5日目、6日目⑤
ウォルター氏はサラ、ポーラ、ディエゴの事を特別扱いしていた。他の弟子も雑に扱うような事は無かったが。3人は特別だった。実力が高いから話をより理解できる事はもちろん大きな理由だが、やはり3人はまだ若く、自分も半ば隠居してからの弟子である事等、その他にもいくつもの理由が重なった。
国内の危機には、出来事の規模に応じて増やす場合もあるが、最初に話をするのは3人のうちだれか、特に同性で首都に済むディエゴにであり、他の弟子には指示や依頼となる。
しかし今回は他国に渡ったかつての弟子アーヴェルを呼び込んだ。3人の思惑にはどこまで気づいていたのだろうか。
ウォルター氏はポーラとディエゴ、そしてアーヴェルをホテルの一室に集める。
切り刻まれたばかりで体調のすぐれないボーラの隣にディエゴは彼女をささえるように座っている。
魔術師は体調を崩すなど普通はないのだが強力な呪いを込めた斬撃だったのだろう。
ディエゴはウォルター氏に対して、ずっとポーラを名前は知っていて数回顔を合わせた事がある程度の関係のふりをしていたが今の様子はどう見ても恋人どうしであろう。
もう隠さないのだろう。
サラはお邪魔虫だったのだろうか。
サラの前で2人がいちゃつく事はない。
月の民の国はサラが強く望んだ。
魔法使いは不老不死であり、ある程度で体の成長は止まる。
その年齢には個人差がありどこで止まるかはいくつかの俗説がある。
才能があるほど若く成長がとまる。
人生の大きな転機で止まる。
そして、恋人同士は同じ時に止まる。
サラだけは2人より少し幼さが残る。
サラは昔、まだ関係がある程度良好だった頃私にディエゴの事が好きだと打ち明けた。
2人に遅れアーヴェル、そしてウォルター氏が姿を現した。




