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「う〜ん…」
村上さんは眉間にシワを寄せていく。
「カメラの角度なのかな…」
「角度とかではなくて、確実に中川さんは自分の前に居ましたよ」
困った顔をしながら、村上さんは言う。
「なるほど…でもなぁ… 今日はこの辺にしておこうか…」
「次はテレビ電話とか、ネットの対話でお願いできますか?もちろん逃げたり、嘘ついたりしないので」
このくらいの話ならわざわざ東京に来る必要も無いだろう。
「わかった。非常にデリケートな話だから、秘密厳守でよろしく」
了承を得られて良かった。
こういう話をする時は、悪いことをしていなくてもエネルギーを大きく消費してしまう。
もうすでに甘いものが食べたくて仕方がない。
体重管理もあるけれど、復帰戦までは遠そうだから大丈夫だろう。
見送られながら競走会本部をモヤモヤしながら出ていく。
でも良かった気がする。
万が一の場合は、病院の診断書を持って引退手続きのためにここに来ていたのだろう。
帰り道、初めて見た東京のタワーのデカさに驚きながら、自分もデカくなりたいと誓う。
新幹線で東京駅の地下で買った甘いスイーツを食べながら、家へと向かう。




