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「遅くなりました」
バケットハットを深く被り、マスクをした小柄な人だ。
「どうも」
怪奇な目で見ながら挨拶をする。
「オッケー?」
「はい?」
急にオッケー?と言い出したマーマレード・ソースは帽子を脱ぎながら話す。
「こんなところがあったんですね。改めまして、こんばんは」
「こんばんは……え?」
自分の目を疑った。
「帽子で気付いて下さいよ」
あの帽子は…
「プレゼントが直接渡したらダメってなって、すぐに送ってくれましたね」
目の前にいるのは…
「なぜ……?」
「何が……?」
笑った顔がそのままだ。
「高原ちゃんだよね?」
「さぁ?ふふふ」
驚いた。マーマレード・ソースの正体が高原ちゃんだとは…
「嫌なんだよね、私は真面目にやってる人が何かに巻き込まれて、被害を被るのが」
いつものふわふわの姿とは違う。
「ボートレーサーって聞いたから、調べて近くでやってたから見に行ったらこれだもんね」
本当に来てくれてたんだ。
「場内のお客さんは年齢層が高くて私には気づかないけど、川又さんは気付いてくれてさ。あの人、一度ライブ写真撮ってくれたこともあって」
点と点が繋がっていく。
「私が撮った写真より、もちろん川又さんの写真の方がすごくてね」
一方的な話が止まらない。
「川又さんも、これはおかしいって言ってたよ」
正直、もう終わった事だよと言いたくなる。
「諦めるの?」
聞き覚えのある声だ。
「いや、ちょっと動いてみるよ」




