百一話
大雨が降ってきたため、俺が土魔法で家を作った。
そんな家に来訪者が現れた。一体誰なのか?
「はーい。少し待ってて下さいー!」
マシロが女性の声に答える。とりあえず出てみるらしい。俺達はどうしようか?
「お前等はこのまま此処にいてくれ。ダイとマシロはついて来い」
「分かりました師匠」
「俺もっすか?何で?」
「念の為だよ。いくぞ!」
俺とユウ先輩、そしてマシロで来訪者の元へと向かった。
「はいよー。お待たせ!どちら様だい?」
そう言いながらユウ先輩は玄関を開けた。
玄関の前にいたのはびしょ濡れの女性だった。女性は俺達を見て話始めた。
「突然の訪問すみません。急に大雨になって困ってしまって、少し雨宿りさせていただけたらと思いまして」
女性は困り顔でそう言ってきた。あー、確かに急に降ってきたからな。ユウ先輩の方を見ると頷いている。
「そうっすかー、いきなり降ってきたっすからね。どうぞ。あっ、すみません。靴はそこで脱いで下さいっす」
女性は靴を脱いで家に上がる。廊下を歩きながらお礼を言ってきた。
「すみません助かりました。まさかこんな大雨になるなんて思わなかったので」
「急に降ってきましたからね。しかし、よくこの家に着けましたね。結構街道から外れにあるのですが?」
ユウ先輩が探りながら聞いている。
「実は、先程大きな魔力の発動を感じまして、気になって見に行こうしたら雨が降り出して、偶然この家を発見したのです」
「そうでしたか。おっと、そのままびしょ濡れだと風邪を引いてしまいますよ。マシロ、風呂場に案内してあげて下さい」
「了解です!師匠!」
「師匠?えっと、失礼ですが貴方達のご関係って?」
「まあまあ、その辺の話は風呂を出てからにしましょう。おーい、ノリ。風呂沸いたか?」
「ええ、大丈夫ですよ!」
えっ!いつの間にノリ先輩とユウ先輩は打ち合わせをしていたんだ?ってか風呂場なんて無かったハズだけど?
「ノリが突貫で作ったぞ。多分必要になると思ってな」
いやいや、何でアンタ等そんな事が分かるんだよ!ニュータイプを超えてエスパーだよ!
「マシロー!こっちですよー!」
「はーい!行きましょう!えっと?」
「ああ、申し遅れました。私の名前はポーリッシュです!よろしくねマシロちゃん!」
「よろしくね、ポーリッシュお姉ちゃん!」
「お、お姉ちゃん!」
「え、えっと、駄目でした?」
「いいえ!むしろ良いわ!私、姉は居るけど妹はいないからお姉ちゃんって呼ばれるの新鮮だわ!」
「えっと、ポーリッシュさん。とりあえず風呂に入って来てくれ。それから話をしようや」
「そ、そうですね!マシロちゃん案内よろしくね」
「任せて下さい。行きますよポーリッシュお姉ちゃん!」
「!!!やっぱり何度呼ばれてもいいわー!」
二人は話ながら風呂場に向かっている。俺達はそれを静かに見送りながら、食堂に集まる。
「さて、どう思う?俺的には危険は無いと思うが?」
「俺も同じっす。話してる感じ普通の人っすね」
「まあ、普通の人がこんな街道の外れに何の用事があるのかは疑問がありますけどね」
「本人曰く、デカイ魔力を感じたって言ってたな」
「デカイ魔力って?」
「十中八九、ダイがこの家を作った時の魔力だろうな」
「えー?そんなにデカく無いと思うっすけど?」
「一般人には、大きな魔力と感じても可怪しくはありませんね」
「っで、これからどうする?」
「そんなに強い奴でも無いし、最悪泊めても良いと思うぞ?ダイ、部屋はまだあるんだろう?」
「大丈夫っすよ!予備に作ってあるっすから」
「まあ、本人が帰るっていうなら止めないけどな」
「じゃあ、本人が出てくるまで待ちましょうか」
「女の風呂は長そうだな。俺はちと休んでくるわ」
「ユウ先輩、風呂から出たら声かけるっすか?」
「んー?いいや、お前等に判断は任すわ!何か俺、今日眠いんだよな」
「へぇ~、珍しいっすね!了解っす!」
「すまんな。後は任せたわぁ〜!」
ユウ先輩が欠伸をしながら部屋に向かった。珍しいよな。あのユウ先輩が眠そうにしてるなんて!
「あー、昔から雨の日はよく寝てましたね。雨の音色が良いといってましたね」
「そう言えばそうでしたっすね。とりま風呂から出てくるまで待ちっすね」
「では、何か作りましょうか?」
「えっ、いいっすかモイラさん?」
「ええ、偶には私が作りますよ。ちょっと待ってて下さいね」
モイラさんが台所で何かを作り始めた。さて、俺はどうしようかな?まあ、ノリ先輩達と待ってようかな?
