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岡本さんは険しい顔で話す。
「中川があれだけ食い下がったのは予想外だった。ただ、水面なんてほとんどの人が見ていない」
「レース場内の人が少ないと…」
「入れ替えたらもう誰にも気付かれないはずだった」
「記者の写真は残りましたね」
「写真は預かった。そして返金に伴い、闇サイトでは多額の金が口座で動いた。トップの口座まで割り出されているようで、もうすぐトップの逮捕まで秒読みらしい」
「誰も損をしていないように見えるんですか?」
「ここまでは完璧だった、あいつが出るまでは」
「あいつ…マーマレード・ソースですか」
「あぁ、あいつが配信することにより、問い合わせが止まらなかった。終わったはずの話が続いてしまった」
「今のネットユーザーは方向性が決まれば全力ですからね」
「あいつには、圧力も金銭も通じなかった。どんなに調べても、性別、年齢、何もわからない」
「でしょうね」
「メッセージは一通だけ来た」
「メッセージ…?」
「諦めないと。そして今、君は色々とパズルのように集めたものを合わせてここに来たんだろう」
「諦めないんでね」
「でももう諦めてくれ。君は収入が増えた、闇サイトは閉鎖になった、その評価で私は本部へ行く」
「諦めるのは岡本さんですよ」
「私はなにも諦めないぞ?正しいことしかしてない」
「正しいかどうか決めてもらいましょうか」
そう言いながら胸ポケットからスマホを取り出す。




