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《虫人》 - Insecter  作者: Risa (虫人の人)
デスサイズ編
36/39

第31話  死の鎌



死の鎌(デス・サイズ)


アルカディア・東方検問所——


街全体を囲う、そびえ立つ白い壁の一角——。

大柄な男——ダラスは今まさに、東方検問所の通路を通り抜けようとしていた。

残ったローブの二人は、検問所の外で、ただその様子を見ている。


通路の入口の壁際で銃を構えたユミナとミオナは、ローブたち——デスサイズの行く手を阻む、最後の砦となっていた。


ミオナがふと、ダラスの背後でうごめく何かを見つける。

検問所の壁内に設けられた狭い通路から、ナユカがゆっくりと這い出てくる。


——ナユカちゃん——!


まだ生きている。

その様子につい安堵の息をつくミオナだったが、ナユカの頭部装備ヘッドシェルには数発の弾痕があり、顔には透明な血が滲み出ていた。


「——ミオナ……ちゃん……。」


今にも消えそうな声を出すナユカ。


「あぁ? ——まだ動ける者がいたとはな——」


後ろで這いつくばるナユカに、ダラスは首を向けて言う。

ナユカは最後の力を振り絞って、ライフルの照準器を覗き込む。

だが、その先にはダラスだけではなく、ユミナやミオナの輪郭、そしてアルカディアの街並みまでもが映り込んでいた——。

もし回避されるか、あるいは貫通すれば、その弾が次にどこへ飛ぶのかは明らかだった。

ナユカが撃てないことに、ダラスはすぐに気付く。


「そこで大人しく寝とくんだな——。」


そう言い放ち、再び前に視線を戻す。


その時だった——。


カチン……ッ。


通路の入口から微かに、金具が外れるような軽い金属音が鳴る。

すかさず音の鳴る方へ、ダラスは身構える。


ダラスの目の前に現れたもの——それは、投げられたユミナのライフルだった。


「——なんだ——? ——小賢こざかしい——!」


視界を遮るそれに、ダラスが思い切り大鎌を振り上げる。

その瞬間、ミオナが声を上げる。


「——見えました——!」


ローブから露出させた大鎌の関節を狙い、再び引金を引く。


ズドドォンッ!! ズドドドォンッ!!


精密さと火力を両立した短連射——。

外れた何発かの弾丸はローブを貫通し、抉れた天井がパラパラと砂の雨を降らせる。


「く……っ!」


一瞬、ダラスの動きが止まる。

フードを被ったダラスの顔に、投げられたライフルが直撃する。


「もらったわ!」


同時に、ユミナがダラスの懐に入り込む。

そして、両手に持つ近接ブレードを二閃、ダラスの首元めがけて振りかざす。


ガィンッ!!


しかし、もう片方の大鎌がすぐにそれを遮る。


「——速いわね——ッ!」


ユミナは間髪入れず、刃を返して更に二連撃浴びせる。

だがそれも、大鎌が火花を散らすだけで、その強靭な外殻には一切通用しない。


「——そんな斬撃が、我々に通用するか——!」


斬撃を防ぎながら、ダラスはその大鎌を、徐々にユミナの方へ傾けていく。


「ユミナちゃん! 上です!」


ミオナが叫ぶように言う。

ユミナの攻撃を防いだ大鎌と、振り上げた大鎌——。

その両方が、ユミナの方へ向けられていた。

ミオナは新しいマガジンを装填すると、再び上の大鎌に照準を合わせる。


二本の大鎌を大きく開くダラス。

緑の光をわずかに帯びる外殻装備——。


それを交差するように一気に振りかざす。


ブォオオオンッ!!


