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「探偵レーサー復帰戦」
今日が復帰戦だと言うのに、とんでもない見出しが新聞に載っている。
勘弁してくれよ…と思っていると記者さんが近付いてきた。
「長いお休み、おつかれさまでした」
「本当ですよ…」
「復帰戦、探偵レーサーとしてどうですか?」
「ちょっとバカにしてるでしょ?」
おふざけも今は楽しい。
ボートを水面に下ろし、エンジンをかけ、試運転へと向かう。
あの日に似ている。
快晴、波も気にならない。
ピットに付けたボートに乗り、ゆらゆらと揺れている。
水面の向正面に、自分の横断幕が貼られていることに気付いた。
「ここで一発 葉山」
ニヤリと笑みがこぼれる。
ファンというのはありがたいものだ。
どんな困難に打ちのめされようとしても、一筋の光を照らしてくれる。
選手として諦めることなく、一生懸命に先へと進もうとすることで、ファンに一筋の光を与える事ができるのかもしれない。
「どうっすか?」
福田がプロペラを差し出してきた。
「お〜なかなか。でも使いこなせる?」
「練習いっぱいしたんで大丈夫っすよ」
「ケガすんなよ〜。頑張っていこうぜ」
復帰戦のレースが近付いてくる。
あの日のレースと同じ10レースで復帰だ。
払拭するためにも、あの日と同じ時間で違和感をなくすしか無い。




