百二話
さて、大雨も過ぎ去って、本日は晴天なり!
いい天気だ!空気がうまい!
「いや、ダイ。空気に味なんてないだろ?」
「そこは気分なんで突っ込まないで欲しいっす」
「しかし、昨日の大雨が嘘みたいに晴れてるな!」
「それで、ポーリッシュさんとマシロちゃんはどうしたのですか?」
「さっき、声かけしてるっすから、そろそろ出て来るはずっすよ」
「すみませーん!お待たせしましたー!」
「お待たせしましたー!」
マシロとポーリッシュさんが家から出てきた。これで全員出てきたな!それじゃあ!
俺は家を破壊して、土に還す!こうすれば、此処に家があったとは誰も分かるまい!
その様子を見ていたポーリッシュさんはビックリした顔をしていた。
「ほ、本当に壊すんですね。ちょっと勿体ない感じしますね」
「まあ、簡単に作れるっすから、勿体なくないっすよ!」
「そ、そうなんですね」
「おっし!じゃあ行くぞ!」
ユウ先輩の掛け声で俺達は出発した!道中何も問題無く、目的地のヴィサスブルーに到着した!
ってか人が多いな!
「何か、人が多いな。何かあるのか?」
「そうか、ユウ先輩昨日の話聞いて無かったっすね」
「昨日の話?何だ、何があるんだ?」
「魔道具大会があるんですよ!街一番の職人を決める大会が!」
「・・・へえー。嫌な予感がした奴!挙手!」
ユウ先輩の掛け声で俺達は、ポーリッシュさんを除いて全員手を上げた。
「えっ、えっ、えっ!何で皆さん手を上げているんですか!」
「まあ、気にすんな。とりあえずポーリッシュ、宿屋を紹介してくれないか?」
「いいですけど、今の時期、宿屋は厳しいかもしれませんね」
「ん?どういう事だ?」
「見てもらった方が早いと思います。ついて来て下さい」
俺達はポーリッシュさんの案内でおすすめの宿屋に向かった。宿屋について分かった。ポーリッシュさんが言っていた意味が!
「こりゃあ酷い!」
「めちゃくちゃ混んでるっすねー!」
「毎年そうなんです。魔道具大会は大勢の人や商人が集まるので、宿屋は満員御礼なんですよね」
「おいおい、どーする?一応他の宿屋もみてみるか?」
「じゃあ、何店舗か案内しますね」
その後、俺達は五店舗の宿屋を回ったが全て満員御礼!こりゃ駄目だな。
「仕方ねえ。外に出て野宿でもするか。皆それでいいか?」
「俺は問題無いっすよ!」
「私達も問題ありません。むしろダイの家の方が過ごしやすいですしね」
「確かに。まあ、あれを野宿と言っていいか、わからんがな」
「おいおい、野外で宿をとるんだから野宿だろ。何を言ってんだ」
「そうなんだが、そうじゃあねーんだよなー!」
「まあいい。とりあえず行こうぜ。色々サンキューなポーリッシュ!」
俺達がポーリッシュさんと別れて動こうとするとポーリッシュさんが声をかけてきた!
「あの、もし良かったら私の家に来ませんか!昨日泊めて貰いましたし、お礼と言うことで!」
「別に気にすんな。大したもてなしもしてないしな」
「気にするわよ!それにマシロちゃんともう少しお話ししたいし!私の家は広いから!庭にあの家を建ててもいいし!来てよー!」
「ちょ!大声で暴れるな!ど、どうする?」
「師匠!私、ポーリッシュお姉ちゃんの家に行ってみたいです!・・・ダメですか?」
マシロがお願い攻撃を仕掛けてきた!
ユウ先輩に効果は抜群だ!ユウ先輩は折れた。
「分かった、分かった。案内を頼むポーリッシュ」
その言葉を聞いたポーリッシュさんとマシロが喜んでいる。相変わらずマシロに弱いなー。ユウ先輩は!
「成程、ユウの弱点はマシロちゃんなんですね」
「そうなんすよ。けど、マシロに手を出したら駄目っすよ。そんな事したらユウ先輩だけじゃなくて俺達も敵になるっすから」
「ええ、そうですね」
「いやはや、マシロちゃんは愛されてるねぇ〜」
「おい、お前等行くぞ。ポーリッシュ達を見失うぞ」
「了解っす!今、行くっすよ」
俺達はポーリッシュさんの後について行く。少し街中から離れた大きな屋敷が見えて来たが、もしかしてあれか?