まったりとした時間が経過していき、モイラさんの作ったパスタの様な料理を堪能していた。
すると、廊下から近付いて来る足音が聞こえる。
「こっちですよポーリッシュお姉ちゃん!皆いますから!」
「はいはい、ちょっと落ち着いてマシロちゃん。って!何か沢山人がいるんだけど!どんな関係なの!」
「何か騒がしい娘ですね」
「まあ、とりあえず座って下さいっす!話を聞くっすから」
「わ、分かりました。えっと、何から話せばいいのですか?」
「この家に来た理由からですかね?」
「私、スプレグリーンに行っていて、ヴィサスブルーに帰る途中だったんです。すると、大きな魔力反応があったので見に行こうとしたら大雨になって!困っていたらこの家を発見したんです」
「成程、偶然発見したのですね。しかし、スプレグリーンから此処まで一人で旅をしていたのですか?よく無事でしたね?」
「それは、このマントのお陰なんです!見ていて下さい!」
ポーリッシュさんがマントで全身を覆った次の瞬間、目の前から消えた!えっ!スゲー!
「どうですか?見えないでしょう!」
「これは!凄いですね。これ程完璧に姿を消せる魔道具は見たことありませんね」
「ふっふーん!凄いでしょ!」
「ええ、貴方が作ったのですか?」
「そ、そうですよ!」
そう言ってポーリッシュさんは顔を横にずらしていく。これは・・・
「嘘だな!」
「嘘っすね」
「グハッ!何で分かるんですか!」
「顔に出てますよ。それで誰がコレを作ったのですか?」
「・・・私のお姉ちゃんです。お姉ちゃんはヴィサスブルーで一番の天才技師なんですよ!」
「へえー、一番とは凄いですね」
「あー!疑ってますね!」
「そりゃー、ねー?」
「お姉ちゃんは去年の魔道具大会に出て優勝しているんです!だから、街一番の技師で間違いないんですよ!」
「それは凄いな!ちなみに今年の優勝者は?」
「今年の大会はまだですよ。ちなみに三日後が大会です!」
その話を聞いて俺達はざわついた!
「まじ!三日後っすか!コレは!」
「いえいえ、大丈夫ですよ!そんな何度も面倒事が起きるなんてこと無いだろ」
「どうでしょうかね?ユウ達だから」
「ちょっと待って下さいっす!俺は関係無いっすよ!」
「まあまあ、とりあえずポーリッシュさんの話を聞きましょう」
「え、えっと、とりあえず私の話はこれぐらいで、皆さんはどういった関係で?あとこの家は誰の家です?」
「そうっすね。先ずはこの家は俺が建てたっす!土魔法で!」
「えっ!コレ土魔法で作ったのですか!す、凄い!」
「っで、俺達は冒険者っすよ!二つのチームで一緒に行動してるっす」
「へえー、もしかしてマシロちゃんも?」
「そうですよ!私も冒険者です!」
「マシロちゃん凄いね!頑張ってるね!」
「それで、ポーリッシュさんが感じた大きな魔力はダイがこの家を作った時の魔力でしょうね」
「あんな大きな魔力を使って無事なんですか!凄い魔力量ですね!」
「いやー、それ程でもっす!」
「ちなみにこの家はどうするんです?残しておくのですか?」
「いや、あと二日もすれば勝手に崩壊するっすけど、明日の朝、この家を出る時には壊すっすよ」
「えっ!こんないい家なのに!勿体なくないですか!」
「えっと、別に何時でも作れるっすから、勿体なく無いっすよ」
「い、何時でも!へ、へえー凄いですね」
「そ、それよりもポーリッシュさんはこれからどうするっすか?」
「それなんですが、お風呂でマシロちゃんと話していたのですが、今晩泊めて貰ってもよろしいですか?明日の朝に一緒にヴィサスブルーに行こうって話したんですよ!ねえマシロちゃん」
「はい!」
「泊まるのはいいっすよ!部屋は余ってるっすから!」
「あ、ありがとうございます!」
「良かったですね!ポーリッシュお姉ちゃん!」
「本当に良かったー!マシロちゃん!今日は一緒に寝ましょう!」
「わーい!一緒に寝ましょう!こっちですよ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!そ、それじゃあ失礼します!」
マシロとポーリッシュさんは部屋に向かって行った。
「元気っすね。じゃあ今日は解散でいいっすか?」
「そうですね。ユウも寝てますし、明日また考えますか」
「了解っす!それじゃあおやすみなさーいっす!」
マシロは何かポーリッシュさんに懐いているな。
その後、俺達も少し話をしてそれぞれの部屋に戻った。
しかし、三日後に魔道具大会か。なーんかまた起こりそうだな。
最後のアイテム。ゲットまでにはもう少しかかりそうだ。
まあ、あと少し頑張れば日本に還れる!
しかし、魔道具大会か。少し楽しみだなー!