その光景は、まさに空を切る切断マシン——。


だが、その手応えのなさに、ダラスは違和感を覚える。


「——な、どこ行った——ッ!」


そこに、ユミナの姿はもうない。

大鎌をクロスしたまま辺りを見渡すが、視界に映ったのは、射撃姿勢をとったまま動かないミオナの姿だけだった——。


不意に、背後から声がする。


「ここよ——。」


振り向く間もなく、ユミナがダラスの肩めがけて飛び乗る。


「な、なんだ——! 離れろ!!」


耳を劈くような低い唸り声。

もちろん、そう言われて素直に離れるユミナではない。


片方のブレードを首元に当て、ダラスの動きを封じる。


「チェックメイトね——。」


そう言うと、もう片方の手を、ゆっくりとダラスの目の前に突き付ける。

その手に持つ黒い塊——手榴弾だった。


安全装置であるピンはとっくに抜かれ、もしユミナの手から離れれば、それは間もなく爆発することになるだろう。


「な、何を……!?」


「何って? あんたたちテロリストは、こういうの得意でしょ——?」


「なっ——よせ……っ!!」


そう言いかけた瞬間、その手榴弾で思い切り、ダラスの頭を殴りつける。


ドゴォ——ッ!!


外殻と金属がぶつかる重い衝撃音——。

殴った勢いで、ユミナの手から手榴弾が放れ、ダラスの足元に転がっていく。


「あっ——。」


膝から崩れるダラス。

ユミナは飛び降り際に、その手榴弾の行方を目で追った。


「ユミナちゃん——ッ!!」


離れてと言わんばかりに、ミオナが叫び声をあげる。

だがユミナは、転がった手榴弾に近づいていくと、ゆっくりとそれを拾い上げる。


「なによ、そんなに心配して——」


「……っ!?」


いくら時間が経っても、手榴弾は爆発しなかった。


「そ、それは——……?」


「ん? これ?」


手から放れても、跳ね上がらないレバー、何のギミックもない手榴弾——。

ミオナはその時、やっと気付いたのだった。


ユミナはポケットからリングつきのピンを取り出すと、それをぐっと差し込んだ。


「訓練用のダミーよ? 殴るのに丁度よかったから——」


手榴弾は、模擬ダミーだったのだ。

その光景に、ミオナは思わず涙を浮かべたのだった。




俺とサイチは、吹き飛ばされたサユキと合流すると、検問所の方へ再び戻って来ていた。

俺たちは、途中からではあったものの、ダラスとの戦闘の一部始終を見届けていたのだった。


あの時——大鎌を交差するあの瞬間——


反動を相殺するため、ダラスは大きく足を開いていた。

ミオナの言葉で、双腕の大鎌の位置を知ったユミナは、逃げ道が少ないことを瞬時に察知した。

ユミナは、ダラスの足の間をくぐって、背後へと回り込んだのだった。


いくら大きくて強靭な相手でも、ユミナは自身の優位性を活かし、それを制圧してしまう——。

ミオナから渡された情報をもとに、ユミナが再計算し、常に最新の戦術で挑んでいく。


二人の連携はまさに、現場適応型の戦術そのものだった。




ダラスが倒れ、外にいたローブの二人が近づいてくる。

しかし、この狭い通路で、二人同時に大鎌を広げて戦うことなどできないだろう。


否、最初から、そう計算されていたのかもしれない——。

もちろん、ユミナとミオナの現場判断だけではない。

アルカディアの検問所自体、身体が小さなアリ型が戦うための、専用構造になっていたのかもしれない。


