゃんには良い物をあげるわ。えっとお名前は何て言うの?」
「マシロです!」
「マシロちゃんね。このペンダントをあげるわ。私がした失言に対するお礼と、貴方の強く、優しい気持ちに感動したお礼よ」
ペルシュロンさんはマシロにペンダントを渡そうとしている。マシロはどうしたらいいか分からないのか、ユウ先輩の方を見ている。するとユウ先輩が、
「貰っておけマシロ。コレはペルシュロンの感謝の気持ちだ。きちんとお礼を言いなさい」
「は、ハイ!ありがとうございますペルシュロンさん!」
「きちんとお礼も言えるのね。偉いわ。このペンダントにはね、私の紋章があるの。コレがあればこの街で困る事はないわ。何かあったら、見せれば大体解決するわ」
「おいおい、アンタこの街でそんな権力者なのか?」
「あら、言ってなかったかしら。アタシこの街の十ニ守護獣なの。そして、この街のカジノのオーナーでもあるのよ」
「げっ!アンタが十ニ守護獣なのか!しかもカジノのオーナーでもあんのかよ。それでいてオカマって属性盛りすぎだろ」
「あら、オカマがオーナーしちゃ駄目なの?」
ペルシュロンさん笑顔だけど、目が笑ってないな。
そんなペルシュロンさんの言葉を聞いて喜んでいるのはただ一人。マシロだ。
「えっ!ペルシュロン姉さん、十ニ守護獣なの!すっごーい!」
「あら、そうマシロちゃん?」
「凄いですよ!更にカジノのオーナーもしてるなんて凄いです!」
「あらあら、ありがとうねマシロちゃん。もし、時間があるなら一度カジノに来てみてね。私が色々案内してあげるわ」
マシロを抱えながらクルクル回るペルシュロンさん。その様子を見ながら、何か考えていたガーターさんが口を開く。
「ペルシュロンさん。一つよろしいですか?」
「あら、なーに?ガーターちゃん?」
「貴方はさっき言いましたよね。私の元には様々な情報が入ってくると」
「ええ、言ったわね」
「つまり、貴方は今ヒバカリが何処にいるのかを知っているのですか?」
「・・・さーて、どうかしらね?」
「何か知っているのなら教えていただけませんか?勿論報酬は払いますので!」
「アタシお金には興味ないのよねー」
「なら何をお支払いすれば情報をいただけますか!」
「そうねぇ。・・・ねえ、マシロちゃん。お師匠さん達って強いの?」
「勿論です!」
「そう、なら貴方達。闘技場に出てみない?そこでトーナメントで優勝したら教えてあげるわ」
「闘技場のトーナメント?なんだそれ?」
「三人一組のチームで、全部で十六チームのトーナメントをするのだけど、予定していた一つのチームが出れなくなったのよ。そのチームの代わりに出て優勝したら良い情報を教えるわ。どうかしら?」
「はぁー、そんな面倒事・・・」
「いいでしょう!出ます!」
ユウ先輩が断ろうとするおガーターさんが答えた!それを聞いてユウ先輩が口をあんぐりと開けて驚いている。
「ふふふ、交渉成立ね。貴方達のチーム名は何て言うの?」
「冒険者チームアースです!」
「アースね。じゃあ登録しておくわ。大会は二日後よ。朝からカジノに来てね。待ってるわよ。それじゃあねマシロちゃん。また会いましょう」
そう言ってペルシュロンさんは去っていった。その、後ろ姿を見ていたらユウ先輩がガーターさんに言い寄っている。
「おい、ガーター!何勝手に決めてんだよ!」
「す、すいません。今まで何の情報もないヒバカリの情報が手に入ると思ったら、どうしても出てもらいたくて!」
「馬鹿野郎!商人が焦るな!本当にアイツが情報を持っているか分からないだろ!」
「そ、それは・・・」
「まあまあ、ユウ先輩。少し落ち着きましょう」
「しかし、ノリ!」
「もう、出ることは決まったので。その対策を考えましょう」
「ちっ、分かったよ!だけどな、ガーター!今回の落とし前はつけてもらうぞ!」
「・・・分かっていますよ」
「何か、ガーターさんらしくないっすね。いつもはもっと冷静なのに」
「まあ、しゃーねだろうな」
「何か知ってるっすか?マンバさん」
「あー、コレは言って無かったけど、ヒバカリはガーターの嫁なんだわ」
「はっ、えっ!嫁っすか!そりゃあ、情報は死ぬ程欲しいっすよね」
「ああ、此処まで何も情報が無かったのに、急に情報が入るかもしれないと思ったら、そりゃ冷静には慣れないわな」
「あー、そう言う情報は先に欲しかったすね。そうすりゃユウ先輩もあそこまで怒らなかったと思うっすよ」
「あはは、悪かったな。後で、ユウとノリにも伝えておいてくれよ。俺はガーターと少し飲んでから宿屋に帰るわ」
「了解っす!ゆっくりしてきて下さいっす!」
その後、マンバさんがガーターさんを連れて出て行った。俺はさっき聞いた情報をユウ先輩とノリ先輩に伝えた。二人共ビックリしてたな。
しかし、闘技場のトーナメント大会か。一体どんな奴等が出てくるんだろ。
そして俺達は優勝出来るだろうか?
ってか早く還る為のアイテムゲットしたい!
日本に還るまであとどれくらいかかるんだろうなー。




