表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖地巡礼で出会った彼女は〇〇だった。  作者: なつみかん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/6

第5話『人智を超えた力』

その瞬間、晴天だった空に徐々に雲が現れ、天候が最悪に悪化し始めた。


風が吹き荒れ、まるで台風のようになった。


異常なまでの風の強さ。俺は目を疑ったが、数十メートル先に巨大な竜巻があった。このままだと巻き込まれる。


思った時にはもう遅かった。身体が徐々に踏ん張りが効かずに竜巻の方に流されていく。もう耐えられない。


せめて葉月だけでも。


俺は葉月を電柱のそばに突き飛ばした。


『そこに捕まってろ!!絶対に離すな!』


そう言った途端、俺の身体は宙に浮いて竜巻に吸い込まれていく。


あぁ、そんな、俺死ぬのか。


こんな所で死ぬなんて、やり残したこといっぱいあるのに。


徐々に竜巻の中央に近づいていく。


諦めかけた直前、目を疑うような光景が俺の前に映っていた。


葉月が俺の目の前に。そして手を握って竜巻から遠ざかっていく。


『え、どうやって……助けて……』


『もう、カッコつけすぎ!君はまだ向こうに行かせないよ!!』


人間離れした能力。この世のものとは思えない力で俺は助けられた。全く状況を理解できなかった。


そして葉月は俺を掴みながら、そのまま砂浜へと着地した。


『葉月、おまえは一体何者なんだ?』


『うーんとね、うん、海斗にはもう話すね!私はあの世に行くには早すぎる人をこの世に舞い戻す精霊なの!やっぱり予定より間違えてあの世に行っちゃう人っているのよね!』


『あの店員さんのおじいちゃんも同じね!あのおじいちゃんは聞く耳持ってくれなくて、「ワシはまだいかんぞー死神!」としか言ってなかったけど、店員の誕生日までは行きたいって本気で願ってたみたいだから、私も全力を尽くして延命させてたの。その後は残念だったけどね』


『んでこの天候だとさ、休日出勤確定なんだよね笑』


俺は唖然として聞いていた。でも信じるには十分すぎるくらいの、人智を超えた力だった。


しばらくして竜巻は去っていった。


葉月は恥ずかしそうに話した。


『海斗!ありがとう。一日一緒にいられて本当に楽しかったよ!普段はあまり人との接触は避けるようにして、正体はあまり言わないように言われてるんだ笑!精霊だってアニメとか見るのに、感想語れる仲間がいなくてさ、ずっと憧れてたの。人間がこんなふうに楽しく談笑してるのにさ!ずるいよー!ほんとに!』


照れた笑顔が素敵だった。そして自然に言葉が出てしまった。


『また、どこかで会いたい……』


『うん……ありがとう!大丈夫!私はいつでもあなたを見てるよ!』


葉月は微笑みながら風のように消えていった。


気づけば夕方。あの告白シーンのように夕日に照らされながら、俺は砂浜で焼けた空を見上げていた。


以上、一夏の思い出を巡礼日記に綴る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