少なくとも、ユミナとミオナはそれを証明した。

きっと、残りのローブの二人も、この狭い通路なら押さえ込める——。


その時の俺は、そう思いかけていた。

だが、いざ迫り来る二つの影を前にすると、胸のざわつきは徐々に強まっていった——。










アルカディア・東方検問所・壁内通路——


地面に横たわるダラス。

それを見たローブの二人が、段々とこちらに歩み寄ってくる。


そんな中、俺たちはユミナとサユキをその場に残し、検問所内に広がる脇道——壁内空間へと入っていた。

アルカディアの全周を囲う高い壁——。

その内側に、こんな壁内空間があるとは思ってもみなかった。


だが、今はそんな悠長なことを言っている場合ではない。


「——これは——……。」


俺は思わず言葉に詰まる。

横たわる検問兵と、その増援部隊のガードたち——。

殆どのガードは、頭や肩に銃弾を受け、その場に倒れ込んでいた。

その頭上を見ると、外側に設けられた狭い窓があり、恐らくそれを使って交戦していたのだろう。


すぐ近くでは、ミオナはナユカに包帯を巻きながら、優しく声をかけている。


「ナユカちゃん、大丈夫ですか——? 増援を呼びましたから——」


「……っ。——ごめんね、ユミナちゃん……増援の私たちが、増援を待つことになるとは——」


「いいんですよ。戦ってくださり、ありがとうございます——。今は休んでくださいね——」


戦ってくれてありがとう——。

あまり聞きなれない言葉だが、この状況を前に、俺はやけに腑に落ちたのだった。


——俺たちの代わりに、そして、アルカディアのために、戦ってくれたんだよな——。


ミオナの連絡ではもうすぐ、追加の増援部隊と救護チームが来るはずだ。

俺はミオナを見習い、横たわるガードたちに声をかけていった。


負傷したガードたちを一人ひとり運び、救急搬送しやすいよう一か所に集めていく——。


「……ふぅ。これで全員みたいだな——。全部で何人だ——?」


独り言のように言うサイチ。

さっきまで、試験の船がどうとかって言ってたはずが、今では雰囲気がまるで違う。


そんなことを思って見ていると、ふとサイチと目が合う。


「あぁ? なんだよ。なんか顔についてっか——?」


「あぁー、いや別に——。いやほら、試験に間に合わなくなっちゃっただろ? 巻き込んじゃって、ごめんな——」


「あぁ——? 試験? そんなこと言ってる場合かよぉ。……ほら、見てみろ——」


サイチはいつものふざけた調子で言いながらも、真剣な眼差しで、負傷したガードたちの方に眼を向ける。

試験の件を引きずっていたのは、俺だけだったのかもしれない——。


「まぁ——だな。じゃあ、数えてくか? えーっと? 1、2、3、4……——」


俺はサイチと一緒になって、通路側の方から順番に数えていくのだった。



「……——13、14、15。よし、15人だな。」


「あぁ、俺も15だ。オーケー、15人!」


そこへ、救護処置を終えたミオナが戻ってくる。


「15人、合ってますよ。東方検問所の編制は4名で、増援が10名、そこにナユカちゃん——いえ、指揮官が1名ですから。数は大丈夫そうですね。」


「お、おう——よかった——。」


——そんなことまで覚えてるもんなのか? それとも、会った時に数えてんのか——?


