下_大人になっても
「いやー。本当に。大人になった今でもこうして毎年イベントを開催してくださる運営様には本当に感謝だわ。」
そういいながら社会人になった梨花は手にしたチューハイを煽る。
「まだ、数年しかたってないじゃない。」私も梨花をペースを合わしてジョッキを煽る。
「いやいや、お酒呑める年齢の前と後だよ!?十分私たちも歳とったでしょ!!」
よっぽど吞めるようになったのが嬉しかったらしく、20歳を超えてから一緒に晩御飯を食べ、お酒を呑むといつもこの話をする。
「そうそう。先週行った現場がさぁ。」社会人になった梨花はどうやら毎週のようにイベントへ行ってるらしく楽しそうな投稿と土産話をしていつも私に新しい刺激をくれる。
「そうだ!鈴音の会社で出すっていう初めての痛バスターターセット!!あれめちゃめちゃ良き!!」
梨花のいう痛バスターターセットとは私の経営する会社で販売を開始したばかりの缶バッチを集めず、A4クリアファイル・ポストカード・ブロマイド・ミニ色紙・チケット風グッズ・チェキ風カードにトレーディングカード・ステッカーなどで痛バが作れる様にと型が用意された多様なサイズのバックの事だ。
「これさ~私みたいに缶バ集めない人間にはドンピシャ過ぎて手放せない~」語尾にハートマークをつけながら続ける。
「このカラバリが豊富なのもめっちゃありがたい~バックとしてもちゃんと機能するようにペンライトフォルダーとか開封したごみが入るポケットとか色々便利なんだよね~。ていうか!?ヲタクの肩を少しでも守るフワフワ素材の肩パット?あれ設計天才的すぎるわ、ホント。」
「ふふふっ。ありがとう。梨花のいつもいってる意見ともて参考になったのよ。次はリングライトもセットに出来る様にしたいんだけど…。」
私たちは店の閉店時間まで語り明かした。
「うわ~ん。会えたの久しぶり過ぎて全然時間足らない~。ねぇ明日の予定は?」
店を出る時にいつものように私に問う。
答えはもちろん「いつものように明日はオフにしてあるわよ。」
私たちはいつものようにカラオケBOXに足を向ける。
すぐ部屋に通された私たちは早速梨花がリモコンを操作する。
「はぁはぁはぁ…。やっぱりさぁ、ユニット曲1人で歌うの難しすぎない!?」
そういいながら息を切らしながらモニターを指さす梨花。
私達は缶のアルコールを煽りながら、笑いあった。
それこそ昔に戻ったように被せの部分をノリだけで歌い、難しいパートは鼻歌で誤魔化しながら楽しく歌っていたら備え付けの電話が鳴る。
どうやら楽しい時間もここまでのようだ。
結局私達は明け方まで全くマイクを手放さなかった。
外に出ると、徹夜明けには大変しみる朝日を浴び今度こそ本当に帰路についた。
帰宅してもなお楽しい気持ちが抜けなかった私は懐かしの機器たちの充電を始めた。
早速立ち上がった物から順番に私はHOME画面へ飛ぶ。
懐かしい音を聞きつつ、何のカセットが入っているのか確認し起動いてゆく。
続きからを選択すると丁度悪役令嬢が断罪されているシーンだった。
続きを必死に思い出そうとしたがちっとも思い出せない。
どうやら私は最後までクリアせずにこのゲームをやめてしまっていたらしい。
暫く考えた私はせっかくやるなら初めからやろうとタイトル画面からNewGameを選択する。
ベットの上でゴロゴロとゲームをしていた私は気づいたら寝てしまっていたらしく、メッセージの通知音で目を覚ますと相手は梨花だった。
「昨日?今日?(笑)はありがとう!めっちゃ楽しかった!!そそっ昨日楽しすぎて津あて忘れちゃったんだけど、忙しい鈴音に朗報です!!これは鈴音沁みると思う!!」
こうして私はまたこの沼に浸かるのであった。
お久しぶりですの方
お久しぶりです、愛羽真琴です。
初めましての方
初めまして、愛羽真琴です。
今回で鈴音と梨花は最終回になります。
ご愛読いただきありがとうございました。
本巻
『娘を悪役令嬢にはいたしません!!』https://ncode.syosetu.com/n7207hh/




