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スタート 0.3  作者: プーリ
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「探偵レーサー復帰戦」

 今日が復帰戦だと言うのに、とんでもない見出しが新聞に載っている。

 勘弁してくれよ…と思っていると記者さんが近付いてきた。

「長いお休み、おつかれさまでした」

「本当ですよ…」

「復帰戦、探偵レーサーとしてどうですか?」

「ちょっとバカにしてるでしょ?」

 おふざけも今は楽しい。

 ボートを水面に下ろし、エンジンをかけ、試運転へと向かう。

 あの日に似ている。

 快晴、波も気にならない。

 ピットに付けたボートに乗り、ゆらゆらと揺れている。

 水面の向正面に、自分の横断幕が貼られていることに気付いた。

「ここで一発 葉山」

 ニヤリと笑みがこぼれる。

 ファンというのはありがたいものだ。

 どんな困難に打ちのめされようとしても、一筋の光を照らしてくれる。

 選手として諦めることなく、一生懸命に先へと進もうとすることで、ファンに一筋の光を与える事ができるのかもしれない。

「どうっすか?」

 福田がプロペラを差し出してきた。

「お〜なかなか。でも使いこなせる?」

「練習いっぱいしたんで大丈夫っすよ」

「ケガすんなよ〜。頑張っていこうぜ」

 復帰戦のレースが近付いてくる。

 あの日のレースと同じ10レースで復帰だ。

 払拭するためにも、あの日と同じ時間で違和感をなくすしか無い。

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