俺の中で、ふと疑問が走る。


そのときだった。


「早く持って帰ってくれる? ここにあったら邪魔よ——」


外から、ユミナの甲高い声が聞こえてくる。


「何やら外で話しているみたいですね——いきましょう——。」


「だな……。」


ミオナの言葉に、俺たちは静かに頷く。








俺たちは再び、ユミナとサユキが待機していた通路の方へ顔を出す。


「——……。」


無言。

腕を組むユミナと、刀に手を据えるサユキ。

一方、検問所のすぐ外には、先ほどのローブの二人。


互いに睨み合う、一触即発の状況——。


ユミナは近接ブレードが得意であり、サユキの武器も刀であるため、間合い的には問題はない。

しかしそれは、大鎌を武器とするカマキリデスサイズの方も、同様である。


「ユミナちゃん! 負傷者の方は大丈夫そうです——!」


緊迫する中、ミオナの場違いな明るい声が、一帯に響き渡る。


「ありがとー! 助かったわ!」


それに釣られ、ユミナもわずかに首を曲げて応える。


そこへ、男の低い声が、隣の仲間に向かって命令を下す——。


「——レイス。殺れ——。」


「——……。」


少し小柄なローブ——レイスは、何も言わず、ただゆっくりと通路の中へ足を踏み入れていく——。


「なに? 一人ずつ来るわけ? 学習力ないのね! カマキリは!」


ユミナが挑発してもなお、フードの下の口元は、閉ざされたままである。

徐々に歩み寄るカーキ色のローブ。


そんな中、俺は慌てふためくように、つい壁内通路の扉を閉める。


「お、おい、こっち来たぞ……! どうする……!?」


サイチも少し落ち着かない様子である。


「やるっきゃねぇのか——これは……。」


事実上の分断である——。

ユミナたちは入口付近で待機しているが、俺たちが今いる壁内通路は、検問兵たちが配置していた最前線だ。


窓から顔を出さない限り、撃たれる心配はない。

だが、レイスがそのまま通路の奥まで進めば、横手のこの壁内通路にも辿り着ける——。

もし、この扉を開けられれば、俺たちに逃げ場はない——。


そんな二人の様子に、ミオナは冷静に告げる。


「落ち着いてください。もしこちらに来たのなら、その時は私とサイチさんで迎え撃ちます——」


「えぇ、俺ェ……?」


裏返るサイチの声。

俺も相当なビビりかもしれないが、サイチも大概だ。

ずっしりと構えた体つきとその装備——男前な外見をしておきながら、その外見に反した性格っぷりである。


「いいですか。私たちが今出ていくと、戦闘の邪魔になるかもしれません。

 もしかしたら、流れ弾に当たってしまう可能性もありますので、まずはここを死守しましょう——。

 負傷者もいますので、ここでの戦闘はなるべく避けたいですね——」


ミオナが説明する中、扉の向こうの足音が徐々に近づいてくるのが聞こえる。


すかさず、俺たちは身構える。


やがて薄らと、扉の窓から影が通過していくのが見える——。


「来なそうだな——……。」


「通り——過ぎましたね——……。」


レイスは俺たちに見向きもしなかった。

ただ目の前の脅威——ユミナの方へ向かって歩いていったのだった。



その頃、ユミナは両手のブレードを構えたまま、ただじっと、通路の奥へ来るのを待っていた。


戦術は先ほどと変わらない。

大鎌に不利な狭所へ誘い込み、サユキと一緒に、近接戦で一気に叩き込む——。


違うのは、ミオナの支援がないことだけだった。


やがて時が来ると、ユミナは静かに口角を上げる。


「……かかったわね——。先手必勝よっ!!」


掛け声とともに、ユミナが踏み込む。


その時だった——


レイスは即座に大鎌を構え、ユミナの方へそれを向ける。

その大鎌には、金具やベルトで固定された長銃身ロングバレル機関銃マシンガン——

アームガン(LAG)が取り付けられていた——。


微かに覗かせる緑色の眼孔が、ユミナの姿を捉える——。


「銃だ! 伏せろ!」


サユキの言葉に、ユミナはすかさず横へ跳び込む。


その瞬間——


ズドドドドドォ——ンッ!!!


放たれる銃声が、通路の壁を反響し合い、凄まじい衝撃音へと変貌する。

サユキも慌てて隠れようと反射的に身をかがめるが、その銃口は一直線に、ユミナの方へ追従していく——。


「くっ……! これね——あの銃声は——……!」


射撃を止め、再び横に着地したユミナを捉える——。

狭い通路内での回避行動には制限がある。

遮蔽物もなければ、大きく移動できるだけの空間的余裕も残されていない——。


そこへ、紅い閃光が過る——。


「こっちだ——ッ!」


至極、正確な刀捌き——。


ガィン——ッ!!


金属同士の重い衝突音——。

サユキの振り上げた刃が、アームガン(LAG)銃身バレルを跳ね上げる。

同時に、レイスのフードが仰がれ、こちらを睨みつける顔が露見する——。

オオカマキリ型の、結った短い緑髪、緑色の眼孔——。


ズドドォンッ!!


