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次の日、新聞は大きく見出しを出している。
AIを使用した珍しい犯罪ということもあり、テレビのワイドショーでも取り上げられている。
動画配信をしていたこともあり、劇場型犯罪ならぬ、劇場型解決と言われている。
今回のワイドショーの話の争点は、被害者が誰か。
また、闇サイトを潰すためとはいえ、売上を下げたことはどうなのか。
いずれ裁判で明らかになるだろう。だれも損をしていないなんてありえない。
話題が変わり、年末のあの歌番組にストフラが選ばれた事を紹介している。
高原ちゃんに「おめでとう、年末はテレビで見るよ」とメッセージを送っておく。
すぐに「よろしく!!」と返事が来た。
いつもの日常に戻りつつあることを楽しく思う。
レース復帰まであと1週間だ。
青井と福田に連絡を入れ、一緒に練習をする。
波の音、風の音、ガソリンの匂い、もう胸の高鳴りは止められない。
「調子いいっすね」
「悪くないよ」
「プロペラ見せてもらっていいっすか?」
ふとしたやりとりさえも今は楽しい。
「やっぱりボートはいいな」
なんと杖をついて中川さんが来た。
「ごめんな」
「なんで謝るんですか?」
「正直、スタートで君より前にいたことは分かっていた」
「ですよね…」
「でも勝負である以上、自分から言えなくてね…配信を見せてもらって、謝らなくてはと思って…」
「中川さんは悪くないですよ」
「ごめんな、これからも頑張ってね」
そう言うと中川さんは帰って行った。
「あのオッサンが早く言ってれば」
珍しく福田が怒っている。
「やめとけ、俺が同じ立場でも言えないよ。審判がセーフって言ってるんだから」
青井をなだめる。
誰だってそうだろう。
「あと3周!実戦形式でいこう」
「はい!」「はい!」
練習は必ず未来に繋がる。