「お、おい。ポーリッシュ、お前の家ってこのデカイ屋敷か?」
「そうですよー!去年お姉ちゃんが魔道具大会で優勝したらこの家を貰ったんです!」
「スゲーな。そう言えばお前の家族に挨拶しないとな」
「今はお姉ちゃんしかいないです」
「・・・親御さんは?」
「・・・私の小さい頃に亡くなっています」
「そうか、すまないな。無神経な事を言った」
そう言ってユウ先輩は頭を下げた。
「い、いいですよ!もう昔の事なんで!それにお姉ちゃんがいますから!頭を上げて下さい!」
「ありがとうな。それじゃあポーリッシュのお姉さんに挨拶しないとな」
「はい!先ずは家の中にどうぞ!」
俺達は応接間に通された。少し待っていると、ポーリッシュともう一人女性が現れた。
「お姉ちゃん!この人達だよ!私を助けてくれたのは!」
「分かったから落ち着きなさい。キチンと挨拶するから」
ポーリッシュさんに手を引かれながら現れた女性はポーリッシュさんのお姉さんだろ。白衣を着てる綺麗なお姉さんって感じだな!眼鏡がよく似合っている!
「皆様、妹がお世話になりました。私、ポーリッシュの姉のレッキスです。よろしくお願いします」
レッキスさんの挨拶の後、ユウ先輩が立ち上がり、挨拶を行う。
「私達は冒険者チームアースとヨルムンガンドです今回は急な訪問に対応していただきありがとうございます」
おー、ユウ先輩が真面目に対応している。中々ないぞ!しかし、レッキスさん。何かじ~っと俺達を見ているな?何か気になるのか?
「ふーむ、凄いな君達は!これ程の魔力量!私の妹より多いのは初めて見たよ!」
へっ?急に何を言っているんだこの人?魔力量ってどうやって?・・・もしかして?
「その眼鏡っすか?魔力鑑定してるのは?」
ピクッ!とレッキスさんが反応した後、俺の方を向いて微笑む。
「よく気づいたね。この眼鏡は私の作った特注品でね。魔力量を大まかに判別出来る様になっているのさ」
「凄いな!けど、ステータスを見れば一目瞭然じゃないのか?」
「そうなんだが、初対面で見せてくれる奴は少ないだろう。これなら相手に気づかれる事なく、大体の予想が出来るのだ!」
「大体ってことは正確では無いっすか?どんな風に見えてるっすか?」
「そうですね、この眼鏡で対象を見るとオーラが見えます。そのオーラの大きさが魔力量ですね」
「あー、だから大体なんっすね。細かい数値は出ないって事っすか!」
「そうです。まだまだ改良の余地ありですね」
「改良するの面白そうっすね。ちなみにこの中で一番魔力量が多そうなのって誰っすか?」
「そうですね。・・・貴方ですね」
そう言ってレッキスさんが指を指したのは、なんと俺だった!・・・俺?チラッとユウ先輩とノリ先輩を見てみると少しニヤニヤしてる!あの人達!何かやったな!
「私の妹、ポーリッシュは魔力量は普通の人より多いのですが貴方はそれ以上ですね。ダイでしたか?凄いですね」
「い、いやー!そんな事ないっすよー!」
「謙遜しなくてもいいわよ。それで妹から聞いたけど泊まる場所が無いらしいわね。良いわよ。この屋敷部屋なら余っているし」
「すまないな。助かる!」
「大丈夫よ。こんな大きな屋敷に二人しかいないし、それに私の妹がマシロちゃんでしたっけ?その子と友達だからどうしても泊めたいって言ってきたのよ。姉として妹のお願いくらい叶えてあげたいもの」
「そうか。改めてありがとうな」
「それじゃあポーリッシュ。部屋に案内してあげて!私は大会に向けて部屋で色々やっているから、何かあったら言ってね」
そう言ってレッキスさんが部屋を出ていった。
その後ポーリッシュさんに部屋に案内された。広い部屋を一人で使わせて貰っている。かなりいい部屋だ!
コレは何か御返ししないといけないな!
魔道具大会か。見てみたいが本来の目的のヒバカリさ捜索もやらないとな!
日本に還る為にも頑張らないとな!
・・・偶には何事も無く過ごしたいな!