跳ね上げられたアームガン(LAG)が再び火を噴く——。

天井が抉れ、砂煙が三人の間に吹きかかる。


——やはり、デスサイズだったか——!


ミオナの分析は当たっていた。


至近距離で睨み合うサユキレイス——。


同時に、サユキは怒りに燃えていた——。

しかし決して、三人組のローブ、ましてや仲間たちへ向けたものではない。

あの時——テロリストの大男ダラスを前に、何もできず、ただサユキは吹き飛ばされただけだった。

刀の有利な間合いで無様に敗してしまった、その己の技量に、強い怒りを覚えていたのだった。


サユキは振り上げた刃を返し、そのままレイスめがけ、思い切り振り下ろす——。


「そこだァ——ッ!!」


しかし、もう片方の大鎌が瞬時に現れ、振り切るよりも先に、刃の行く手を阻んだ。


だが、当てる——。

振り下ろした刃を、途中で止める方が、かえって危険リスクだった。


外殻が火花を散らし、わずかに大鎌が揺れ動く。


——なっ——さっきより細い——?


その感覚は正しかった。

レイスは大男ダラスよりも細身で、身長もやや低い——。


——これならやれる——ッ!!


サユキは再び刃を返し、レイスの脇腹を捉える。


その時だった。


横に一歩だけ——。

その一歩だけ踏み込んだレイスが、既にその脇腹をガードしていた。


「何——ッ!?」


まただ——。

振り下ろすよりも何コンマも先に——まるで動きを読みきったように、その個所を的確に防いでくる。

効かないと分かっていながら、むやみに斬撃を繰り出せば、今度こそ反撃をもらう可能性がある——。

斬るか、今はやめておくべきか——。


その一歩。

その一瞬の動きで、サユキは動きを止めた。


「……おそい……。」


レイスが、静かに呟く。

ゆっくり顔を上に向け、背後から迫る気配を察知すると、振り向きざまに大鎌を薙ぎ払う。


「——なっ……!?」


後ろから迫っていた気配——ユミナは、そのまま両ブレードを盾にするが、遠心力で加速した大鎌は止まらない。


「んぐっ……!」


火花を散らし、検問通路の外へ吹き飛んでいくユミナ。


「なっ、貴様の相手はこっちだ——ッ!!」


体勢を取り直したサユキが、後ろを向いたレイスに刀を振り上げる。

だが、レイスは薙ぎ払った勢いで、サユキの方にも大鎌を薙ぎ払う。


「ぐぁっ——……!」


一瞬の出来事だった。


サユキもユミナも、検問所の通路から追い出され、静まり返ったアルカディアの道路へ追いやられてしまったのだ——。


「くそ——……まだまだ——!」


姿勢を取り直し、再び刀を構えるサユキ。


「……あんた、想像以上に頑丈ね——。」


「ふん——。誉め言葉として受け取っておこう——。」


サユキの姿を見て、ユミナもまた、立ち上がる。


二人を追うように、レイスはゆっくりと検問所の通路を進んでいく——。



やがて——


街へ入り、レイスは足を止める——。

そして、後ろを振り向き、仲間のローブに向かって静かに告げる。


「……ディアス……。入った……。」


「ご苦労だったな——。行くぞ——。」


検問所の向こうのローブ——隊長格の男(ディアス)は、それに応えるように言う。


通路へ踏み入り、その途中に転がったダラスを見下ろす。


「おい、ダラス——いつまで寝てる——起きろ——。」


「……んん……あぁ、隊長、すまねぇな——……。」


ディアスの言葉に、ダラスが低く唸り声を上げる。

さっきまで崩れ落ちていたとは思えない勢いで、その大きな体が再び立ち上がった。


二人はそのまま、ゆっくりとアルカディアの街へ足を運んでいく——。


レイスと合流し、ローブの三人組は、静かにユミナとサユキに対峙する。


その姿を前に、ユミナとサユキは、言いようのない不快感を覚えていた。




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