百四話
レッキスさんの家でゆっくりしていたら、恐ろしい情報がポーリッシュさんとマシロから告げられた。
あの、破壊神と呼ばれた、傍若無人の塊のユウ先輩が誘拐されたというのだ!本当に?
「えっと、ポーリッシュさん、それにマシロ?もう一回言って下さいっす」
「ですから、ユウさんが誘拐されました!」
「マシロ、本当っすか?」
「本当です。師匠は私達の代わりに誘拐されました!」
「とりあえず詳しい話は家の中でしましょう」
「あと、そろそろノリ先輩達が帰ってくるっすからそれから話そうっす。マシロとポーリッシュさんはちょっと休むっす!」
「わ、分かりました」
「ポーリッシュお姉ちゃん、少し休みましょう」
さてと、どうやらユウ先輩が誘拐されたのは本当らしい。なら、誘拐犯の目的は何だ?もしかして・・・!
「何か分かったの?」
「いや、まだ何も分からないっす。とりあえずノリ先輩達を待ちましょうっす」
マシロ達が帰ってきて少しして、ノリ先輩達が帰ってきた。部屋で休んでいるマシロ達をレッキスさんが呼びに行っている間に、俺はノリ先輩に話かける。
「ノリ先輩、めっちゃ面白い話があるっすけど聞くっすか?」
「何です?ダイがそんな事を言うのは珍しいですね」
「いやー、マジで面白いっすよ!」
「分かりましたから、一体何なんです?私は普通の事では笑いませんよ」
そう言いながらお茶を飲むノリ先輩。俺はそのノリ先輩に一言伝える。
「・・・ユウ先輩が誘拐されました」
ブゥーーー!!
ノリ先輩が盛大にお茶を吹き出した!そりゃそうか、こんな事を言われたら俺でもお茶を吹き出すわ。
「ゲホッ、ゴホッ、ダ、ダイ何を言ってるのですか?」
「俺も初めはそう思ったっすけど、どうやらマジでそうらしいっすよ」
「あのユウ先輩が誘拐された?誘拐したの間違いじゃないのですか?」
「誘拐されたがマジらしいっすよ。それを今からマシロとポーリッシュさんが話してくれるらしいっすから」
「そうですか。しかし、犯人は何を考えいるのでしょうか?」
「さあ、本当に分からないっすよね」
そんな俺とノリ先輩の会話を聞いてモイラさんが慌てた様子で話しかけてきた!
「ちょ、ちょっと二人共!何でそんなに落ち着いているのですか!ユウさんが誘拐されたのですよ!」
「そうっすよ?だから落ち着いているっすよ」
「あのユウ先輩ですからね。犯人が無事だといいのですけど」
「いや、犯人ではなくユウさんの心配をしないのですか?」
「??何でユウ先輩の心配をするっすか??」
「いや、何でって!誘拐されたんですよね?」
「そうっすね」
「心配するでしょう!」
「いや、だって誘拐されたのがユウ先輩っすよ?あの俺の魔力で作った硬い大岩を一撃で破壊したユウ先輩っすよ?」
「そ、それは」
「今まで、どの街に行っても問題を起こしては解決していったユウ先輩ですよ?今回も問題ありませんよ。むしろ・・・」
「むしろ?」
「誘拐した原因が何かですね。私達は昨日、初めてこの街に来ました。誘拐される動機が無いのですよ」
「確かに!」
「まあ、その辺はポーリッシュさんに聞いてみましょうか?来たみたいですし」
ノリ先輩の言葉の後にマシロとポーリッシュさん、それにレッキスさんも入って来た。
それぞれ席に座るとノリ先輩がポーリッシュさんに話しかけた。
「それで、ユウ先輩が誘拐されたとの事ですが、一体何があったのです?」
「えっと、昼間にマシロとユウさんと街で買い物をしていたら急に襲われました」
「犯人を見たっすか?知ってる奴っすか?」
「いえ、全然知らない人達でした。でも、その人達はユウさんがあっという間に倒したんです!」
「師匠、強かったです!」
「あれ?ユウ先輩が犯人達を倒したなら誘拐されてなくないっすか?」
「いえ、問題はその直後でした。どっからか糸の様な物が飛んできて私を捕まえようとしたんですが・・・」
「師匠が身代わりになって捕まったんです!」
「その糸にユウさんが引っ張られてる最中に私とマシロちゃんは逃げられたんです」
「成程、つまり犯人の目的はユウ先輩ではなくポーリッシュさんだった訳か」
「それで、マシロ。ユウ先輩、引っ張られながら何か言ってなかったっすか?」
「そう言えば!「お前達は家に戻れ!後は俺に任せとけ」って言ってました!」
「って事はユウ先輩、ワザと捕まった可能性がありますね」
「ワザと?何の為に?」
「そりゃあ決まってるっす!」
「決まってる?」
「犯人を捕まえる。もしくは犯人の目的を調べる為でしょうね。まあユウ先輩は傲慢なので二つ共をやるつもりかもしれませんね」
「それでこれからどうするかって事すけど、どうやら向こうから来てくれたっすね!」
「へっ?来てくれたってどういう・・・」
「おいコラ!レッキスはいるか!出てこいや!」
家の入口でデカイ声を出してる奴がいる。このタイミングで来るのなら、あれは多分誘拐犯の仲間だろう。
「ど、どうしましょう!」
「なら、俺とモイラさんと一緒に出迎えるっす。マシロはポーリッシュさんとガーターさんと一緒にいて下さいっす。ノリ先輩とマンバさんは遊撃でお願いするっす!」
「ダイにしてはまともな布陣ですね。では、アイツの対応はお願いしますね」
そう言ってノリ先輩とマンバさんは出て行った。さてと、俺も少し頑張らないとな!
