5日目、6日目⑥
ウォルター、アーヴェル、ポーラ、ディエゴの4人は同じテーブルにつく。先ほどまで戦っていた4人だが今は落ちついている。
「そちらの方は、錬金術師アーヴェルさんですね。魔術師協会最強の方もお知り合いだったのは誤算でした」
ポーラはそう話を切り出した。魔術師と錬金術師の仲は良くないのだが、意地を張り合うライバルのような関係だ。
また等我々魔術師協会は魔術師がもっとも優れているとか、錬金術も呪術も精霊術も魔術の一部門と考えて魔術師協会と名乗っているため、錬金術師は少なくない。
錬金術師が自分達の方が希少だ等と言おうものなは、呪術師や精霊術師はさらに希少になってしまう。結局普通が一番すごいのだ。
アーヴェルはポーラを見つめる。
万全の状態で戦えばどちらがつよいかはわからないが少なくとも今はアーヴェルが勝った。
アーヴェルは無口な男と聞いている。
魔術師協会の中で戦闘面では一番だがあまり人の上に立ちたがる性格ではないため。当時の立場は私より少し上といった程度だった。
何度かあった事はあるが巨大な組織内の事まともに話した事はない。
質問にはウォルター氏がかわりに答える。
「かつての弟子の一人だ。故郷がこの国ではなかったから連絡を取り合う事はへっていたが、今回の事件に合わせて助っ人に来てもらった」
ウォルターは彼が魔術師協会にいたのは偶然だと不敵に笑う。アーヴェルはこの内戦の後魔術師協会に戻すつもりなのだ。
先代の世界最強魔術師 勇者タリアは良くも悪くも、1人だった。いや、弟子の立場だったというべきか。実力では超えた後も自らの師匠の近くに住み、師匠の隠居後も行動を共にした。ウォルター氏は違う。
一線を引いた後も世界に影響力を保持し続けている。
魔術師協会を弟子に命じればいつでも潰せる。
敵対した後に備えている。
”古い魔術師”その言葉が頭に浮かぶ、超常の力がまだ絶大でない頃から魔術師は存在し、今と違い自分より力を持つものに知恵で立ち向かった。
どんな勇者もドラゴン退治は魔術師に知恵を借りに行くところから始まる。
そして言葉巧みに勇者にドラゴン退治をさせる一方で失敗した時に逆恨みする人々から身をかくす為。
魔女が山奥に住むのは人々に見つからないためであり逃げるためだったのだ。
彼は余計な事をすれば魔術師協会はいつでも潰せると言っている。
私にこの戦いを見せたの魔術師協会にその事を伝えさせる為なのだろう。
翌日無事帝国と独立派の会談は開かれる。
帝国は名前を変え存続、独立派は100の国のうち80が独立再編により20の国となる、帝国は旧帝国領の国への攻撃の禁止、また5日の間に兵をひく事が決められる。
私は魔術師協会へと顛末の報告に向かう。
サラ、ディエゴ、ポーラは国を得られず、ウォルター氏からは3人の破門が告げられた。




