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「川又記者が、中川1着、青井2着と、レース予想当てているんだよね」
川又記者とは、あの新人記者だ。
「1番人気を外して予想はすごいですね」
自分にはそう答えるしか無い。
「何か…約束などは?」
記者とは選手として、仕事として必要以上の接触はしていない。
「何もしてないですよ」
「だろうね…」
本部の村上さんもこの違和感に対する決定打を決め損ねているのだろう。
「わざわざ1ヶ月休みたくないですよ」
「そうだね」
お互いに異種格闘技戦のように噛み合うことのない、中身があるようでないような話が続く。
「何が聞きたいんですか?本当になんでも答えますから」
ストレートにもう一度問いかける。
「あの日、何があった?ただのフライングなら、苦情はあっても、ここまでの反響はない」
「反響?」
「フライングじゃないだろ、というメッセージが何通か来ていてね…」
驚いた。
自分が出来ることは終わったと思っていたが、ファンは諦めていなかった。
「あれ、フライングじゃないんですよ」
「え?」
「僕の前に中川さんがいましたよ。写真判定も出ているし信じてもらえませんけど」