俺とモイラさん、そしてレッキスさんは家の入口で叫んでいる男の元へ向かって歩く。その途中でレッキスさんに話しかける。
「ちなみにレッキスさん。あの男に見覚えはあるっすか?」
「・・・いいえ。見たことありません」
「そうっすか。じゃあ、本人に聞いてみるっすね。あ、モイラさんはレッキスさんの護衛メインでお願いするっす!」
「分かりました。レッキスさんには指一本触れさせません」
「じゃあ、話しを聞きに行くっすよ!さてと、どうなるっすかねー?」
俺達は家の入口の男の元に辿り着いた。俺達を見た瞬間、男は怒鳴り初めた!
「おっせーぞ!レッキス!俺を待たせるんじゃねーよ!」
「それはごめんなさいね。急な訪問だったので。それで貴方は誰?」
「なーにー!お前俺が誰だか分からないのか?本当に?」
「ええ、ごめんなさいね。私、発明以外どうでもいい事は覚えてないのよ」
「くそ!どうしょうもない女だな!俺はタン様の助手の一人だよ」
「ええ!タンですって!」
「知っているのかレッキス!」
「・・・いいえ、覚えてないわ」
「いや、知らんのかーい!」
「聞いたことがある様な、無いような?」
「え、本気か?レッキスよ!本気で分からないのかタン様が!」
「ごめんなさい。誰?タンって?」
「まじかよ!お前本当に魔道具の発明以外ポンコツだな!タン様は去年お前と魔道具大会の決勝で戦った男だよ!思い出せ!」
「・・・あー!あのタンね。分かったわ!思い出した!」
「本当か?本当に思い出したのか?・・・まあいい。タン様からの伝言を伝えるぞ。「お前の仲間は預かった。返して欲しければ明日の大会用の魔道具を俺の屋敷に持ってこい」だそうだ!どうするレッキス!」
レッキスさんは俺の方を見る!それを見て俺が答える!
「分かったっす。魔道具を持ってくるから少し待ってて下さいっす!」
俺達は屋敷に戻りながら話し始める。
「どうするのですダイ?本当に魔道具を渡すのですか?」
「えっ?渡す訳ないじゃないっすか」
「で、でもそれだとユウさんが!」
「ユウ先輩なら心配いらないっすよ。今頃アイツ等の拠点を壊滅させてるんじゃないっすかね?」
「じゃ、じゃあ今からどうします?」
「適当な魔道具を持っていって、アイツにタンの所に案内してもらおうっす!っでユウ先輩と合流するっす!」
「わ、分かったわ!ちょっと待ってて!」
レッキスさんが魔道具を持ってきたら、男の案内でタンの屋敷に向かって歩いた。十分ぐらい歩いたら屋敷に着いたら驚いた!屋敷が半壊しており、燃えている!更に屋敷の広場の様な所に二人の影が見える!一人はユウ先輩!もう一人は見たことのない人だ!しかし、持ってる武器がエグいな!あれはデスサイズか?
案内した男は屋敷の現状にめちゃくちゃ驚いている!
「な、な、な!なんじゃこりゃー!」
燃える屋敷の中で向かい合う二人!
ユウ先輩と対峙しているデスサイズの相手は、果たして敵か、味方か?
しかし、還る為のアイテムをゲットするまでに、あと何回俺達はトラブルに巻き込まれるのか!
はあー、そろそろトラブル無く日本に還りたい!




